グラフェン分散技術 〜二軸押出機による樹脂への混練分散方法を中心に〜
開催日 |
12:30 ~ 16:30 締めきりました |
---|---|
主催者 | 株式会社 情報機構 |
キーワード | 高分子・樹脂技術 繊維・炭素系素材技術 生産工学 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【江東区】江東区産業会館 |
交通 | 【地下鉄】東陽町駅 |
皆さんお困りの【グラフェン分散】に焦点を当てたセミナー!
改善策・技術改良のアイデアを得る!!
講師
(有)エスティア
代表取締役 工学博士 橋爪 慎治 先生
【講師紹介】
京都大学工学部高分子化学教室 工学博士/神戸製鋼所の機械研究所などで高分子材料の混練、加工に関する研究/1989年 レオロジー学会有効賞受賞/2000年 (株)日本無人化システム 代表取締役/2007年 独立して、(有)エスティア 代表取締役/現在 技術貿易、技術コンサル会社(エスティア)経営とともに国内外数社の技術顧問、京都工芸繊維大学シニアフェロー
受講料
1名41,040円(税込(消費税8%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき30,240円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
セミナーに際して
■講師から受講者へ
近年、新材料としてグラフェンが登場した。プラスチック、ゴムなどに混練するとそれなりに物性が向上するが、思ったより効果が少ない、大量にグラフェンを使用しなくてはならないため経済的ではない、という感想をお持ちの方が多いと推測している。しかしそこには解決できる大きな技術改良点が潜んでいたことが分かってきた。
2軸押出機、2ロールを単純に用いた分散方法では、現在、物性がそれほど出ない。分散に関する応用技術が追い付いていないのが現状である。グラフェンの分散技術では、残念ながら日本より欧米の方が一歩進んでいる感がある。本セミナーでは、グラフェン分散の基礎理論、およびなかなか分散が進まない原因、分散技術に関する要改良点に関して詳しく説明する。近未来に、日本のグラフェン応用技術が世界をリードできることを夢見ている。
■受講して得られる情報・知見は?
・グラフェンの基本的な構造、応用特性
・二軸押出機によるグラフェンの分散技術指針・ヒント など
■主な受講対象者
・グラフェンメーカー
・グラフェンユーザー
※グラフェンの製造法、グラフェンを応用する時、グラフェン厚み(層数)、アスペクト比、構造欠陥程度、分散度、3次元構造、再凝集性、せん断ダメージ、酸化程度、付加基の種類と程度など、考慮すべき要因が多くあって、物性成果を即比較することはなかなか難しい。こういったことに思い当たる方に向けた内容を予定している。
セミナー内容
1.グラフェンの製造
1.1 ボトムアップ型製造法(製品はGRP)とトップダウン型製造法(グラファイトの分割)
1.2 ハマーズ法を基本とするGO(酸化グラフェン)、GRO(還元型酸化グラフェン)の製造
1.3 GROの物質改良に関わる最近の有効な日本の技術
1.4 グラファイトから直接グラフェンを製造する日本の新技術(世界をリードするチャンス)
1.5 目標は:欠陥のない構造を大量に、安価に製造すること。
2.グラフェンを樹脂中に分散するナノ複合体製造技術
2.1 インシチュウ重合分散法(In Situ Polymerization)
モノマー +分散液RGO(触媒添加GO) →樹脂重合
2.2 樹脂溶液分散法(Solution Blending)
樹脂溶解液(Polymer+溶剤)+分散液RGO → 溶剤蒸発除去
2.3 溶融樹脂置換法(Melt Solution)
樹脂加温溶液+分散液RGO接触→超音波振動で置換(Epoxyなど)
2.4 溶融樹脂分散法(Melt Blending, Slurry Compounding Process)
・常圧下で、直接グラフェン粉体を添加する方法(2軸押出法、2ロール法)
・グラフェンスラリーを添加する方法(2軸押出法、2ロール法)
2.5 加圧下スラリー分散法(Slurry Dispersion Process):新応用技術
加圧下注入方法(2軸押出機法:橋爪発明法)
2.6 直面する問題:高濃度MBの製造ができるか
各分散システムにおける分散度の違いと物性特性
3.グラフェンナノ分散体の機械強度特性
3.1 グラフェン分散による樹脂材料物性強度向上の現象解明
バウンドポリマー、バウンドラバー現象からの解明
粒子系ナノ分散現象との比較
3.2 各製造方法(2項)に対応する物性の特徴
溶融樹脂分散法で1%前後において最大強度になる現象(その後添加増加で物性低下)
原因と考えられるグラフェンの再凝集問題(各分散方法の限界濃度の存在)
付加するせん断応力がグラフェン分散にどのように作用するか。
せん断分散向上と、せん断破壊の両効果の重ね合わせ現象が生じる
Shear thinning , Shear thickening 現象
3.3 グラフェン分散による複合材の熱伝導特性の実際
GRP,RGO,GOの欠陥有無による特性、バンド特性
3.4 グラフェン分散による電気伝導特性の実際
パーコレーション(percolation)現象
3.5 グラフェン分散によるガスバリヤ性向上への応用と改良構造
4.加圧下スラリー分散法(Slurry Dispersion Process):新応用技術の紹介
技術原理の説明
成果の報告(分散性がインシチュウ重合分散法と同等になる)
5.グラフェン添加応用製品への実際技術
5.1 大容量キャパシターの実現
過去最高のエネルギー密度と出力密度を達成
2D,3D構造実現など有効な多層構造の実現(SiO2,CNTの応用)
ナノポアの作成と応用
5.2 タイヤ用ゴム材料へのグラフェン添加の今後の技術展開(現在は強度向上)
6.質疑応答