書評検索結果

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「マニュファクチャ2030 未来の製造業」松林光男監修

投稿日 2019/08/21

本書は、令和の時代に発刊された最先端生産プロセスの解説書であり、近未来工場の預言書でもあります。

日本の製造業が自信をもってグローバルトップと言えなくなった理由の一つは、技術そのものだけでなくIT戦略に問題があり、メーカーはもっと社内のIT人材を強化すべきと筆者は提言します。

その上で、
(1)自社のコア技術を活かし、
(2)時流を見逃さず、
(3)適切な組織と提携・協業を進め、
(4)グローバルに判断する
という4つの指針で独自戦略を策定することで、まだまだ発展の余地があると、製造業を鼓舞します。

とりあえず大きな問題は抱えていないものの、生産プロセスの将来的なステップアップ戦略を検討中の管理層におススメです。

「戦略的IoTマネジメント」内平直志著

投稿日 2019/04/18

本書は、北陸先端科学技術大学院教授で東京サテライト長である著者による、最新版IoTビジネス総合解説書です。

インターネットとセンシング技術の発達により、IT社会はサーバーだけでなくあらゆる物体を相互に接続し始めています。
ただしその様相はまだ混沌としており、どのあたりに落ち着くかの見極めが難しいと感じます。

本書は、技術面ではなく事業化の観点で、IoTの最新状況と中小から大企業までの豊富な事例を示し、
難しいながらも、オープンイノベーションの標準的な開発手順の設定に挑戦しています。

IoTは分かったけど、当社はいったいどうすればいいの?という様子見の方々、そしてIoT導入担当者におススメです。

「イラスト図解スマート工場のしくみ」松林光男監修

投稿日 2019/03/06

本書は生産システムを中心にものづくり革新を指導するコンサルタント集団による、最新製造業のプロセス解説書です。

製造業、工場の生産システムを設計しようとすると、ITの知識だけではなく、設計、生産、購買、品質から安全、環境まで広範な知識が必要になりますが、自社工場の「しくみ」を隅々まで知っている人は稀です。

そして、工場を「情報の発生と伝達」という切り口で整理、説明する資料も少ないように思われます。
重版を重ねてきた15年前の旧版に、近年進展の目覚ましいIoT、AIを加えて、この分野の標準解説書となる予感がします。

製造業でシステム担当を任された新人、あるいはとにかく情報視点で工場全体を概観したい方におススメです。