晶析操作の基礎と実践―晶析操作による結晶粒子群への品質作り込みの基礎から連続フロー製造まで―
開催日 |
10:30 ~ 16:30 締めきりました |
---|---|
主催者 | 株式会社 情報機構 |
キーワード | 化学反応・プロセス 生産工学 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【江東区】カメリアプラザ(商工情報センター・亀戸文化センター) |
交通 | 【JR・東武】亀戸駅 |
晶析について基礎理論から操作のポイント、
品質改善に向けたアプローチまで演習を交えて解説!
晶析操作の際、注意が必要な事項からスケールアップなど紹介
セミナー講師
東京農工大学 大学院 工学研究院 教授 滝山 博志 先生
■ご略歴:
平成 4年3月 東京工業大学 総合理工学研究科 修了 博士(工学)
平成14年8月 東京農工大学 工学部 化学システム工学科 助教授
平成18年4月 東京農工大学 大学院 生物システム応用科学府 准教授
平成23年4月 東京農工大学 大学院 工学研究院 教授
■専門および得意な分野・研究:
結晶粒子群の粒径分布、結晶形態、結晶多形など、品質を改善するための晶析法
結晶粒子群の連続フロー製造
非溶媒(貧溶媒)添加晶析の操作設計(有機・無機結晶)
回分晶析の冷却温度設計
簡易的固液平衡測定
■本テーマ関連学協会での活動:
平成27年度−現在 化学工学会・材料界面部会・晶析技術分科会代表幹事
平成21−27年度 日本海水学会 総務理事
平成20年度−現在 化学工学会材料界面部会幹事
平成26−27年度 分離技術会編集委員長
平成27年度−現在 分離技術会企画委員長
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
セミナー趣旨
結晶を取り扱う分野は化成品や医薬品をはじめとして、機能性材料やスマートマテリアル関連素材など多岐にわたっています。そして、これらの分野の製造現場やラボ研究では、分離精製や粒子製造の目的で、「再沈」「晶出」「沈殿」や「再結晶」と呼ばれる操作が行われています。この操作は「晶析操作」と呼ばれており専門の学術分野も存在しています。しかし、応用範囲が広いため合成技術者などが晶析操作を系統的に理解することは難しくなってきています。
そこで、本講座では、結晶化現象が起きるメカニズムの理解、晶析操作に必須な基礎データの取得方法、そして結晶品質の作り込み戦略までを紹介しながら、どうやれば結晶粒子群の品質を改善できるのかについて、分かり易く解説します。そして、結晶化に関わる操作の設計と、操作指針について演習を含めて講義します。
また、最近関心が高まっている晶析の連続化あるいは連続フロー製造についても解説します。
受講対象・レベル
”何を知れば、結晶化現象を理解できるのか?”
”晶析操作のコツは何なのか?”
”どうやれば結晶粒子群の品質を上手に制御できるのか?”
”最近話題の連続フロー製造とは?”
…など晶析を基礎から学びたい技術・研究者の方。
必要な予備知識
特に必要無し。
習得できる知識
・晶析装置内で起きている結晶化現象の把握
・結晶純度、結晶形態、結晶多形、粒径分布改善法のコツ
・結晶品質制御の具体的戦略
・回分冷却晶析、非(貧)溶媒添加晶析法の理解
・結晶粒子群の連続フロー製造の最新動向
・オイルアウト現象の回避方法
・DSC、XRD、FT-IRデータの活用法
★過去、本セミナーを受講された方の声(一例):
・講義がとてもわかりやすかった。
・晶析を系統的に学べるセミナーに参加できてよかった。全体的にすべて興味深かった。
・晶析安定化に向けた自動化のヒントになりました
・とてもわかりやすく、貴重な講義でした。ありがとうございました。
・晶析理論を読んでもおくわからなかったところが、わかりやすい表現で説明していただき、自分の経験と結びついてよく理解できました。
・専門知識があまりない中での参加でしたが、画像を用いて視覚的に認識できてイメージしやすかったです。
・大変勉強になり
セミナープログラム
1.晶析操作入門
−結晶化を応用した晶析とは何かを理解する−
(1)晶析とは
(2)晶析操作の目的
(3)晶析の原理
(4)各種晶析の操作法
・冷却法
・濃縮法
(5)結晶粒子群品質
・純度
・不純物
・結晶外観(晶癖)
・粒径
・粒径分布
・結晶形(多形)
・濾過性
(6)晶析における問題事例
2.晶析操作におけるポイント
−晶析の基礎を徹底的に理解する−
(1)固液平衡
・相図の具体例
・溶解度
・結晶化の推進力
・過飽和度の設計指針
(2)核化
・一次核化
・二次核化
(3)成長
(4)演習で理解する晶析速度論
3.現場で役立つ結晶品質の測定法
−マニュアルにない実践的使い方とコツ−
(1)マニュアルには載っていない熱分析データを読み取るコツ
・DSC(示差走査熱量計)でわかること
・DSC測定データの解釈とその応用
(2)マニュアルには載っていないX線分析データを読み取るコツ
・XRD(粉末X線回折)測定データの意味
・XRD測定データと結晶形態・結晶子径との関連性
4. 晶析操作におけるポイント
−品質を損なう問題の具体的な解決法−
(1)品質が安定しない理由
・結晶多形変化
・結晶多形に及ぼす晶析操作因子とは
・結晶多形制御
(2)形が変化する理由
・結晶形態(晶癖)変化
・結晶形態に及ぼす晶析操作因子とは
・結晶形態制御
(3)分布が悪くなる理由を探る
・結晶粒径分布変化
(4)結晶純度低下の要因を探る
(5)オイルアウトと晶析の因果関係
(6)連続フロー製造の最新動向
(7)演習で理解する結晶品質の制御
5.晶析操作の基礎を応用した結晶品質改善アプローチ
−結晶品質を晶析装置で作り込むためのポイント−
(1)冷却晶析法のポイント
(2)非(貧)溶媒添加晶析法のポイント
(3)反応を伴う晶析操作の実際
(4)晶析と撹拌との関係
(5)晶析のスケールアップに関わる最近トレンド
6.最新トピックス紹介
−最先端研究から品質制御のヒントを読み取る−
(1)回分から連続フロー製造への展開
(2)オンラインセンサー利用技術
7.まとめ