直交表における交互作用の評価について

 
  
 
 今回は、直交表における交互作用の評価について、次のようなQ&A形式で事例により解説します。
 
Q1. 現在3つの因子A,B,Cにおいてそれぞれ3または4水準ある条件で、直交表(L9もしくはL16〉を用いて実験計画を行っています。例えば3水準でL9を使う場合、A,Bの交互作用があるかを知りたい場合列はA列、B列、A×B列、C列というやりかたでよろしいのでしょうか。もしこのやり方でよいならばA×B列はどのように評価すればいいのでしょうか。
 
A1. L9実験でA×Bの交互作用を割り付ける方法です。
 
 1列にA,2列にBを割り付けた場合,交互作用のA×Bは3,4列に現れます。因子Cを割り付けるなら,もっと大きな直交表が必要です。どの列に交互作用が現れるかは,線点図を使えばわかります。
 
 交互作用を評価するには,A、Bの2元表を作成すればよいでしょう。結果は要因効果図に示すことになります。分散分析は3,4列をまとめてA×Bとして行えばよいのです。
 
 交互作用がなぜ2列必要かは,自由度を考えればわかります。
 
 Aの自由度が2,Bの自由度が2,A×Bの自由度は4になるからです。3×3=9(A,B合計の自由度)からSm(平均)の自由度1、Aの自由度2、Bの自由度2を引いて,9-1-2-2=4となります。
 
Q2. 因子CもいれるとなるとL27を使うということなのでしょうか。また交互作用についてもう少し教えて下さい。
 
A2. 3水準系の直交表でL9より大きいのはL27です。
 
 但し、たった3つの因子で1つの交互作用だけ見たいなら,直交表でなくても多元配置(3元配置)実験でも同じです。3×3×3=27
 
 次に,交互作用のことです。宮川氏*は「交互作用があるということは,その因子が効果をもち,かつ,その大きさが他の水準で異なる...
,というより高次の現象である.よって,主効果の有無さえ不明の因子について交互作用の有無を判定できるわけがない。」といっています。的を得た内容だと思います。*宮川氏,品質を獲得する技術,日科技連出版社,2000
 
 私たちは因子の効果が不明だから実験するので,効果が分かっているなら実験する必要はないのです。ただし,計数分類値(層別的な場合)のような因子の場合には,交互作用は考える必要があります。
 

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