「技術を活かす経営」西口泰夫著

投稿日 2017/09/21

本書は京セラの社長であった著者が、63歳で会長職を辞した後、同志社大学大学院の博士課程で研究した技術経営に関する博士論文を書籍化したものです。

主に電気機器産業で日本企業が低迷する要因を産業の情報技術化への対応不足と分析し、必要な要素として、オープン・イノベーション、市場ニーズの的確な把握、知識経営、人・組織の有機的活用などを挙げ、それらを統合したコンセプトであるOIBMS(Open Integral Business Management System)を提唱しています。

多くの文献、事例、データ解析を駆使し、論理的でありながら、元事業化にふさわしく学術領域に留まらない現実的な推論が見事です。

強いて言うなら、最も難しいOIBMSの具体的実現方法を是非伝授して欲しかったものです。