物流不良に悩んでいる会社も多いことかと思います。せっかく生産工程で良い製品を作ったとしても、物流工程で間違いが発生してしまったら台無しです。小売業や流通業ではものづくりの工程がありませんから、ほとんど物流的業務であると思われます。そこでの間違いはプロとしての意識が問われてしまう気がします。
物流エラーを防ぐことは基本的にそれほど難しいことではありません。エラー防止のためにお金をかけることも不要です。まずやるべきことは社内ルールを確立すること。そしてそれを守らせるしくみを作ること。この2つです。これさえできれば物流エラーは限りなくゼロに近づけることができます。しかし多くの会社でこの2つを実行していません。ということは、物流エラーを発生させて下さいと言っているようなものです。
第一歩としてきちんとした作業ルールを確立していきましょう。この作業ルールは一般的に標準作業と言われるものです。誰がその作業を行っても、同じ結果が出るようにする決まり事です。同じ結果とは物流品質に限らず、安全性やコストなども含まれます。
ルールを作るにあたって気をつけたい点をお示しします。それは一つひとつの動作を軽視せずに、きちんと決めていくことです。たとえば数の数え方について見ていきます。物流品質不良の中に「誤数」というものがあります。つまり、顧客から求められた数量を間違って出荷してしまうことです。
1個多い、1個少ないといった類のエラーです。これを防ぐために、容器から部品を取り出して、いったん作業台の上に並べ、求められた数量になっているかどうかを確認するというルールが考えられます。
本来であれば、容器から取り出して、顧客に届ける箱に直接移し替えることで作業は済むでしょう。しかしその方法で誤数が発生する可能性があるのであれば、このようなルールを定めることも当然ありだと思います。
このように職場のルールとしての標準作業を定めるとともに、それを守らせるしくみを確立します。その方法とは、標準作業を作業者に教え込むとともに、その通り実行できている...