ものづくり企業も要注意!マウント行為の考察(その1)

 

組織、集団、およそ人が集まる場所でマウント行為をする人がいます。「マウント」とは、人との関係で圧力を誇示し、自分の立場を優位に持ち込もうとする行動で、賞賛されるというより厄介な部類の行為として認識されています。今回は、マウント行為について紐解き、悩める側の対応について解説していきます。

 

【目次】
1. マウント行為とは
2. マウント行為をする側の心の内に分け入ってみる
3. マウント行為をあしらうには
4. 競争社会の餌食

 

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1. マウント行為とは

(1)語源

サルなど哺乳類に見られる「マウンティング」からきています。相手の上に乗ることで優位を示し、社会的順位を確認する行動です。自分の優位性を示す行動は人の社会にも見受けられ、総称して「マウントを取る」などと表現されるようになりました。

 

(2)優位を示しやすいステータス

優位を示しやすいステータスとしては、学歴や役職、年収や受賞歴、著名人を知っているなどがあげられます。それらは高ランクやハイスペックなど「すごい」と言わしめる説得力を持ち合わせます。あるいは、逆に誰も知らないニッチな事柄でインパクトを残します。

 

(3)マウント行為の特徴

マウント行為の最大の特徴は聞かれてもいないのに発言してくることです。 会話の途中で「知らないの?」など見下す態度を投じてきたり、話を繰り返すことで印象を定着させようとする傾向も見受けられます。単なる自慢にとどまらず、主張の強い言動により、尊大な態度や、非常に丁寧な物言いになることもあります。

 

(4)相手がいることで成立する行為

社会的順位を優位にしようとする行為なので、単独では意味を持ちません。相手がいることで成立する行為です。集団の中、対象となる人物がいることで効果が発揮できる行為です。

 

(5)マウント行為を受けると

マウント行為を受けると会話に圧迫感を感じたり、興味のないステータスや、繰り返し語る自慢を聞かされることで心が疲弊することもあります。マウントする側の鼓舞に圧され、相手を必要以上に嫌悪したり、自分を過小評価させる要因にもなり厄介です。

 

2. マウント行為をする側の心の内に分け入ってみる

(1)主な指摘

マウント行為を説明する解説には「劣等感によるもの」「承認欲求を満たすため」「自己肯定感が低いから」「優越感を求める」「目立ちたいだけ」という記述まであります。自身の中には弱い部分があり、優位を示すことで満たされるという解釈です。

 

(2)筆者が唱える解釈

相手をライバルだと認めた場合にマウント行為が発動するというものです。あまりにも差が歴然な場合、マウント行為は起こりません。極端な話、いくら家柄が良いとっても、皇室にマウント行為をする人はいないでしょう。相手と自分の状態が拮抗している場合。差がない。あるいはその差が微妙と感じた時に、その相手をライバルとみなし、自分を誇示することで抜きんでたいという競争心の現れがマウント行為として現れると解釈するものです。

 

(3)相手の将来に脅威を感じる

将来自分を脅かすかもしれない、未知数だからこそ、先手を打って出鼻をくじく。相手が自分以上のステータスを持ったとしても、先に到達していたのは自分だという先手必勝の心境が見え隠れしています。自己の承認を周囲に求める自己顕示欲との違いは、自身の自信を補填させる自己顕示欲に対し、マウント行為は相手を萎えさせる狙いがあるというターゲットが明確にある点です。

 

3. マウント行為をあしらうには

(1)マウント行為は繰り返される

気づかないふりやスルーでその場をやり過ごす方法も効果はありますが、有効とは言えません。マウント行為には相手を萎えさせる狙いもあるため、相手が気づかなければ繰り返し仕掛けてきます。

 

(2)技ありは「ほめる」こと

例えば「それはすごいですね」という「ほめる言葉」を返すことです。

 

(3)優位なのはどちらか

自慢話を聞かされた上に相手を褒めることが簡単でないことは筆者も慰めたい気持ちでいっぱいです。ここでの朗報は、マウント行為をされたということは、あなたにライバル心を起こさせる脅威や、将来の可能性などの光が認識されているということ。マウント行為に及ばなければならない時点で、むしろあなたの方が優位にあるのです。

 

(4)受け止めることでWin-Winに

実はマウント行為を受けた時点で優位に立っているのはあなた。マウント行為の背景や理屈が理解できると、マウント行為自体むなしく感じられてきます。あな...

たは臆することなくマウント行為に立ち向かえるはずです。あなたに一矢報いることが狙いなので、出身大学や業績といった内容に大きな意味はないともいえます。

 

果敢に挑んできた相手の【態度】に対し「すごいですね」と返すことができれば、マウント行為に対して、一見優位性が確立したように感じ、実は何のダメージも受けていないあなたがそこにいるはずです。

 

4. 競争社会の餌食

需要に対して供給が上回る時代。商品やサービスの差別化が求められ、平均点ではダメという危機感が、組織・人材の中にも期待されるようになりました。無難さを脱却する風潮が、個別化やさらなるアピールに拍車をかけているとも分析できます。マウント行為をする側も気づかない競争社会の餌食となっていると言えるのではないでしょうか。ご意見をお待ちしています。

 

次回は、ものづくり企業も要注意!マウント行為の考察(その2)で、マウント行為と疑われるケースを解説します。

 

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