トヨタ自動車出身で海外メーカ勤務の国際感覚豊富な筆者が、電気自動車(BEV)のグローバル販売台数のレポートを連載で解説します。電気自動車販売台数詳細解説(その1)グローバル&アメリカ編に続けて今回は、欧州・日本・中国をレポートします。
3. 2022年の欧州での電気自動車(BEV)の販売台数
2022年のEUでの販売台数のレポートです。会社・企業グループ別の販売台数をグラフにまとめました。
VWグループがTOPです。わずかにテスラを上回っています。VWブランドのほか、Audiブランドのe-tron、さらにはスペインSEATのCupraとTOP20車種に5車種入っていました。その他も、欧州メーカ・欧州を核とする多国籍企業が主体ですが、4位にはHyundai/KIAグローバルが食い込んでいます。車種別TOP10です。
1位と2位はテスラですが、VWグループは、VWブランドのほかAudiブランド、Cupraブランドと、ベスト20車種に5車種入っており、総数でテスラを上回っています。6位のSKODA Enyaqや7位のDaicia Springと東欧メーカ(ブランド)が入っている点もヨーロッパでの特徴です。この中には中国EVはありませんが、今年から販売を始めるBYD等の動向が超目されるところです。
4. 2022年の日本での電気自動車(BEV)販売台数
販売台数も重要なトレンド情報です。日本における、電気自動車(BEV)の2022年の年間台数を調査集計しました。輸入車を含めての年間販売総台数は約5万8千台です。上半期が約1万5千台でしたので、下半期の伸びは実に3倍近くとなります。
台数のTOPは日産自動車、ついで三菱自動車となりますが、いずれも軽EVの台数の寄与によるものです。昨年の6月に発売した日産サクラの年間台数(正確には6-12月の7カ月ですが)は約22,000台、三菱ekクロスEVが4,200台弱となります。計26,000台と日本全体の販売台数の過半近くです。
日産は、他にリーフが約13,000台、アリア約3,200台です。EVの歴史が古いだけに台数が多くなっています。
トヨタ自動車のbZ4Xは大半が輸出に回している模様で、また、国内はリース主体で、集計した販売台数にカウントされていない可能性があります。ちなみに、12月の輸出台数は約5,700台です。
5. 2022年の中国での電気自動車(BEV)販売台数
2023年の年初に、中国自動車工業会から表のように発表がありました。
BEV(純電動)の中国国内販売台数は 約537万台です。この台数は、日本の新車販売台数(含む軽自動車)420万台をはるかに超える台数です。新エネルギー車の生産台数が BEV/PHEV/FCV それぞれ 546.7万台/158.8万台/4千台 販売台数が 536.5万台/151.8万台/3千台となっています。
グローバルでのBEV販売台数が600万台ないし680万台とされていますので、大半が中国での販売となります。BEVの内訳、車種台数やメーカ毎の台数を調査しましたが、実に大変でした...