セルロースナノファイバー(CNF)を用いた樹脂・コンポジット材料の開発と自動車への応用展開およびカーボンニュートラル貢献に向けた取り組み

55,000 円(税込)

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

このセミナーの申込みは終了しました。


よくある質問はこちら

このセミナーについて質問する
開催日 10:30 ~ 16:50 
締めきりました
主催者 (株)AndTech (&Tech)
キーワード 高分子・樹脂材料   紙・パルプ・セルロース技術   自動車技術
開催エリア 全国
開催場所 ※会社やご自宅のパソコンで視聴可能な講座です

~CNF強化バイオマスプラスチック、コンパウンドプロセス、3Dプリンター成形用樹脂について~

■本セミナーの主題および状況→セルロースナノファイバーは、セルロースと呼ばれる天然ポリマーから作られた通常数十ナノメートルの直径と数マイクロメートルの長さを持つ非常に細長い繊維であり、その優れた特性により、研究と応用は急速に進展しており、さまざまな分野での新しい素材として期待されています。

→コンポジット材料は、異なる種類の複数の成分を組み合わせて作られる材料のことを指し、それぞれの成分の特性を活かしつつ、単一の材料として優れた性能を持つことが特徴となります。

■注目ポイント★カーボンニュートラル時代に必須のバイオマスプラスチックの有効性を理解しながら、同じくバイオマスの強化繊維であるセルロースナノファイバー(CNF)との複合化技術や特性、普及化技術を紹介!★CNF複合材の実用化のカギとなる均一分散、熱劣化、コストといった課題課題に対するアプローチについて、その狙いと効果を紹介!★バイオマスプラスチックの一例として、卵殻およびセルロース充填プラスチックについて、原料、コンパウンド設備、応用用途展開について説明!★3Dプリンター成形(AM:Additive Manufacturing)の多種ある方式のなかで、成形体の高い強度、弾性率が発現するSLS法(Selective Laser Sintering Method)を用いて、汎用樹脂であるPP(PA6)、およびPA6(6ナイロン)とCNF(セルロースナノファイバー)複合粉体を用いて成形し、基本機械物性を評価したうえで自動車部品等を試作し、実製品としての応用可能性を紹介!

セミナー講師

  • 第1部  ノーブルテクノラボ  代表  山本 登 氏
  • 第2部  京都大学  生存圏研究所 研究員    奥平 有三 氏
  • 第3部  王子ホールディングス株式会社  イノベーション推進本部 CNF創造センター/副センター長  岸 健太郎 氏
  • 第4部  金沢工業大学  大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻/教授  影山 裕史 氏

セミナー受講料

【1名の場合】55,000円(税込、テキスト費用を含む)2名以上は一人につき、11,000円が加算されます。

セミナープログラム

【第1講】 バイオマスプラスチックの作り方/バイオマスフィラー、樹脂、コンパウンドプロセスとその条件、必要な設備【時間】 10:30-11:45【講師】ノーブルテクノラボ 代表 山本 登 氏

【講演主旨】 バイオプラスチックには生分解性プラスチックと、バイオマスプラスチックがあるが、その区分は明確でなく、グレーゾーンに入るものも多い。日本及び世界のバイオマスプラスチックの分類と、その市場の現状と将来性について説明する。バイオプラスチックは、環境負荷の軽減、即ち、焼却時の温室効果ガス削減、石油由来プラスチックの使用量削減、リサイクル可能、海洋マイクロプラスチックの発生量削減などが謳われている。 バイオマスプラスチックの一例として、卵殻およびセルロース充填プラスチックについて、原料、コンパウンド設備、応用用途展開について説明する。また、生分解性プラスチックについて、現状の開発状況、生分解性試験の課題、市場展開の問題点について説明する。

【プログラム】1.バイオプラスチックの分類と現状の規格 1.1 バイオマスプラスチック 1.2 生分解性プラスチック2.バイオプラスチックの市場の現状と課題3.生分解性プラスチックの市場の現状と課題4.バイオマスプラスチックの作り方;卵殻充填プラスチックの開発状況から 4.1 バイオマスフィラーは熱分解する。分解ガスの発生、架橋、着色 4.2 上記課題解決のための特殊コンパウンドプロセスと製造条件 4.3 バイオマスフィラー(セルロース系)は吸湿しやすい平衡水分は10%近い、これを如何に除去するか5.バイオマスプラスチックのコンパウンド設備;選択が重要 5.1 大部分のコンパウンド設備はポリオレフィン用に設計されている。 5.2 バイオマスフィラーに使用するためには工夫が必要である。6.バイオマスプラスチックに求められる性能 6.1 既存樹脂代替狙いは失敗しやすい。 6.2 汎用樹脂、PP、PEは素晴らしい樹脂である。7.バイオマスプラスチックの問題点8.生分解性樹脂との違いは、差別化をどうするか9.日本国政府の動向【質疑応答】

【キーワード】バイオマスプラスチック 生分解性樹脂 卵殻粉末・貝殻粉末 セルロース粉末 CNF CMF 生分解性試験

【講演のポイント】バイオマスプラスチックの一例として、卵殻およびセルロース充填プラスチックについて、原料、コンパウンド設備、応用用途展開について説明する。また、生分解性プラスチックについて、現状の開発状況、生分解性試験の課題、市場展開の問題点について説明する。

【第2講】 SLS法3Dプリンター用樹脂(PP、PA6)・CNF複合材料の開発と構造部材への応用【時間】 12:45-14:00【講師】京都大学 生存圏研究所 研究員   奥平 有三 氏

