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書評

「イノベーターの条件」P・F・ドラッカー著

「イノベーターの条件」P・F・ドラッカー著
投稿日 2017/02/23

 本書はドラッカーの過去の著作からテーマに沿ったものを抽出し、加筆・訂正を加えて、新たに編纂したものです。

 ドラッカーはマネジメントやビジネスの研究者として著名ですが、本人は社会生態学者を自称していました。本書では昨今論じられるSociety5.0に通じる「ニューソサエティ」について、歴史分析に基づいた解説を試みています。

 比較的論理的に動く経済に対し、社会生態は必ずしもそうでなく、捉えどころがないようにも感じますが、経済が社会の上に構築されているとするならば、社会形態論を尊重し、本書で学ぶ意義があるでしょう。
 例えばドラッカーが繰り返して紹介する、第一次産業から二次、三次産業へ従事者が移動するというペティ・クラークの法則や、肉体労働から知識労働への価値の増加、そして高齢者人口が増えることによる意識変化などは、確実に製造業へも影響を与え、真摯な対応を迫ります。
 先進国における豊かさをさらに増加するためには、社会人になってからも学習を継続し、その知識を生産性向上に活用せよとドラッカーは提言します。

 表面的な効果だけを狙うノウハウ本に飽き足らず、事物の根源から行動しようとするイノベーターにおススメです。