中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その4)

更新日

投稿日

 品質マネジメント

 

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】

 

【第2章 中国工場の実状を知る】

 中国製造業に関わる仕事をするときに先ず必要なことは、中国製造業=中国工場の実状を知ることです。それが自社工場の場合もあるでしょうし、中国のサプライヤーの場合もあると思います。中国工場では、どのよう人たちが、どのような管理でものづくりをしているのかを理解することが第一歩です。そして、日本工場と何が違うのかを見ていくとやるべきことが見えてくるのではないかと思います。

 第2章では、その中国工場の実状を生産の3要素(3M)を切り口として捉えました。

2.1 中国工場の品質管理の問題点を3Mで捉える。

 中国企業や中国工場と関わりのある仕事をしている読者の方も中国工場の品質が悪いのはなぜなのか?問題点は何だろうか?と考えることがあると思います。きっとさまざまなことが浮かんできたのではないでしょうか。ただ、あまりに多くのことがありすぎて何が何だか分からなくなる、一向にまとまらないという経験をされているのではないかと推察しています。このようなときはある切り口を持って考えると漏れなくダブりなくまとめることができます。そこで本書では生産の3要素(3M)を切り口として中国工場の問題点を考えました。

 3Mはご存知の通り、次の頭文字を取ったものです。

  • MAN (人)
  • MACHINE (機械)
  • MATERIAL (材料)

 これからこの3Mについて、中国工場ではどのような状況なのか、どのような問題があるのか、どのように対処すればよいのかを考えていきます。

 

2.2 MAN (人)

 中国工場で人と言えば中国人の問題ですね。ただ中国人と言っても漠然としすぎているので、ここでも区分して考えていく必要があります。 その区分とそれぞれが持っている問題点・特徴を下図にまとめました。日系工場では、これに加えて日本から赴任した日本人駐在員の問題があります。駐在員自身の問題である場合と駐在員が抱えている問題とがあります。

 【中国工場の階層】

  • 経営層(総経理・工場長)、...

 品質マネジメント

 

【中国工場の品質改善 連載全84回から各章の冒頭ページ 】

 

【第2章 中国工場の実状を知る】

 中国製造業に関わる仕事をするときに先ず必要なことは、中国製造業=中国工場の実状を知ることです。それが自社工場の場合もあるでしょうし、中国のサプライヤーの場合もあると思います。中国工場では、どのよう人たちが、どのような管理でものづくりをしているのかを理解することが第一歩です。そして、日本工場と何が違うのかを見ていくとやるべきことが見えてくるのではないかと思います。

 第2章では、その中国工場の実状を生産の3要素(3M)を切り口として捉えました。

2.1 中国工場の品質管理の問題点を3Mで捉える。

 中国企業や中国工場と関わりのある仕事をしている読者の方も中国工場の品質が悪いのはなぜなのか?問題点は何だろうか?と考えることがあると思います。きっとさまざまなことが浮かんできたのではないでしょうか。ただ、あまりに多くのことがありすぎて何が何だか分からなくなる、一向にまとまらないという経験をされているのではないかと推察しています。このようなときはある切り口を持って考えると漏れなくダブりなくまとめることができます。そこで本書では生産の3要素(3M)を切り口として中国工場の問題点を考えました。

 3Mはご存知の通り、次の頭文字を取ったものです。

  • MAN (人)
  • MACHINE (機械)
  • MATERIAL (材料)

 これからこの3Mについて、中国工場ではどのような状況なのか、どのような問題があるのか、どのように対処すればよいのかを考えていきます。

 

2.2 MAN (人)

 中国工場で人と言えば中国人の問題ですね。ただ中国人と言っても漠然としすぎているので、ここでも区分して考えていく必要があります。 その区分とそれぞれが持っている問題点・特徴を下図にまとめました。日系工場では、これに加えて日本から赴任した日本人駐在員の問題があります。駐在員自身の問題である場合と駐在員が抱えている問題とがあります。

 【中国工場の階層】

  • 経営層(総経理・工場長)、TOPの姿勢の問題、片腕となる中国人の問題
  • 管理者層(科長・組長・班長)、育成しなければ育たない、工場のQCDを支えるキーパソン
  • 作業者層、何も知らない、仕事や品質に対する意識が低い、離職率が高い、定着しない、

 中国工場で働いている作業者とは、いったいどんな人だちなのでしょうか。次回は「作業者」から解説します。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行   筆者のご承諾により、抜粋を連載

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「人的資源マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成(その3)

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...

【教育システムの設計:多能工・技能工人材の育成 連載目次】 1. 教育の目的・対象 2. 信賞必罰でメリハリをつけるための信賞必罰制度を運用する仕...


技術士第二次試験対策:会話から考える論文の書き方(その2)

  前回に続いて、「会話から考える論文の書き方」をテーマにした論文の書き方の2回目です。 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験...

  前回に続いて、「会話から考える論文の書き方」をテーマにした論文の書き方の2回目です。 【特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験...


仕事(職場)は自己実現の場 【快年童子の豆鉄砲】(その3)

  【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その2)仕事とは、人生観の具現の手段へのリンク】 1.はじめに 前弾では、仕事に対する取り...

  【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その2)仕事とは、人生観の具現の手段へのリンク】 1.はじめに 前弾では、仕事に対する取り...


「人的資源マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その45)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その44に続いて解説します。    (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確にす...


【対談】「経営者が語る、サスティナブルなモノづくり産業の成長に必要なダイバーシティとインクルージョンについて」 モノづくり未来大会議2024 

「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、図面活用プラットフォーム事業を展開するキャディ株式会社(代表取締役 加藤勇志郎氏)はこのほど...

「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、図面活用プラットフォーム事業を展開するキャディ株式会社(代表取締役 加藤勇志郎氏)はこのほど...


人的資源マネジメント:人生を豊かにするポジティブ感情とネガティブ感情(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   3. ポジティブ・シンキングの問題点    ネガティブ感情を抑えポジティブ感情を多くす...

 前回のその1に続いて解説します。   3. ポジティブ・シンキングの問題点    ネガティブ感情を抑えポジティブ感情を多くす...