セミナー趣旨

本セミナーでは、電動化システムの高性能化、高効率化に欠かせない、駆動モータと周辺機器の絶縁技術について、基礎から開発・応用技術、評価方法まで紹介いたします。電動化システム、関連機器、その材料に興味をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております。

セミナープログラム

第1部 12:40~14:40
高電圧電動化モータの絶縁劣化、破壊現象と評価技術

永田 正義 氏
兵庫県立大学 大学院工学研究科 特任・名誉教授

カーボンニュートラル社会の構築に向け、幅広い産業分野において電動化が叫ばれ、世界中でガソリン車から電気自動車(EV)へのシフトが急加速している。高電圧EVモータを駆動するインバータ電源に使用されるパワーモジュールは、バッテリー消費の高効率化を目標に高電圧化、大電流化及び高速スイッチング化が進められ、それと同時に熱冷却技術が要請されている。そのような電動化システムの高機能化における最大の技術課題は、インバータからの高繰り返しサージインパルス電圧伝搬によるモータ内で発生する部分放電による絶縁破壊トラブルである。高電圧・高周波化・熱対策として、使用環境での部分放電フリー実現のための高電圧絶縁設計と評価試験の標準化が最大のコア技術課題である。本講演では、EVモータ、パワーモジュールと樹脂絶縁材料の放電・絶縁技術の基礎から応用まで詳しく解説する。

1. 高電圧電動化の技術動向と課題
 1-1 EVモータの高電圧化に向けた絶縁技術動向と課題
 1-2 次世代パワーモジュールの高速スイッチング化による絶縁技術課題
 1-3 高圧絶縁材料の高耐熱性、高熱伝導化に向けた技術開発
2. 部分放電と絶縁劣化・破壊メカニズムの基礎と理解のポイント
 2-1 絶縁破壊の前駆現象である部分放電とは何か? 
 2-2 高電圧化すると部分放電が発生し易くなるのはなぜか? 
 2-3 部分放電が発生する電圧(PDIV)を計測すると大きくばらつくのはなぜか?
 2-4 各環境要因(温度、湿度、気圧)が影響する部分放電の発生メカニズムとは?
 2-5 どこで発生するのか? 絶縁弱点部位を重点対策する
 2-6 樹脂絶縁材料の熱的、電気的絶縁劣化メカニズムとは?
 2-7 インパルス電圧の評価試験の必要性、従来の交流電圧との違いは何か?
 2-8 部分放電発生の理論予測と寿命予測
3. インパルス部分放電の計測方法と電源・計測器
 3-1 微弱なインパルス部分放電の計測のポイント
 3-2 インパルス電源の電圧波形と印加方法
 3-3 インパルス部分放電センサーと信号波形
 3-4 センサー感度とノイズ、閾値と部分放電フリー判定条件
4. 電動化モータのインパルス絶縁評価試験の具体例
 4-1 モータ内部におけるサージ電圧の伝搬特性
 4-2 インパルス試験電圧波形とモータ結線方法
 4-3 国際規格(IEC)による評価方法
 4-4 各インパルス電圧波形に対するPDIV特性
 4-5 PDIV特性の環境依存性
5. 回路基板とモータ巻線の評価方法
 5-1 回路基板の部分放電計測と高周波特性
 5-2 モータ巻線の厚肉化、低誘電率化及びナノコンポジット化の技術
 5-3 EV用平角巻線の高温下での部分放電計測
 5-4 ナノコンポジット巻線の優れた耐サージ特性による高寿命化
6. まとめと今後の課題


第2部 14:50~15:50
HEV駆動モータ向け高絶縁・高耐熱マグネットワイヤの絶縁皮膜

金子 遼太郎 氏
(株)本田技術研究所 先進技術研究所 材料・プロセスドメイン

ポリイミド樹脂を多孔質化することで、250℃以上の耐熱性と比誘電率2.4の高い絶縁性を両立した駆動モータ向けの絶縁皮膜を開発した。開発した技術は新型FIT/VEZELのハイブリッド車に適用されている。今回、電動駆動モータにおける絶縁皮膜設計の考え方と多孔質皮膜を量産適用するための最適設計について講演する。

