そのため、今回、グランド条件を決定する各々のパラメータを振り、L18直交表にあてはめ、アンテナ性能を測定し、
どのパラメーターがどの程度特性影響を与えているかを検証しようと考えております。
ところが、グランド条件を変更するとアンテナのインピーダンスがずれてしまい、特性が大きく劣化してしまうことがあります。
通常の開発においては、インピーダンスがずれたら、形状を微調整して合わせます。
なお、インピーダンスを合わせても、グランド条件の違いにより、特性の良し悪しは発生します。
今回の場合は下記の内、どちらを選択すべきか悩んでおります。
①グランド条件のパラメータ設計のため、アンテナは同じもので測定する。
②インピーダンスがずれた状態では、おかしな特性しか得られないため、グランド条件ごとにインピーダンス調整をしたうえで測定する。
お手数ですが、アドバイスをいただけたらと思います。
「超実践品質工学」をコアとしたデータエンジニアリングで、設計・開発をお手伝する、
株式会社ジェダイトの鶴田(つるぞう)と申します。
結論から申しますとご質問のケースでは、②で設計するとよいです。
制御因子条件によって、機能する範囲が変わるようなケースを、機能窓といいます。たとえば、プリンタの紙送りの機能の場合[1]、紙送り機構の制御因子を変化させると、紙送りできる荷重範囲が変化します。荷重は設計ごとに調整すればよく、問題は広い荷重範囲で機能するかどうかということです。
アンテナの設計でも、アンテナの制御因子を変化させたときに、アンテナが動作可能なインピーダンスの範囲が変わるのだと思います。したがって機能窓と同じ考え方で、アンテナの設計ごとにインピーダンスの調整が必要になると思われます。
[1]立林和夫:入門タグチメソッド, 日科技連, pp.115-116, (2004).
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