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QUESTION 質問No.45

多種少量生産での納期順守

生産生産マネジメント |投稿日時:
金属部品の切削加工を主に15人ほどでやっております。
ほとんどの注文が1個~20個、月間注文数は平均300件という典型的な多種少量生産で、納期も長いものは1か月、急ぎの場合はFAXで図面が届き当日中に発送を頼まれることもあります。
もちろん現場にたくさん仕掛かっている時は、特急品を断るのですが、常時数十件が仕掛かっている状態で、ちょっと判断を間違えると大量の納期遅れが発生し、何度か発注元に迷惑をかけてしまいました。
何とか納期の順守率を上げる方法はないでしょうか?

【これは事務局による仮想の、しかし有りがちな、質問です】

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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

「差し立てかんばん」による生産工程の目で見る管理化を紹介します。

このクライアントさんの場合、少人数でしかも多品種小ロットをおこなっていますから、今日はどこの機械で、どのお客様の仕事を、いくつおこなっているのか、を誰でも一目でわかる必要があります。

かんばんのカードに、

1、得意先名
2、受注番号
3、製品名
4、図番
5、仕様
6、数量
7、納期
8、コンテナ番号(受注数20個で、例えば一つのコンテナに5つの部品を入れ、コンテナ番号が1番の場合は、1/4など)

と受注情報を記します。かんばんは、手書きのものでも十分で、記入後は、プラスチックスリーブなどに挿入します。

生産工程管理ボードを現場に設置します。仮に機械が15台あれば、機械番号ごとに、かんばんが掲げられますから、どの機械でどの仕事を当日おこなうのかが一目でわかります。

朝、稼働スタート前に機械の担当者がかんばんを抜き取り、機械の横にそのかんばんを掲げます。

急な急ぎの注文が入った場合、新たなかんばんが作られ、該当する機械番号へかんばんが掲げれらますが、機械の負荷や状況に応じて、現場長は、このかんばんを他の機械番号へ移すことができます。

一つの仕事が終了後、そのかんばんは製品が入れられたコンテナーと一緒に次工程または出荷エリアへと運ばれます。

出荷完了となった際には、このかんばんは、出荷済み管理ボードへ掲げられ、出荷済みが一目でわかります。

以上のように、計画、工程、出荷済み、を一つのかんばんで管理することができます。

生産工程管理ボード前に現場長や作業員が集まり、迅速なタスク割付も可能となります。

また、仕事の特性や得意先に応じて、かんばんを、たとえば赤色や黄色などと色を付けて識別しての目で見る管理化もできます。

この方式は、フィリピンの日系製造工場でも実践済で、多品種小ロットの生産計画や工程管理の改善に役立ちました。






ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

クリーン化/5Sの清水です。
多品種少量生産での納期厳守について回答いたします。
多品種少量生産の欠点を上げると、段取り替えが多く単純に繰り返し作業が出来ないため、習熟度が上げられず、生産効率が悪くなりやすい。作業も不安定であり管理も複雑で難しいと推測します。
これは、受注生産特有の問題だと思います。

一方メリットは、色々な品種をこなすことが出来るので、販売上有利。
納期確保は前提として、売上げ、客先との今後の繋がり、業容の拡大を考えれば、特急品でも断りたくないですね。
受注生産、少人数生産、特急品が時々入る中で、納期を守ると言うキーワードを意識しながら以下に改善策を探ります。

アローダイヤグラムなどネットワーク手法による日程計画手法や負荷と能力調整(山積み、山ならし)など各種の理論的な考え方もありますが、今回は少人数での生産対応、常時数十件の仕掛がある中では、様々なケースが多すぎて、理論的な手法は活用が難しくその場対応の生産活動になってしまうのは仕方ないと推測します。 
またそのためにかなりの時間も必要になります。
これらの手法を使う前に、現場でまずやっておきたいことを整理します。ライン数が不明ですので、一般論になります。

Ⅰ.納期意識の理解と共有化
① 受注生産であり、お客様あっての事業ですから、次の注文のことも考え一つ一つの注文に確実に応えたい。そのために納期厳守は必要不可欠であることを全員で共有する。
この意識、共有化が出来ていないと、これから改善して行く各種対策に対して、締め付けと言う被害者意識や、やり難い、忙しいと言った不満が出て来て、効果・成果に繋がらない。
納期達成時には、全員にその旨のフィードバックも必要。
② 特急品の見える化
・特急品は納期、優先度が分かるよう、流動容器か、製品流動表か、製品流動タグなどを色分けし、一目で分かるようにする。
・掲示板などに、特急品および全製品の進捗と納期が全員に分かるよう掲示する。
 PCで管理する方法もあるが、全員が見る訳ではないので、掲示の方が視覚に訴える点で良い。ただし、適時進捗情報の更新が必要。管理者の仕事。
 バーコード管理が出来れば、PC、プロジェクター連結により、自動的に進捗が把握でき、スクリーンに可視化することもできるが、費用が発生するのでここでは理想の範疇とする。

