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品質工学研究発表大会報告 、技術士経営工学部会講演報告（2010/06/18配信）
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ものづくり工学通信 2010年6月18日号
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ものづくりに日夜奮闘されている皆様、
今月は経産省から「ものづくり白書」と「産業構造ビジョン」が相次いで
発行されました。後者も大半が製造業を論じているため、内容的に重複す
るところがあり、共通しているのは厳しい現状認識と戦略的事業推進、そ
のための人材教育の必要性です。
現状の厳しさを前に、実態以上に委縮して力を発揮できていない企業もあ
りますが、カメルーンチームを徹底的に分析して戦略を立て勝利した岡田
ジャパンのように、必ずしや突破の糸口はあるものと信じて進みたいもの
です。
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今号の内容
１．品質工学研究発表大会報告
２．技術士経営工学部会講演報告
３．2010年版ものづくり白書紹介
４．産業構造ビジョン紹介
５．書籍紹介：生産マネジメント概論(戦略編)
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１．品質工学研究発表大会報告
6月7，8日大井町きゅりあんにて第18回大会が開催されました。折からの
緊縮ムードで参加者数は昨年を下回ったようですが、103件の発表に対し
多くの技術者、推進者が熱い議論を交わしました。
内容ではMTシステム関連の発表が昨年の9.8%から16.5％へとさらに増え、
普及の速度を上げているようです。
特別講演は芝浦工業大学学長/日本工学アカデミー理事の柘植綾夫氏で、
教育者の観点から、理工学系大学院における経営的視点の教育を加えた
Σ型人材の提言が印象に残りました。
http://www.qes.gr.jp/meeting/index.htm
２．技術士経営工学部会講演報告
6月3日神谷町の技術士会会議室にて6月例会が開催され、ジェービルジャ
パン取締役稲垣公夫氏が「日本の製造業の課題と競争力強化への提言」
を御講演下さいました。
グローバル化とデジタル化、モジュール化の進展が著しい21世紀は、先
端技術で競争優位性を図る日本ものづくり産業には厳しい環境で、ビジ
ネスモデル革新能力などの教育制度を充実し、経営陣を中心とした戦略
構築/実践力強化が重要との提言でした。
これもまさにMOTであり、注目を浴びて良い内容と考えます。
http://www.engineer.or.jp/dept/keiei/20100603c.pdf
３．2010年版ものづくり白書紹介
6月1日に経産省から2009年度版ものづくり白書が発行されました。
日本の市場シェアと製造業付加価値世界シェアが小さくなり、中国など
の新興国に押されて、優位といわれていた中間部品類でも安閑としてい
られないデータが示されています。
新興国市場で成功するためには、技術力だけに寄らず現地のローカルニ
ーズを取り込むなどの戦略的マーケティングが必要と、かなり踏み込ん
だ提言も印象的です。
是非一度目を通して下さい。
http://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2010/index.html
４．産業構造ビジョン紹介
6月4日経産省産業構造審議会は「産業構造ビジョン2010」を発表しまし
た。
日本経済の行き詰まりを直視した上で、構造的な問題を指摘、その対策
として自動車・電機に偏る産業をインフラ/環境/文化/健康/先端の５分
野に振分け、製品売りから課題解決産業への転換を主張しています。
目新しい内容ではないものの、豊富なデータを活用して非常にまとまっ
た資料になっていますので、こちらも一読の価値ありです。
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0004660/index.html
５．書籍紹介：生産マネジメント概論(戦略編)
今年5月に文眞堂から日本大学の大場教授と東京理科大藤川教授の共編
著で発刊されました。
これまでも生産管理概論の本は多数存在していましたが、内容がやや
古く新規分野は別途参考書で補う必要がありました。その点本書は、
最近の製造業環境を反映し、サプライチェーン重視、グローバル対応、
環境対応などに十分なページを割き、ＶＭＩやＴＯＣなど比較的新しい
キーワードも扱われています。
東大藤本教授の名著「生産マネジメント入門」とは趣の違う、オーソ
ドックスな教科書としてお勧めです。
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