1. モータとマグネットワイヤの概要
 1-1. モータの種類と特徴
 1-2. マグネットワイヤの種類
 1-3. マグネットワイヤにおける絶縁皮膜の種類 
 1-4. 開発モータの特徴と製造工程
2. 駆動モータにおけるマグネットワイヤ
 2-1. 駆動モータの環境
 2-2. マグネットワイヤへの要求特性
 2-3. 絶縁皮膜設計の考え方
 2-4. 主な絶縁皮膜の絶縁性と耐熱性
3. 絶縁性と耐熱性を両立したマグネットワイヤの開発
 3-1. 絶縁皮膜の低誘電率化手法
 3-2. 多孔質皮膜の量産化おける課題
 3-3. 多孔質皮膜の形成手法
 3-4. 量産化のための多孔質皮膜の最適設計
 3-5. 多孔質皮膜の絶縁特性
 3-6. 多孔質皮膜の適用効果・価値
4. まとめと今後の展望


第3部 16:00~17:00
車載主機モーター、バスバー絶縁用粉体塗料の特性と適用

丹羽 真 氏
東亞合成(株) R&D総合センター 製品研究所

昨今、世界的な規模で自動車の電動化が急速に進む中、EV・HVなどに搭載される主機モーター(駆動用モーター)・バッテリー・制御周りなどの車載電材について、高出力化および高効率化の取り組みが精力的に続けられている。本講では、平角線モーター・大電流バスバーなど新たな展開を見せている車載電材に最適な粉体塗料による絶縁技術を紹介する。

1. 粉体塗料の概要・特徴
2. エポキシ系粉体塗料の塗膜性能
3. 車載電材への適用例
 3-1 主機モーター
 3-2 バスバー
4. サステナブル社会への提言

セミナー講師

永田 正義 氏
兵庫県立大学 大学院工学研究科 特任・名誉教授
・電気学会 フェロー
・IEC国際規格第55技術委員会(モータ巻線) 委員長
・電気学会A部門論文誌 前編修長
・電気学会技術調査専門委員会「インバータ駆動モータ絶縁評価法」 元委員長
・実用的インバータ駆動モータ絶縁評価法、平成30年度電気学会・優秀技術活動賞(技術報告賞)受賞
・関連テーマでの講演、執筆多数

金子 遼太郎 氏
(株)本田技術研究所 先進技術研究所 材料・プロセスドメイン

丹羽 真 氏
東亞合成(株) R&D総合センター 製品研究所

セミナー受講料

51,000円 (Eメール案内登録価格:1名44,000円,2名51,000円,3名73,000円)
※資料付
※Eメール案内を希望されない方は、「51,000円×ご参加人数」の受講料です。
※Eメール案内(無料)を希望される方は、通常1名様51,000円から
 ★1名で申込の場合、44,000円
 ★2名同時申込の場合は、2名様で51,000円
 ★3名同時申込の場合は、3名様で73,000円
 ★4名以上同時申込の場合は、3名様受講料+3名様を超える人数×20,000円

※2名様以上の同時申込は同一法人内に限ります。
※2名様以上ご参加は人数分の参加申込が必要です。
 ご参加者のご連絡なく2名様以上のご参加はできません。

受講について

<Webセミナーのご説明>
本セミナーはZoomウェビナー(予定)を使用したWebセミナーです。
※ZoomをインストールすることなくWebブラウザ(Google Chrome推奨)での参加も可能です。

<禁止事項>
セミナで共有・公開・配布される資料、講演内容の静止画、動画、音声のコピー・複製・記録媒体への保存を禁止いたします。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


12:40

受講料

51,000円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

全国

主催者

キーワード

自動車技術   電子デバイス・部品   高分子・樹脂材料

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51,000円(税込)/人

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全国

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自動車技術   電子デバイス・部品   高分子・樹脂材料

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