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QUESTION 質問No.213

ISO 9001:2015で、ご教示下さい

生産品質マネジメント |投稿日時:
ISO 9001:2015で、ご教示下さい。箇条8.5.1、『製造及びサービス提供の管理』に、g)「ヒューマンエラーを防止するための処置を実施する」が新たに要求されるようになりました。この規格要求事項に、何をしたらよいのか、QMSのどこを強化したらよいのか、ご教示下さい。


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ANSWER
回答No1 | 投稿日時:

ヒューマンエラーの防止策としては、一般的に次のことが行われています。業種によっては適用不可能なものも存在する、又は優先順位の異なる場合は多いと考えます。
①製品設計の時に、取り付け方法を検討し、裏表、左右など間違えた場合は取り付けられないようにすることがあります。もっとも、共通化してどの場面でも使用できるようにすることも考えられます。
②製造時では“ポカ除け”が設けられる場合があります。作業員のエラーだけでなく、機械作業のエラーも対象にしている場合もありますが、エラーを起こした不良品を検出し、自動で排出するようにしています。
③人的な活動では、ダブルチェックがよく用いられています。一人のヒューマンエラーがあっても、他の人がチェックすることでミスを発見する可能性を高めるものです。
④ダブルチェックを行なえない場合又は一人で間違いを少なくする方法として、チェックリストを用いる場合があります。思い込みや勘違いで、検査漏れ・作業漏れをなくすることが目的になっています。

作業手順書を作成していますが、これもヒューマンエラーを起こしやすい作業の手順を定め、誰も間違いなく作業を進めることができるようにしていると考えれば、対策の一つと言えるでしょう。

設計での配慮や作業手順書の策定は、「8.5.1 製造及びサービス提供の管理」の意図とは違ってくると考えます。
規格では②が対策の中心となると考えます。実際の作業現場でニューマンエラーを防ぐ方法を実施していくことになります。
ポカ除けには、例えばキリ穴の深さを一定に保つためにキリにテープを巻いて目安にしたり、ストッパーを付けたりしています。このキリにテープを巻くことからヒューマンエラーを防ぐ対策となります。

ISO規格を経営改善に翻訳する中小企業診断士
竹田将文
mh55takeda@agate.plala.or.jp




ANSWER
回答No2 | 投稿日時:

ISO2015年版の「8.5.1:製造及びサービス提供の管理」にあるヒューマンエラーを防止する処置については、全ての企業で悩まれていることと思います。
規格の要求であり、一般的に何を行われなくてはならないと考えますが、ほとんどの企業様は実施されていると考えます。
しかし、ヒューマンエラーが減らないなど苦慮されている企業様が多いです。
何に取り組むべきかは、「6.1.1」にある、望ましくない影響(リクス)を明確にされる中に必然的にヒューマンエラーの防止に関連する内容が出てくるのでないでしょうか。
勿論、望ましくない影響(リスク)には、顕在しているものと潜在しているものがありますが、望ましくない影響を抽出する時に、現状の4M(人、設備、手順、材料)には、どのようなリスクが存在しているかを追求されると自ずと取り組むべき事項が出てくるはずです。
この取り組むべき事項に対し、改善が考えられる内容であれば、目標に設定し改善を進める、改善が不可能であれば、「8.1:運用」の中で確実に管理(監視)することを変えられるとよいでしょう。
従って、ヒューマンエラーの防止処置は、目標の中で又は運用の中で実施していると考えられると分かり易いと思います。
勿論、これまでに無かった、考えられなかったエラーが出れば、是正処置を行い、「7.1.6:組織の知識」として学習し共有化することも以降のヒューマンエラーの防止処置にもなります。
ISOの規格は、条項の要求事項に対し単独で何かをしないとならないと考えられると非常に重いシステムになりますが、規格の各条項の求める意図を十分にご理解頂き、各条項のつながりを考えて頂くと重くならず、役に立つISOになると考えます。
ご質問のQMSのどこを強化ではなく、貴社が持っておられるリスクを十分に抽出されると、それに対する処置又は強化を行う活動になります。
この2015年改訂は、非常に組織の事業プロセスに整合したよいシステムになっていますので、規格の意図を十分にご理解頂き、組織にとって本当に役立つシステムを構築され運用して下さい。
私は、審査員としても、コンサルとしても、決して規格要求事項に対し何かをするのではなく、組織にとって何をすればよいのか(何に取り組むべきか)を考えて頂くことに主眼をおいています。