生産現場と種々の管理手法

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  生産マネジメント
 
 近年の生産現場に取り込まれた各種の管理手法(ISOマネジメントシステム、コストダウン活動、日本経営品質賞、QCサークル活動、これに付加されたTQC活動等々)。数え切れない手法が入れ替わり現場に導入され、以前のものをやめるとしないので、前の活動は形骸化された状態で継続され、そのことは、新しく取り入れたものへの集中を妨げます。
 
 なすべきことでないことの決定をして、生産現場が無駄な管理工数で悩まないようにするにはどうしたらいいのか、インターネット、情報技術面から解決策があるのかについて解説します。
 
 生産現場は以前の「品質第一」や「品質向上」、「生産性向上」だけの管理では済まなくなってきていることに現代の管理の難しさがあります。戦後の生産設備が劣悪な中での生産状態から消費者に求められる品質の製品を作るために「QCサークル活動」が導入されました。製品の品質を高めるためには生産現場だけでなく、経営全体で取り組む必要が認識され「TQC活動」「TQM」に至っています。
 
 外に向けての製品品質や組織体制品質だけでなく、それを生み出すための従業員までも含めたトータルな経営を評価するシステムとして「日本経営品質賞」が生まれてきたと思います。
 
 品質マネジメントシステムは、製品としての品質保証だけでなく、製造工程を含む製品提供前の活動の正当性を示すものとして規格が作られました。環境マネジメントシステムは社会的なニーズや経済だけを対象とすることなく、環境も考慮に入れた生産活動を行うために規格が制定されています。
 
 CSR(ISO26000)は品質や環境、労働などの7つの分野の実施状況を公表するための規格として存在します。コストダウン活動は、社会の付加価値を高める活動として不可欠なもので、企業間の競争のためにも不断に必要なものと考えられます。
 
 さて、次々と現れるこれの活動の取捨選択を行い、生産現場の無駄な管理工数の削減ですが、消費者の求める製品の提供という命題の元に管理の項目が増えていったものであり、どれかを止めて管理工数を削減するものではないと考えます。
 
 品質及び環境のマネジメントシステム規格が2015年9月に改訂され、要求事項の中に「事業と整合していること」の文言が追記されました。無駄な管理と思えるものは「事業に整合していない」活動であり、その活動を整理することが望まれます。
 
 品質マネジメントシステムにQC活動やTQC活動を含めることは可能と考えます。「品質目標は、組織の他の目標である、例えば組織の発展、資金、収益性、環境及び労働安全衛生に関するものを補完する」という文言がISO9000にあります。
 
 コストダウンも品質マネジメントシステムに含まれてきます。
 
 環境マネジメントシステム規格には、「厳格化する法律、汚染による環境への負荷の増大、不適切な廃棄物管理、気候変動、生態系の劣化及び生物多様性に喪失に伴い、持続可能な開発、透明性及び説明責任に対する期待が高まっている」という文言があります。
 
 事業の取り組みを説明するために、社会的責任CSRが必要になってきているのではないでしょうか。
 
 これまで取り組まれた数々の活動は、意義深く、企業価値を高めるものと思います。生産現場が本来の業務に誠心出来る環境を整えることも必要なことです。
 
 ISOの認証のことについて触れられていませんが、ISOの記録は電子媒体でも可能であり、文書・記録作成及び保管・保護においてIT技術の活用な可能なものです。業界において記録は、手書き又はバリデーションされた記録が求められ、該当しているかもしれません。
 
 IT技術面、情報技術面の解決策は、残念ながら機械がしてくれるものではないので、運用手段、記録の様式など、手書きの内容での無駄の排除が先に必要になります。手書きでの運用が容易になっているものを、手書きが容易になる運用体制の構築があって...
 
