微粒子分散系の安定性評価と「ポテンシャル曲線」の描き方・読み方・使い方

66,000 円(税込)

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開催日 13:00 ~ 16:30 
締めきりました
主催者 株式会社 技術情報協会
キーワード 物理化学   応用物理一般   薄膜、表面、界面技術
開催エリア 全国
開催場所 Zoomを利用したLive配信※会場での講義は行いません。

★粒子分散性の事前予測,評価・機器測定・数値計算,その考え方と進め方 ★事前配布のExcelシートは後日自由に活用可!

日時

【1日目】2024年4月15日(月) 13:00~16:30【2日目】2024年4月16日(火) 10:30~16:30   ※本セミナーは,2日間セミナーです。

セミナー講師

東京理科大学 名誉教授 薬学博士 大島 広行 氏

セミナー受講料

1名につき66,000円(税込・資料付)〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき60,500円〕

受講について

※Microsoft Excel (2013以上が望ましい) が使用可能なパソコンをご用意の上,お申込願います。講演前にお送りするExcelシートは,後日,自由に活用が可能です。

セミナー趣旨

分散系の定性性はDLVO理論で評価できる。この理論では粒子のゼータ電位(分散促進因子)とハマカー定数(凝集促進因子)を用いて粒子間相互作用のポテンシャル曲線を描く。2つの因子を完全に理解した上で,ポテンシャル曲線の描き方,読み方,使い方について解説する。 

セミナープログラム

0.はじめに(準備):自然界の意志 (自然を支配する原理)  0.1 確率の大きい状態へ:エントロピー (無秩序さ) を増やしたい  0.2 力に逆らわない:ポテンシャルエネルギー (力に逆らっている度合) を下げたい1.微粒子集団は粒子間引力(分子間引力に由来)により必ず凝集する  1.1 微粒子(分子集合体)そのものは分子間に引力がないとできない  1.2 分子間に働く普遍的なファンデルワールス引力  1.3 微粒子表面の分子は内部の分子に比べ高エネルギー状態にある  1.4 微粒子集団は粒子間に斥力がなければ(分散媒質との親和性が強くない限り)必ず凝集する  1.5 エネルギーと電位の尺度;熱エネルギー4×10-21 Jと25 mVが基準値  1.6 ポテンシャル曲線の谷と山の意味:山を越えられるか,谷から抜け出せるか2.分子間引力と微粒子間引力  2.1 微粒子間引力は分子間に働くファンデルワールス引力の合計  2.2 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数  2.3 分散の目安:ハマカー定数に打ちかつ微粒子間斥力が必要  2.4 似た者同士は引き合う「類は友を呼ぶ」  2.5 分散媒質との親和性:疎水性粒子と親水性粒子3.微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:粒子表面を何かで覆う  3.1 静電斥力:対イオンの雲で粒子表面を覆う  3.2 高分子等で粒子表面を被覆:立体相互作用4.界面電気現象の基礎  4.1 水系と非水系(有機溶媒系)の違い:誘電率の差(誘電率の大きな水と小さな油)  4.2 電荷(原因)と電場・電位(結果)  4.3 帯電微粒子は裸ではなく電気二重層(対イオンの雲)の衣を着てブラウン運動を行う  4.4 電気二重層の厚さ(デバイ長)と微粒子表面の電位    (ゼータ電位に近似的に等しい)が界面電気現象を支配  4.5 ポアソン・ボルツマン方程式   4.6 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位  4.7 分散の目安:熱エネルギーに相当するゼータ電位25mVが基準5.電気泳動移動度の測定とゼータ電位を計算する式  ゼータ電位は直接測定する量ではなく計算から求める量。どの式を用いるべきかが重要  5.1 電気泳動とゼータ電位   5.2 スモルコフスキーの式:大きな固体粒子に適用,形状によらない  5.3 ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系(有機溶媒系)  5.4 ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球状固体粒子  5.5 円柱状固体粒子の場合:粒子の方向について平均をとると球ほぼ同じ  5.6 ゼータ電位が50mV以上では緩和効果(拡散電気二重層の変形)が重要   5.7 緩和効果を考慮した式:任意のサイズとゼータ電位をもつ球状固体粒子  5.8 種々の理論式の適用範囲    5.9 測定例6.エマルションと柔らかい粒子(高分子で被覆した粒子)の電気泳動  6.1 エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動  6.2 ヘルマン・藤田の球状高分子電解質の電気泳動理論  6.3 柔らかい粒子の電気泳動は固体粒子と全く異なる  6.4 柔らかい粒子か固体粒子かの見分け方 6.5 柔らかい粒子の電気泳動移動度の解析法と実例7.沈降電位,濃厚系,非水系(有機溶媒系)の電気泳動および動的電気泳動(CVP法とESA法 )  7.1 沈降電位:CVPと同じ原理   7.2 体積分率が1%を超えると濃厚系の扱い  7.3 動的電気泳動:CVP法とESA法  7.4 非水系(有機溶媒系)では,粒子の電荷が    非常に大きいと電荷に依存しない一定の電気泳動移動度を示す:対イオン凝縮効果8.微粒子間の静電反発エネルギー:DLVO理論  8.1 1個の粒子に働く力  8.2 2個の粒子間の静電斥力:電気二重層の重なりによる対イオンの浸透圧増加  8.3 DLVO理論:分散安定性を説明する標準理論 8.4 微粒子間の全相互作用エネルギー9.エクセルによる分散系の安定性を評価する方法  エクセルを用いたポテンシャル曲線の描き方  9.1 数値入力:ハマカー定数,ゼータ電位,電解質濃度等の入力  9.2 エクセルによる任意温度の媒質粘度と誘電率の計算  9.3 エクセル組み込み関数(指数関数,べき関数)を用いて数式入力:    DLVO理論に基づく粒子間相互作用エネルギーの式を入力  9.4 エクセルによる任意の粒子間距離における全相互作用エネルギーの計算と結果の図示  9.5 エクセルのMAX機能を用いたポテンシャルの山の計算  9.6 ポテンシャル曲線の作成例とポテンシャルの山   9.6 分散系の安定性のわかるマップ:ポテンシャルの山の高さが熱エネルギーkTの15倍あると安定  9.7 非水系(有機溶媒系)のポテンシャル曲線10.さらに精密な評価:凝集確率と安定度比【質疑応答】