設計段階での疲労強度は、製品寿命・安全性・コスト・事故リスクを大きく左右します。S-N曲線・応力集中・平均応力補正など疲労強度設計の基礎に加え、破壊力学・き裂進展評価・損傷許容設計の考え方まで体系的に整理します。高強度材・CFRP・輸送機器設計で必須となる「欠陥を前提とした設計思想」を、実務に落とし込む判断基準として習得できる特別セミナー!!
【WEB受講(Zoomセミナー)】*Live配信のみ(録画視聴はありません)
セミナー趣旨
産業機械は長期間にわたり繰り返し荷重を受けるため、疲労強度設計を軽視すると突発的な破壊や重大事故につながります。設計段階で疲労強度を考慮することは、安全性・信頼性・コスト削減の観点から不可欠であり、現代の産業機械設計の基盤です。鉄道車両、航空機、船舶などの輸送機器やエネルギー機械の設計・開発においても、性能だけでなく安全性の確保が重要です。
近年は高応力・高頻度の使用が増え、微細な傷や欠陥に敏感な高強度鋼やCFRPが採用されています。鋳物の巣なども生産技術の進歩で小さく制御できるようになり、運用条件の見直しが可能となっています。こうした背景から、傷や欠陥の存在を前提とした損傷許容設計の重要性が高まっています。
本セミナーでは、疲労強度設計の考え方や影響因子、破壊力学と疲労き裂進展特性を学び、損傷許容設計に不可欠な破壊力学パラメータを整理します。さらに、傷や欠陥は許容しつつも疲労き裂の進展は許容しない設計思想を理解し、若手技術者が基礎から応用までを体系的に習得し、設計作業や将来の研究開発にも自信を持って取り組める力を養います。
受講対象・レベル
・航空機、車両、船舶、機械、各種プラント等の設計、開発、生産、品証等に関わる方
・疲労強度評価、破壊力学を用いた強度評価、損傷許容評価を実務に役立てたい方
必要な予備知識
・材料力学の基礎知識(応力、ひずみ)
・疲労強度の基礎知識(S-N曲線、疲労限度)
習得できる知識
1)疲労限度設計基礎と応用
2)疲労寿命設計基礎と応用
3)損傷許容設計基礎と応用 など
セミナープログラム
1.疲労強度設計の基礎
1.1 機械的性質と疲労強度
1.1.1 引張強さと疲労限度
1.1.2 硬さと疲労限度
1.2 応力集中の影響
1.2.1 切欠係数 β
1.2.2 切欠材の分岐点
1.2.3 切欠係数 βの推定式
1.3 平均応力の影響
1.3.1 基本的視点
1.3.2 平均応力評価式
1.3.3 耐久限度線図
1.4 組合せ応力
1.4.1 疲労強度の傾向
1.4.2 疲労強度評価式
2.破壊力学の基礎
2.1 破壊力学の基礎
2.2 疲労き裂進展特性
2.3 疲労き裂進展に影響する因子
2.4 疲労き裂進展寿命推定
2.5 き裂進展の下限界
2.6 微小疲労き裂進展特性
3.損傷許容設計
3.1 √area法
3.2 KT線図
3.3 設計演習
まとめ
まとめ
Q&A
質疑・応答
セミナー講師
名城大学 理工学部 機械工学科 教授 松原 剛 先生
企業で30年間,各種輸送機器(旅客機,ヘリコプター,新幹線,モーターサイクル等)の開発および強度設計方法に従事
輸送機器メーカーにて30年間にわたり、各種輸送機器の開発と強度設計手法の研究・実務に従事。
金属疲労強度設計や損傷許容設計、さらには複合材部品の成形・強度設計など、多岐にわたる分野での技術開発を担当。
機械学会,材料学会,複合材料学会,自動車技術会に所属。
セミナー受講料
(消費税率10%込)1名:49,500円 同一セミナー同一企業同時複数人数申込みの場合 1名:44,000円
テキスト:PDF資料(受講料に含む)
受講料
49,500円(税込)/人
関連セミナー
もっと見る-
2026/01/13(火)
10:00 ~ 16:30 -
2026/01/15(木)
13:00 ~ 17:00
関連教材
もっと見る関連記事
もっと見る-
【ナノバブルとは】髪の毛より小さい「魔法の泡」が農業・美容を変える!ウルトラファインバブルの全貌
【目次】 私たちの日常を取り巻く「水」の中に、目には見えないけれど、驚くほどの可能性を秘めた存在があります。それが「ナノバブル(超微... -
常識を覆す新素材、光・音・熱を操るメタマテリアル革命とは?
【この記事のポイント】 メタマテリアルは、自然界にはない性質を持つように人工的に「構造」を設計された物質。 光、音、熱などの波を自在に操り、「... -
ナノテクノロジーとは?基礎から最新応用、未来の課題まで徹底解説
【目次】 1ナノメートルは髪の毛の太さの約10万分の1。ナノテクノロジーとは、原子や分子といった極限の小ささの世界で物質を自在に設計... -
超流動とはどういう現象?仕組みや超伝導との違いなどを詳しく解説
【目次】 超流動とは、物質が極低温において示す特異な現象であり、流体が摩擦なしに流れる状態を指します。超流動の現象(特にヘリウム-4...





