物流改善とともに大切なこと(その2)

投稿日

◆社員みんなが本気になる

 SCM前回のその1に続いて解説します。会社を変えるために最も必要だと思われることは「社員みんなが本気になる」ということです。よく社員に危機意識が欠けているという話を経営者の方がされていることを耳にします。たしかに社員の末端まで危機感が浸透しておらず、会社が徐々に悪い方向に傾いて行ってしまうことがあります。しかし、まず危機感を浸透させるのは経営者の役割であると認識すべきではないでしょうか。
 
 そうならないように経営者の方は会社の仕組みを変えなければならないのです。社員みんなが本気になるためには、社員全員に明確なタスクを与え、その出来具合をきちんと評価すべきだと思います。
 
 物流現場の各作業者にもそれぞれ目標を与え、それに対する実績をチェックして評価するようにしていくのです。例えば、Aさんは一人一日当たり運搬量を60㎥とする、またBさんには一人1日当たり梱包数を40ケースとする、などといった目標値を設定するのです。
 
 そして毎月目標に対する実績をチェックして評価します。最終的には年度での実績を評価し、それを人事評価につなげるようにします。いわゆる実力主義に基づく人事評価制度です。かつては日本ではこのような評価は一般的ではありませんでした。みんなが平等であることを良しとした文化は昔はよかったのかもしれませんが、時代は変わりました。
 
 企業間競争も厳しさを増していきますので、優秀な人にはどんどん伸びていって欲しいものです。ですからこのような実力主義に基づく評価でやる気を引き出すことも会社にとっては重要な課題だと言えそうです。
 
 目標値を達成した人、達成できなかった人、それぞれに対して明確な信賞必罰を与えることで危機感の共有化を行うことも必要です。やってもやらなくても評価に大...

◆社員みんなが本気になる

 SCM前回のその1に続いて解説します。会社を変えるために最も必要だと思われることは「社員みんなが本気になる」ということです。よく社員に危機意識が欠けているという話を経営者の方がされていることを耳にします。たしかに社員の末端まで危機感が浸透しておらず、会社が徐々に悪い方向に傾いて行ってしまうことがあります。しかし、まず危機感を浸透させるのは経営者の役割であると認識すべきではないでしょうか。
 
 そうならないように経営者の方は会社の仕組みを変えなければならないのです。社員みんなが本気になるためには、社員全員に明確なタスクを与え、その出来具合をきちんと評価すべきだと思います。
 
 物流現場の各作業者にもそれぞれ目標を与え、それに対する実績をチェックして評価するようにしていくのです。例えば、Aさんは一人一日当たり運搬量を60㎥とする、またBさんには一人1日当たり梱包数を40ケースとする、などといった目標値を設定するのです。
 
 そして毎月目標に対する実績をチェックして評価します。最終的には年度での実績を評価し、それを人事評価につなげるようにします。いわゆる実力主義に基づく人事評価制度です。かつては日本ではこのような評価は一般的ではありませんでした。みんなが平等であることを良しとした文化は昔はよかったのかもしれませんが、時代は変わりました。
 
 企業間競争も厳しさを増していきますので、優秀な人にはどんどん伸びていって欲しいものです。ですからこのような実力主義に基づく評価でやる気を引き出すことも会社にとっては重要な課題だと言えそうです。
 
 目標値を達成した人、達成できなかった人、それぞれに対して明確な信賞必罰を与えることで危機感の共有化を行うことも必要です。やってもやらなくても評価に大きな差が出なければ大抵の人は楽な道を選ぼうとするものです。こういった状況は何としても避けなければならないでしょう。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
水準評価の必要性を考える

  1. 仕事と競争力  皆さんは自社の物流について良いとか悪いとかの判断は何に基づいて実施していますでしょうか。よく会社のお偉いさんが現場に来て...

  1. 仕事と競争力  皆さんは自社の物流について良いとか悪いとかの判断は何に基づいて実施していますでしょうか。よく会社のお偉いさんが現場に来て...


現地物流会社を育てる:海外物流での勘所(その3)

  ◆現地物流会社を育てる 物流の中で特にインランド輸送はローカル業務という色合いが強いと思います。海上輸送で国と国の間を運ぶ業務がグロ...

  ◆現地物流会社を育てる 物流の中で特にインランド輸送はローカル業務という色合いが強いと思います。海上輸送で国と国の間を運ぶ業務がグロ...


製造業の中の物流:製造業に学ぶ(その1)

  ◆ 物流作業速度の違い 日本でグローバルで競争力のある産業は製造業の一部です。物流は残念ながら競争力がない産業に区分されると思います...

  ◆ 物流作業速度の違い 日本でグローバルで競争力のある産業は製造業の一部です。物流は残念ながら競争力がない産業に区分されると思います...