出荷トラックからさかのぼって計画を定める 物流作業計画の重要性(その2)

投稿日

SCM 
 「本日中」という雑駁な納期管理は決して好ましいものではありません。もしそのような指示を本日の朝に出したとしたら、実質作業のペースを作業者任せにしていることになります。本来であれば時間ごと管理を行い、その時刻までに何がいくつできていなければならないかを指示することが物流現場監督者の役割なのです。それを指示せずに作業者任せにすることは監督者の職務放棄であり、決して作業者の自律性を促しているものとはいえないでしょう。
 
 ある商品の出荷に関し、ピッキングを何時何分まで行い、梱包を何時何分まで行って、最終出荷を何時何分までに行うと管理していくのは当然のことです。この物流作業計画が決められていないと、各工程で好き勝手に作業を行い、ある時は在庫の山ができ、ある時は欠品が起きたりします。
 
 物流現場作業者は手空き時間を嫌いますので、そこで本来やらなくてもよいことをやってしまうことがあります。物流倉庫におけるその典型が「段ボール箱組立」です。皆さんも倉庫の中に段ボール箱が山のように積み重ねられている光景を目にしたことがあるのではないでしょうか。
 
 出荷を伴う物流作業の場合、すべては出荷トラックの出発時刻からさかのぼって計画を定めるべきです。たとえば出荷荷揃えや出荷伝票準備の開始・終了時刻を最初に定めます。次に出荷製品を倉庫や工場の中で集荷する開始・終了時刻を定めます。
 
 あとは同じようにして前工程にさかのぼり、開始・終了時刻を決めていくのです。これをどんどんと前工程で繰り返すことでサプライチェーン上の作業計画が出来上がるのです。ではこの計画を作成するために何が必要でしょうか。それはその作業をこなすための標準時間です。それがわからなければ、正確な開始・終了時刻を定めることは困難です。
 
...
SCM 
 「本日中」という雑駁な納期管理は決して好ましいものではありません。もしそのような指示を本日の朝に出したとしたら、実質作業のペースを作業者任せにしていることになります。本来であれば時間ごと管理を行い、その時刻までに何がいくつできていなければならないかを指示することが物流現場監督者の役割なのです。それを指示せずに作業者任せにすることは監督者の職務放棄であり、決して作業者の自律性を促しているものとはいえないでしょう。
 
 ある商品の出荷に関し、ピッキングを何時何分まで行い、梱包を何時何分まで行って、最終出荷を何時何分までに行うと管理していくのは当然のことです。この物流作業計画が決められていないと、各工程で好き勝手に作業を行い、ある時は在庫の山ができ、ある時は欠品が起きたりします。
 
 物流現場作業者は手空き時間を嫌いますので、そこで本来やらなくてもよいことをやってしまうことがあります。物流倉庫におけるその典型が「段ボール箱組立」です。皆さんも倉庫の中に段ボール箱が山のように積み重ねられている光景を目にしたことがあるのではないでしょうか。
 
 出荷を伴う物流作業の場合、すべては出荷トラックの出発時刻からさかのぼって計画を定めるべきです。たとえば出荷荷揃えや出荷伝票準備の開始・終了時刻を最初に定めます。次に出荷製品を倉庫や工場の中で集荷する開始・終了時刻を定めます。
 
 あとは同じようにして前工程にさかのぼり、開始・終了時刻を決めていくのです。これをどんどんと前工程で繰り返すことでサプライチェーン上の作業計画が出来上がるのです。ではこの計画を作成するために何が必要でしょうか。それはその作業をこなすための標準時間です。それがわからなければ、正確な開始・終了時刻を定めることは困難です。
 
 そこで、何かしらの方法で物流作業の標準時間を設定することが求められます。標準時間というと、何か難しいことのように感じてしまう方が多いと思われます。しかし実際にはそれほど難しいものではありません。今まで経験の無いことに対しては難しく感じたり、寄り付きがたいものに感じたりするものです。では具体的にどのような時間値を設定していったらよいのでしょうか。
 
 次回もこのテーマで続けます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その12)

1.どこに何がいくつあるか、そのどこには国内とは限りません    前回のその11に続いて解説します。商品はグローバルに流通しています。シリー...

1.どこに何がいくつあるか、そのどこには国内とは限りません    前回のその11に続いて解説します。商品はグローバルに流通しています。シリー...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その1)

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...


フールプルーフを導入しよう 物流品質の向上 (その6)

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...

1.フール・プルーフとは何か  工場で物流品質を最高水準に保つためには「人が間違いを犯しにくいしくみ」や、「品質向上に対する意識づけ」、「物流現場に...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
「ものの流れ」の改善とは 物流における作業・工程改善(その2)

◆ ものづくり改善に学ぶ  今まで何気なくやってきた「その作業」が本当に必要なのかを考えてみる必要があります。前回もお話しましたがその業務を止めてみ...

◆ ものづくり改善に学ぶ  今まで何気なくやってきた「その作業」が本当に必要なのかを考えてみる必要があります。前回もお話しましたがその業務を止めてみ...


物流委託先とのパートナーシップとは

1. 管理技術の伝授  皆さんの会社では、多くの物流業務を物流委託先に外注(アウトソース)しているのではないでしょうか。物流アウトソーシングを行って...

1. 管理技術の伝授  皆さんの会社では、多くの物流業務を物流委託先に外注(アウトソース)しているのではないでしょうか。物流アウトソーシングを行って...


物流の数値データ:物流の関心度とは(その1)

  ◆物流の数値データ 日本では昔から物流に対する関心度は低いと言わざるを得ません。物流に対する学問も確立されていません。物流の仕事をし...

  ◆物流の数値データ 日本では昔から物流に対する関心度は低いと言わざるを得ません。物流に対する学問も確立されていません。物流の仕事をし...