お客様相談室の最大の使命 クレーム対応とは(その25)

 
  
 

2. 顧客がゼロになってしまう恐ろしさを知れ!

 前回のその24に続いて、解説します。
 
 顧客に高い満足を提供することに役立つお客さま相談室には、単なる商品の問い合わせから身体に影響を及ぼす深刻なトラブルまで、多種多様な情報が飛び込んできます。電話、FAX、インターネット、手紙などを通じて、日夜膨大な情報が舞い込んでくるのです。
 
 いつ、どのような情報が舞い込んでくるのかは、誰も予測できません。相談室のスタッフは、つねに一定の緊張感と戦いながら、押し寄せる仕事に立ち向かわなくてはなりません。ただし、統計的に分析すると相談室に入るおびただしい情報の60~70%は、次のような、いわゆる「問い合わせ」に類するものとなっています。
 
 ・商品の使い方がよくわからない
 ・ブランドデザインの意味を知りたい
 ・取り扱い説明書を読んでもわからない
 ・CMタレントの名前と連絡先を教えてもらいたい
 
 顧客からの問い合わせは、千差万別です。顧客のウォンツは、実に多様です。興味深い事実を一つ、紹介します。
 
 「商品を買い求めた顧客の約60%はその商品に満足感を抱いている」という調査結果があります。単純に引き算をすれば、約40%の顧客は、なんらかの事情で商品に不満を持っていることになります。
 
 「商品を買ってくれた顧客の約40%は不満を感じている」
 
 この不満足の実態も注目すべきポイントですが、それ以上に深刻な現実が明らかになりました。商品を購入して、一応の満足を感じたはずの約60%の顧客が、その後サービスやインフォメーションをほとんど受けなかった場合、一年後にその商品を再購入する確率は約60%に激減してしまうのです。
 
 再購入率が60%と書くと、「何だ、半分以上の顧客はもう一度、うちの商品を買ってくれているんだ」と、「60%の魔術」に誤魔化されてしまいそうになります。
 
 ところが、この60%という数字は、「最初に満足を感じてくれた顧客」を分母とする60%であることに、注意して下さい。つまり、「最初に商品を購入してくれたすべての顧客」を分母にすれば、1年後にはわずか「約36%の顧客」しか、商品を再購入してくれないことになります。
 
 最初に商品を買い求めたのが100人とすると、1年後に再購入してくれる顧客は、たったの36人です。背筋が凍るような購買分析結果...
が報告されているのです。こうした驚くべき事実をベースに、固定客を含めた1年後の顧客離脱率を分析すると、再び信じられない結果が出ました。
 
 なんと、1年間で24%の既購入顧客(固定客を含む)が企業を見捨てて、離れていくのです。この事実を謙虚に受け止めれば、企業が企業の意思として「顧客に満足を提供し続ける努力」の必要性が、容易に理解できるはずです。
 
  次回に続きます。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
          筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

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