【講演主旨】 金型が不要で、成形体の設計変更が容易な3Dプリンター成形(AM:Additive Manufacturing)のニーズが高まっている。成形スピードの向上により、従来は試作品の成形(ラピッドプロトタイピング)が中心であったが、実製品成形への利用が始まっている。本講座では、多種あるAM方式のなかで、成形体の高い強度、弾性率が発現するSLS法(Selective Laser Sintering Method)を用いて、汎用樹脂であるPP(PA6)、およびPA6(6ナイロン)とCNF(セルロースナノファイバー)複合粉体を用いて成形し、基本機械物性を評価した。さらに自動車部品等を試作し、実製品としての応用可能性を検討した。

【プログラム】1.3Dプリンターの種類、市場と利用状況   使用されていいる樹脂材料2.SLS方式の3D成形装置の概要と特徴3.CNF(セルロースナノファイバー)の特長   CNFと樹脂の複合3.CNF(セルロースナノファイバー)強化PA6粉体を用いた3Dプリンティング   ・曲げ弾性率と曲げ強度   ・CNFによるPA6の結晶配向   ・応用例(自動車部品、ドローン部品)4.CNF(セルロースナノファイバー)強化PP粉末を用いた3Dプリンティング   ・ホモPPとブロックPPの複合   ・CNFによる曲げ強度、弾性率向上   ・ブロックPPによる衝撃強度の向上   ・海島構造による機械物性向上5.SLS方式の今後の課題【質疑応答】

【第3講】 セルロースナノファイバーとカーボンニュートラルへの取組および自動車部品への適用【時間】 14:10-15:25【講師】王子ホールディングス株式会社 イノベーション推進本部 CNF創造センター/副センター長 岸 健太郎 氏

【講演主旨】 地球上に豊富に存在する高分子であるセルロースをナノメートルレベルまで微細化したセルロースナノファイバー(CNF)は、循環型の材料であるという特徴以外に、軽量で高強度・高弾性率、寸法安定性といった機械特性を持つことから、CNFを補強材として実用化する検討が進められてきている。 本講演では王子での開発事例を中心にCNFに関する最新動向、特にCNFを補強材とした複合素材の自動車部材への適用及びカーボンニュートラルへの貢献について紹介する。

【プログラム】・王子Gの紹介 └CNF研究開発の位置づけ・CNFとは └注目されている理由・王子が手掛けるCNF └リン酸化CNFの特長、形態・CNFの最新動向 └増粘分散剤を中心とした王子での実用化事例・CNFの自動車部材への適用に向けて └CNF複合素材の王子での開発事例、課題と対応・CNFのカーボンニュートラルへの貢献に向けて └貢献の考え方、王子での現状の取り組み、課題と対応【質疑応答】

【キーワード】セルロースナノファイバー、バイオマス、高機能素材

【講演ポイント】環境対応と補強効果との両立が期待されるCNF複合材であるが、実用化には均一分散、熱劣化、コスト、といった課題がある。講演ではこれらの課題に対し王子が取り組んでいる3つのアプローチについて、その狙いと効果を紹介する。

【習得できる知識】・CNFの特長・CNFの適用用途・CNFを複合材料に展開する際の課題と対応方法・CNFのカーボンニュートラルへの貢献

【第4講】 自動車のバイオマスプラスチック・CNF利用と バイオマスフィラー今後の可能性【時間】 15:35-16:50【講師】金沢工業大学 大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻/教授 影山 裕史 氏

【講演主旨】 オイルショック以降の軽量化ニーズにも呼応し急増したプラスチックは、近年のカーボンニュートラル化や海洋プラ、マイクロプラ問題などの大きな壁にぶつかっている。その一環として植物系のバイオマスプラスチックが注目されているが、石油系に対し強度面で劣り、普及しにくいといった大きな課題がある。ここでは、その課題に対し、同じ植物系のセルロースを原料とし強度向上に期待のできるCNF(セルロースナノファイバー)を挙げ、その有効な活用方法として量拡大に魅力的な将来のモビリティに照らし合わせ、紹介したい。

【プログラム】1.プラスチックの動向     1-1 プラスチックの拡大と課題     1-2 自動車用プラスチックの現状     1-3 自動車用プラスチックの課題2.バイオマスプラスチックの期待と課題     2-1 バイオマスプラスチックの期待     2-2 バイオマスプラスチックの現状     2-3 バイオマスプラスチックの課題3.セルロースナノファイバーの期待と応用展開     3-1 セルロースナノファイバーの期待     3-2 セルロースナノファイバーの現状     3-3 セルロースナノファイバーの課題     3-4 セルロースナノファイバーの応用展開4.セルロースナノファイバー強化バイオマスプラスチック産業の活性化     4-1 マルチマテリアルとの融合     4-2 地域、循環型社会との密着     4-3 サプライチェーンの構築     4-4 ビジネスモデルの提案5.まとめ【質疑応答】

【キーワード】カーボンニュートラル、セルロースナノファイバー(CNF)バイオマスプラスチック、将来モビリティ

【講演ポイント】カーボンニュートラル時代に必須のバイオマスプラスチックの有効性を理解しながら、同じくバイオマスの強化繊維であるセルロースナノファイバー(CNF)との複合化技術や特性、普及化技術を紹介する。

【習得できる知識】自動車からモビリティ時代の幕開けのキーワードであるカーボンニュートラルとCASEの知識、そこに必要となるバイオマス素材(樹脂、強化繊維等)の知識と活かし方(高性能化、普及化)