高分子結晶化プロセスの基礎・制御および評価技術
開催日 |
10:30 ~ 16:30 締めきりました |
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主催者 | 株式会社 情報機構 |
キーワード | 高分子・樹脂技術 化学技術 |
開催エリア | 東京都 |
開催場所 | 【品川区】きゅりあん |
交通 | 【JR・東急・りんかい線】大井町駅 |
★高分子の結晶化挙動の特異性や、結晶化度と物性・条件との相関についても理解できる!
★構造解析技術を幅広く解説:目的に応じた手法の使い分けが出来るように!
講師
京都大学 化学研究所
准教授 博士(工学) 登阪 雅聡 先生
受講料
1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合 、1名につき35,640円
*学校法人割引 ;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
セミナーポイント
結晶性高分子材料の物性は、結晶が織りなすナノからミクロンスケールの階層的な構造に大きく左右される。こうした結晶構造のコントロールは、より優れた物性の発現や、更なる高機能化を図る為に必須である。従って、様々なスケールで結晶の構造を解析すると共に、そうした構造が形成される機構を正しく理解する必要がある。
本講演では先ず、低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説する。さらに、物性との関わりが深い項目として、分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介する。
引き続き、高分子結晶の階層的な構造を解析する手法として、顕微鏡法、および、回折・散乱による解析法について解説する。
○受講対象
・新しく高分子結晶を取り扱うエンジニア
・高分子結晶の構造解析に新しく携わるエンジニア
・高分子結晶の関係する測定データの解釈にお困りの方
・高分子結晶の解析方法にお困りの方
○受講後、習得できること
・高分子が長い紐状である事に起因する、結晶化挙動の特異性について深く理解することができる。
・簡易かつ迅速な光学顕微鏡法から最新の放射光解析技術まで、幅広く紹介するので、目的に応じた手法の使い分けが出来るようになる。
セミナー内容
1.高分子結晶及び結晶化プロセスの基礎とその制御
1-1.「結晶」とは何か
1-1-1.「結晶」の定義
1-1-2.結晶はなぜ生成するか
1-2.高分子結晶の構造的特徴
1-2-1.低分子結晶との対比
1-2-2.線状高分子の凝集構造
1-2-3.高分子結晶特有の高次構造(ラメラ晶、球晶、繊維構造)
1-3.高分子結晶の生成プロセス
1-3-1.結晶核の形成
1-3-2.二次核生成→生長
1-3-3.結晶化速度
1-3-4.結晶化温度と融点
1-4.物性との関わりとその制御・評価法
1-4-1.結晶化度の評価法
1-4-2.融点の評価法
1-4-3.分子構造の規則性(融点への影響、結晶成長への影響)
1-4-4.配向(結晶化と物性への影響)
1-4-5.分子量(結晶化、機械的物性、成形性への影響)
1-4-6.球晶サイズ(機械的物性と透明性への影響)
1-5.高分子結晶化の特性を活用した加工技術の例
1-5-1.ゲル紡糸
1-5-2.ナノ配向結晶体(NOC)
2.構造解析法1−顕微鏡法
2-1.「見える」ための必要条件
2-1-1.分解能(波長による限界、結像による限界、試料による限界)
2-1-2.コントラスト(明暗、色)
2-2.光学顕微鏡
2-2-1.照明法について(透過、落射)
2-2-2.対物レンズ
2-2-3.偏光顕微鏡
2-2-4.微分干渉顕微鏡
2-3.電子顕微鏡
2-3-1.走査型電子顕微鏡
2-3-2.透過型電子顕微鏡(明視野像観察、電子回折、暗視野観察、三次元像)
2-4.原子間力顕微鏡
2-4-1.AFMの原理
2-4-2.測定上の留意点(試料作成、フィードバックパラメータ)
3.構造解析法2−回折・散乱による方法
3-1.回折・散乱の基礎
3-1-1.ブラッグ回折
3-1-2.フーリエ変換
3-1-3.逆空間
3-2.結晶の回折
3-2-1.逆格子(回折反射の指数、エヴァルト球、限界球)
3-2-2.乱れた結晶からの回折(回折点の広がりの解釈)
3-2-3.多結晶体の回折(粉末図形、繊維図形)
3-2-4.微結晶サイズの評価(シェラーの式)
3-2-5.データ処理の実例
3-2-6.電子回折
3-3.小角散乱
3-3-1.積層ラメラの回折
3-3-2.インバリアント
3-4.放射光を用いた解析の実例
3-4-1.高速時分割測定
3-4-2.マッピング
<質疑応答>