Ⅱ.具体的な改善
① 特急品あるいは進捗遅れのものは、昼休み等の休憩時間も交代で作業する。(別流動が可能な場合や遅れているものを挽回する場合などでも、同一ピッチに組み込まれている場合は上手く行かないが、休憩時間に通常流動品を加工し、休憩時間後ラインから外し、特急品流動に充てる等の工夫が出来ないか。)
また複数のラインがある場合は、工程数の短いものあるいは、段取り、切り替えせず共通に流動できるものだけを一つのラインに集め加工するなども考えられます。
② 無駄な作業の排除
・段取りロスの低減…内段取りは、ライン又はその工程が止まるので、ライン停止を極力少なくするため外段取化を進める。同時に段取り時間の削減も検討、工夫する。段取り、切り替え作業のワンタッチ化など。
・人の行動とレイアウトを見直し、人や製品に戻りのない工夫→人の行動の流れ矢線化をする。
・作業に無駄が無いかを動作分析や動作経済の原則に照らし、無駄な動作を排除し効率的な作業編成にする。
・運搬工程分析により、移動、取り扱い、加工、停滞を明確にし、不要な部分は減らす等工程数を削減する。
・活性分析により、製品の置き方を移動し易い置き方に改善する。(次の工程への製品の移動し易さの改善)
③ 作業改善
・工程の流れを同期化し、流れ作業化する。製品の溜まりによる停滞、手空きが出ないよう加工ピッチを揃える。一人あたりの作業バランスなど。
・常に数十件仕掛かっている状態とのこと。どれとどれを組み合わせれば、効率的な流動が出来るか(組み合わせや加工順序)、品種が多い中でも、作業ピッチの同期化のある程度のパターンが出来ないか。
 恐らく、作業の手順、製品の組み合わせ等の差立てをする人は、ある程度経験的に持っていると思うので、この個人のノウハウを開示し、より精度を高めて行く。
・作業の標準化(標準作業化、標準時間を明確にする)を進め、突発で注文が入っても、負荷、能力読みが出来るよう準備しておく。
・流動計画-統制-評価は都度実施し、過去の問題を明確にして対策、処置も記録しておく。次に問題が起きても、その中の最良の方法、成功事例を参考に対応して行く。判断に迷うとか判断ミスの防止。

Ⅲ.生産設備と品質の改善
・技術的安定度を高め、機械、設備は常に良い状態にし、故障を少なくする。品質面では不良品、やり直し、手直しが発生しないようにこれまでの問題点を整理、潰しておく。また、記録に残しておく。同じ問題の再発防止。

Ⅳ.人財育成
・どの工程でも対応できるよう多能工化を進めておき、習熟度が落ちる工程でもある程度の速さで作業できるようにする。又、プロフェッショナルを育て、交代要員として確保しておく。 

今回は、現場や製品情報がない中で、推測での回答になります。
三現主義により、現場、現物、現実を見ることで、もう少し現実的、具体的なアドバイスが可能になると思います。
                                         以上




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回答No3 | 投稿日時:


多品種少量生産で納期管理を徹底したい。

1,まず、受注情報を整理してみましょう。
  月300件、一月あたり20日稼働として一日15件ですね。
  15人で生産活動を行っています。一人あたり一日1件の生産になります。
  受注状態からみて、この状態で納期遅れを出しているならば、かなりの重症ですね。
2、現場を見てみましょう。
  現場に停滞している加工品を見てください。
  現在加工しているものだけなら問題ありませんが、上記の受注で納期遅れですから、かなりの停滞があ  るはずです。
3、考えられることは?
  1)作りすぎのムダ
    受注の負荷よりも生産能力が上回っているために、先納期品も手をつけてしまっている可能性があ    りあります。
  2)同じ理由で、まとめて生産している可能性があります。
4、どうすれば?
  1)まずは、適正な人員を投入しましょう。人の入れすぎは停滞を増やす悪循環になります。
  2)納期順に着手しましょう。
  3)1件ずつ流しましょう。

以上でもだめならば連絡ください。現場を診断いたします。

改善技術研究所 所長 竹内 均
  




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回答No4 | 投稿日時:

切削加工専門工場の、納期遵守するための管理をどうするか?という問題ですね。
まず現状および、問題点を整理してみましょう。

1.現状および問題点について
(1)注文の状況
ほとんどの注文が1個~20個、月間注文件数は平均300件とういことですから、平均注文数を10個とすると、300件×10個=3000個/月の生産量となり、それを15人で賄っています。
300件のうち、繰り返し生産品と、個別受注生産品の比率は定かではありません。

稼働日を24日/月とすると、300件÷24日=12.5件/日の平均仕掛りとなりますが、常時数十件が仕掛っているということは、毎月の注文件数に対して、加工処理が追い付かず、納期遅延が常態化しているのではないでしょうか?