  生産マネジメント
 
 近年の生産現場に取り込まれた各種の管理手法(ISOマネジメントシステム、コストダウン活動、日本経営品質賞、QCサークル活動、これに付加されたTQC活動等々)。数え切れない手法が入れ替わり現場に導入され、以前のものをやめるとしないので、前の活動は形骸化された状態で継続され、そのことは、新しく取り入れたものへの集中を妨げます。
 
 なすべきことでないことの決定をして、生産現場が無駄な管理工数で悩まないようにするにはどうしたらいいのか、インターネット、情報技術面から解決策があるのかについて解説します。
 
 生産現場は以前の「品質第一」や「品質向上」、「生産性向上」だけの管理では済まなくなってきていることに現代の管理の難しさがあります。戦後の生産設備が劣悪な中での生産状態から消費者に求められる品質の製品を作るために「QCサークル活動」が導入されました。製品の品質を高めるためには生産現場だけでなく、経営全体で取り組む必要が認識され「TQC活動」「TQM」に至っています。
 
 外に向けての製品品質や組織体制品質だけでなく、それを生み出すための従業員までも含めたトータルな経営を評価するシステムとして「日本経営品質賞」が生まれてきたと思います。
 
 品質マネジメントシステムは、製品としての品質保証だけでなく、製造工程を含む製品提供前の活動の正当性を示すものとして規格が作られました。環境マネジメントシステムは社会的なニーズや経済だけを対象とすることなく、環境も考慮に入れた生産活動を行うために規格が制定されています。
 
 CSR(ISO26000)は品質や環境、労働などの7つの分野の実施状況を公表するための規格として存在します。コストダウン活動は、社会の付加価値を高める活動として不可欠なもので、企業間の競争のためにも不断に必要なものと考えられます。
 
 さて、次々と現れるこれの活動の取捨選択を行い、生産現場の無駄な管理工数の削減ですが、消費者の求める製品の提供という命題の元に管理の項目が増えていったものであり、どれかを止めて管理工数を削減するものではないと考えます。
 
 品質及び環境のマネジメントシステム規格が2015年9月に改訂され、要求事項の中に「事業と整合していること」の文言が追記されました。無駄な管理と思えるものは「事業に整合していない」活動であり、その活動を整理することが望まれます。
 
 品質マネジメントシステムにQC活動やTQC活動を含めることは可能と考えます。「品質目標は、組織の他の目標である、例えば組織の発展、資金、収益性、環境及び労働安全衛生に関するものを補完する」という文言がISO9000にあります。
 
 コストダウンも品質マネジメントシステムに含まれてきます。
 
 環境マネジメントシステム規格には、「厳格化する法律、汚染による環境への負荷の増大、不適切な廃棄物管理、気候変動、生態系の劣化及び生物多様性に喪失に伴い、持続可能な開発、透明性及び説明責任に対する期待が高まっている」という文言があります。
 
 事業の取り組みを説明するために、社会的責任CSRが必要になってきているのではないでしょうか。
 
 これまで取り組まれた数々の活動は、意義深く、企業価値を高めるものと思います。生産現場が本来の業務に誠心出来る環境を整えることも必要なことです。
 
 ISOの認証のことについて触れられていませんが、ISOの記録は電子媒体でも可能であり、文書・記録作成及び保管・保護においてIT技術の活用な可能なものです。業界において記録は、手書き又はバリデーションされた記録が求められ、該当しているかもしれません。
 
 IT技術面、情報技術面の解決策は、残念ながら機械がしてくれるものではないので、運用手段、記録の様式など、手書きの内容での無駄の排除が先に必要になります。手書きでの運用が容易になっているものを、手書きが容易になる運用体制の構築があって、それをIT技術・情報技術で補完することで成果を高めることができると思います。
 
 まず、無駄と思われる活動の削減、重複する活動の統合、などを進め業務を簡素化してから情報化を進めてください。情報化により時間短縮が図られたことが先になると、管理対象が増加する恐れもあります。
 
 IT技術や情報技術を用いる前に、経営目的や目標の達成に必要な業務の流れ、必要か生産活動及び広報活動を明確にしてください。その後に、運用の容易化や確実さを満たすための方法・手段を決めてから、必要なIT技術・情報技術を選択する手順で考えてください。運用に必要な文書を配布する、実施した監視・測定記録を方法としてタブレット端末を利用して行うことができます。
 

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この記事の著者

竹田 将文

ISOはJIS:日本工業規格となった社会的な制度です。より良い組織運営のための規格として存在します。企業診断と合わせることにより、財務実績と品質の向上を図る組織運営制度の構築が可能です。

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