挑戦計画立案 新QC七つ道具: アロー・ダイヤグラム法の使い方(その1)

 
  
 
【目次】
序論   ←掲載済
第1章  混沌解明とN7(新QC七つ道具)←掲載済
第2章  挑戦管理とN7の選択←掲載済
第3章  連関図法の使い方 ←掲載済
第4章  親和図法の使い方 ←掲載済 
第5章  マトリックス・データ(MD)解析法の使い方←掲載済
第6章  マトリックス図法の使い方←掲載済
第7章  系統図法の使い方←掲載済
第8章  アロー・ダイヤグラム法の使い方←今回
第9章  PDPC法の使い方←掲載済
第10章 PDCA-TC法の使い方←掲載済
 

第8章 アロー・ダイヤグラム法の使い方

 

8.1 挑戦計画立案にふさわしい「アロー・ダイヤグラム法」

 
 前章で、挑戦目標達成のための要実施事項を、戦略・戦術両面から漏れなく抽出するための「系統図法の使い方」の説明をしました。本章では、それを受けて、“挑戦計画”立案に最もふさわしい「アロー・ダイヤグラム法」の使い方の説明に入ります。ここで取り組む計画は、掲げた目標が“一見不可能と思われるほど高い”だけに、やってみなければ分からない“不確定要素”が多く存在するので、その処理が立案に際してのネックとなって関係者の士気をそぎ、結果として目標の低下につながることが懸念されます。そういった事態を避けるため、この“挑戦計画立案”のステップでは、すべてがうまくいった場合の“サクセスストーリー”を立案の対象とし、不確定要素については、リストアップしておき、次のステップで取り扱うことにします。
 

 

8.2 アロー・ダイヤグラム法とは

 
 ネットワーク理論をプロジェクトの計画・立案・管理に適用したPERT(Program Evaluation and Review Technique)やCPM(Critical Path Method)のネットワーク図を用いた日程の計画と管理の方法を「アロー・ダイヤグラム法」と呼び、品質管理活動への活用を促す意味でN7に加えられた手法です。N7として「アロー・ダイヤグラム法」に期待する効果を、N7提唱の書「管理者・スタッフの新QC七つ道具」(P.32~33)から、下記に紹介しますが、これらの効果は、“アロー・ダイヤグラム法”のアウトプットにより複雑な計画の全貌を細大漏らさず一望できるところにあり“余法をもって代え難い”ところです。
 

 ◆ 日程計画とその進捗管理に“アロー・ダイヤグラム法”を用いることによって出来ること

 
 
 

8.3 アロー・ダイヤグラム法のオリジナル手法について

 
 オリジナルは、先述した通りPERTとCPMで用いるネットワーク図であるとされています。ただ、CPMは、ネットワ-ク図は使用するものの、その目的とするところが、線形計画法を用いて、費用を最小にする最適解(最適スケジュール)を求めるところにあるので、アロー・ダイヤグラム法のオリジナルとしては、PERTの方がふさわしいといえます。そのPERTは、ソ連が1957年10月4日に打ち上げに成功した宇宙衛星スプートニクにショックを受けたアメリカで、ミサイルギャップを埋めるため海軍に設けられた特別プロジェクトに参加した、ブーツ・アレン・ハミルトン社(コンサルタント会社)の数学者C・E・クラーク氏のアイデアをもとに開発されたもので、ネットワーク理論をプロジェクトの計画、立案、管理に適用する手法で、対象となったポラリス計画では、7年の予定を2年縮めたといわれます。
 
 これを契機にアメリカ政府は新規プロジェクトに対し、PERTの採用を決めたことから、産業界に急速に広まったのは、VA(その後国防省がVEと呼称)と軌を一にするところです。その後、国防省とNASAが、時間のほかに、人、物、金など生産資源をネットワークで管理するシステム“PERT/COST”に発展させていますが、ここでいうCOST(費用)は単なる予算の形での導入であり、CPMの費用とは異なったものです。
 
 ちなみに、PERTを開発するきっかけとなったポラリスプロジェクトは、3000を...
超える企業群が関わり数年かかるプロジェクトだったので、オリジナルを勉強した内容を適用する際は、プロジェクトの大きさを考慮しないと用途を誤るので要注意です。(注8-1)
 
 (注8-1)たとえば、プロジェクトが納期を守り得る確率を求める「3点見積法」が紹介されていますが、N7が対象とする規模のプロジェクトの場合には、よほどのことがない限り不要といえるでしょう。
 
 次回に続きます。
【関連解説:新QC七つ道具】

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