納期も、1か月のものから、当日中に発送が必要な特急品もあり、生産の流れを乱す要因となっているようです。

(2)製造工程の状況
15人の作業者は、それぞれ何台かの加工機械を受け持っており、前工程の加工が終了したものを受け取って自分の担当の加工を行い、次の工程へ送っているものと思われます。

金属部品の切削加工は、CNC加工、旋盤、フライス盤、ボール盤等の加工設備が必要で、通常は部品図面から、加工方法を決め、機械加工の工程順序を決め、使用する機械設備、加工時間の決定、人員の割り当て、加工日程計画を立てます。

ただ、この工場では、受注し受け取った部品を、そのまま図面とともに、現場に投入しているものと思われます。そして、熟練技能者が図面を見て、加工順序を決め、現場に投入されたものから順番に現場に流し、特急品が投入されると、それを優先して加工を行うというように、日々の生産が行われていると思われます。

(3)進捗管理、納期管理
受注した部品の完成予定は、熟練技能者のKKDによって大体これくらいと予想はつきますが、正確な日程はつかめておらず、納期の直前にならないと遅れ/進みが分からない状態にあると考えられます。

現場には、各所設備の横に仕掛品が積まれており、それがいつの納期なのか、またいつ加工に取り掛かるのかもわからない状態にあると考えられます。

2.対策案
 受注型生産で、見込み生産はできない状況であるため、受注した案件を、いかに納期通りに生産するか、その管理手法を確立する必要があります。

(1)生産日程計画の作成
 まず、向こう1か月間の生産計画を立てます。
現在、仕掛っているもの、これから仕掛るもの、受注が予想されるものすべてを洗い出し、複数の加工設備への割り振り、加工日、加工数量、加工時間および、作業者の割り当てを考慮して加工開始日から完成日を決めます。

この時工夫しなければいけないことは、ネックとなる工程(加工設備)が生じないように調整することです。一つの加工設備に、同じ日の、同じ時間帯に加工が集中しないようにうまく調整することです。一つの加工設備に集中してしまうと、その設備の周りには、大量の加工待ち品が滞留してしまうことになり、流れが止まり納期遅延の原因となってしまいます。

つまり、それぞれの加工設備ごとに、何月何日のこの時間帯は、この部品を加工すると、あらかじめ決めておくことになります。この計画は、毎日見直しを掛けて、進捗状況によって修正を掛けて行きます。特急品が入ったときは、その時点で計画を練り直します。

(2)段取り時間の短縮
できるだけ加工設備の段取り替えが生じないように類似品を続けて投入するように配慮し、設備の稼働率を高めます。
そうは言っても、段取り替えを一日に何回か行わなければならない場合も多く発生するので、段取り作業をできるだけ簡略化、無調整化を図って行きます。そのための専用工具、運搬車、交換品の配置、周囲の5S活動は日常改善活動の中で実施していきます。

(3)製造指図の作成
 一つの注文ごとに製造指図を作成します。この製造指図によって目的の作業の準備、開始、完了までを管理します。指図の内容は、以下の通りとなります。
 ・生産数量
 ・加工するものの品質基準(形状、寸法リミット、外観など)・・・図面で代用可
 ・作業手順・・・作業標準書(繰り返し受注品)、図面、データなど(個別受注品)
 ・使用加工機械
 ・作業時間、作業者名、加工機械使用時間
 ・加工日、完成日・・・工程ごとの加工日(加工機械の使用日)、完成日

指図に記入する日程等の内容は、生産日程計画から落とし込みます。
指図には、実績記入欄が設けてあり、一つの工程の作業が終了し、次の工程に送るときにその日付を記入し、製品に添付して送ります。

(4)作業標準書
 繰り返し受注品の場合は、加工方法(加工手順、設備の諸条件)、作業時間(設備の準備、稼働時間、手作業時間)、品質基準、かかる人数などを記入した、作業標準書を準備します。
そして、作業者に対しては、作業標準書に基づく作業訓練を実施します。

 1回だけ生産するような、個別受注品は、作業標準書は作成せず、加工方法、作業時間、品質基準などは、その都度指示する必要がありますが、部品図面、加工データなどを添付することで、指示します。

(5)進捗会議
 毎朝、作業開始前に、全員が集まって当日の作業を確認します。
前日の問題点、遅れ等の対策を話し合い、対策を講じます。設備の故障、欠勤などの状況を考慮し、計画を見直しします。

慢性的に遅れが出る工程については、その原因を徹底的に追及し対策します。設備の能力が足りず、計画時に加工時間を少なめに設定しているのか、それともチョコ停を起こすために加工が遅れてしまうのか、などその原因に応じた対策を取ります。

3.人材育成について
 多品種少量、個別受注生産の工場で納期遵守率を上げる事は、自社にとって一つの強みとなります。
生産計画の立案、仕掛在庫の削減、段取り時間短縮によって生産性がアップし、リードタイムの短縮が図れます。その結果、製造原価の低減、利益幅の拡大、企業の体質強化にもつながります。

そのためには、加工工程や設備を熟知した、生産計画担当要員の育成が必須です。
熟練工のKKDに頼ることなく、理論的なアプローチで、日程計画を立案し、リードタイム短縮、生産性向上を図り、将来は受注を増やしていくことが可能になります。

更に、作業者の多能工化を推進することによって、複数の加工工程、設備の操作が可能になり少人化が図られます。計画的な多能工化教育計画立案が望まれます。