技術士第二次試験対策:解答の主旨と解答の主旨の説明を書く(3)

 

1.会話の中でのトレーニング

前回の記事では「書き方1:要点を冒頭に書く」を使って業務の中で「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書くこと」のトレーニングについて解説しました。今回は「書き方1:要点を冒頭に書く」を使って会話の中でこれをトレーニングする方法について解説します。

 

この方法は「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方注)を使って会話をすることです。

注):「書き方1:要点を冒頭に書く」とは「内容に関する要点を冒頭に書き、この要点に関する説明をその後に書くこと」です。

 

 

例えば、上司から「今君が担当している業務の進捗状況を説明してくれ」と言われたとします。書き方1の考え方を使って上司に回答すると以下の説明になります。

 

土砂崩れが発生した現場での現地調査、この現地調査と土質調査に基づく対策工(案)の抽出までが終わりました。斜面崩壊長は最大35m、崩壊幅は最大で20mでした。現状では、対策工(案)として、吹付枠工、現場打コンクリート枠工およびコンクリート張工を考えています。これらの対策工(案)の比較から最終的な対策工を選定します。

 

太字の箇所が内容の要点です。アンダーラインの箇所がこの要点の説明です。

 

このように「話す内容の要点は何か」「話す内容の要点の説明は何か」と考えて会話をすることで「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書くこと」のトレーニングができます。「話す内容の要点=解答の主旨」「話す内容の要点の説明=解答の主旨の説明」だからです。

 

会話の中で「解答の主旨を書き、その後に解答の主旨の説明を書くこと」のトレーニングができるのは、会話をすることも技術文書を書くこともどちらもコミュニケーションだからです。

 

日常業務の中で会話をするときには「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方を使って会話することを意識してください。

 

日常業務の中で書き方1を使ったトレーニングをすれば、試験場で問題を読んだら、すぐに「解答の主旨を考え、その後に解答の主旨の説明を考えよう。これらを使って解答(論文)を書こう...

」のように頭を切り替えることができます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

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