【目次】
1. 設備管理の基本
2. 設備管理 7つの基本
①設定値の妥当性が検証されているか
②実測値を確認できるメーターがついているか
③実測された値の判定基準が明確になっているか
④点検シートに判定基準、記入欄、判定欄があるか
⑤メーターの基準範囲に印があり、目で判定できるか
⑥定期チェックのタイミングが明確になっているか
⑦基準から外れた時の対処方法は明確か
1.設備管理の基本
品質の高い製品を安定して生産するためには、製品を生み出す機械・設備をいつも正しい状態で管理することが重要です。人の健康管理のように、健康な状態を維持できるように、設備の健康管理も日常的な取り組みがかかせません。
設備の健康管理は、機械の状態を数値で定量的に把握することのできる設備メーターの管理によって行います。設備メーターの管理では、製造する製品に応じたパラメーターの設定値が検証されていることはもちろん、その結果として、確認できる圧力、流量、速度、温度、寸法などの各種管理指標が適正な基準範囲内におさまることを日常点検によるチェックで確認するのが基本になります。また、設備の具合が悪くなる前に、メンテナンスを図り、改善することも必要です。
設備メーターの管理は、当たり前のことのように思えますが、実際の工場の現場では出来ていないことも多く見受けられます。
2.設備管理 7つの基本
設備管理では、以下に挙げる7つの基本がすべてクリアされているか、あらためて現場の設備を再確認してみると良いでしょう。
- ①設定値の妥当性が検証されているか
- ②設定値を確認できるメーター(実測値)がついているか
- ③実測された値の判定基準が明確になっているか
- ④点検シートに判定基準、記入欄、判定欄があるか
- ⑤メーターの基準範囲に印があり、目で判定できるか
- ⑥定期チェックのタイミングが明確になっているか
- ⑦基準から外れた時の対処方法は明確か
それでは順番に詳しく見ていきましょう。
①設定値の妥当性が検証されているか
設定された値について、なぜその設定値になっているのか、その根拠を理解した上で設定がされていることが大切です。これが理解できていないと、実際の値がずれた時に、OKなのかNGなのかの判断ができず「近い値だからいいか」といって重大なミスを見逃して不良品を作ってしまうことにもつながりかねません。どのような理由で設備の値が設定されているのか、その値を下回った時に何が起きるか、その値を上回った時に何が起きるかを理解しておきましょう。
②実測値を確認できるメーターがついているか
設定値は正しくても、温湿度などの環境や機械の調子に左右され、実際の値が設定値と異なる場合もあります。そのため、設備には実際の値を確認できるメーターがついていることが望まれます。もし、メーターが設備についていない場合には、他の計測器で実際の値を定期的に確認することが必要になってきます。
③実測された値の判定基準が明確になっているか
日々の設備管理では、定期的に機械の状態をメーターで確認し、記録を行います。しかし、その際に、単に記録を付けているだけでは意味がありません。測定された値がどの範囲にあれば正常で、その範囲を外れた場合にはどのような行動をするのかという判断基準が明確になっていなければいけません。基準が無ければ、OK、NGの判断もできませんし、是正行動も生まれません。判断基準が明確になっているか、基準を外れた場合にどのような行動を行うかが定められているかを確認しましょう。
④点検シートに判定基準、記入欄、判定欄があるか
設備の点検結果を記入するチェックシートには、合否の判定基準、実測値の記入欄、合否の判定欄があるかを確認しましょう。設備の定められた設定値(基準と範囲)に対して、実測の測定値が、基準の許容範囲であり、さらに中央値に近いことを定量的に確認することは、設備管理の基本になります。また、環境や設備の状態が変化して、実測値が徐々にずれていくような場合でも、チェックシートの数字の変化を見れば予兆に気づくこともできますし、基準範囲外になる前に保全などの手を打つことも可能になります。
⑤メーターの基準範囲に印があり、目で判定できるか
多くの工場に共通して出来ていないことの一つに、設備メーターへの判定基準の印をつける『見える化』があります。設定に対する実測値の上限値と下限値を明確にして、その印をわかりやすく表示することが、簡単で効果のある方法です。設備メーターには、誰が見ても正常かどうかが一目でわかる工夫を行いましょう。また、不具合が発生した際に、ランプや音などで知らせることで見逃しを防ぐという方法もあります。
⑥定期チェックのタイミングが明確になっているか
設備の状態は、定期的に確認することが必要です。始業時やシフト後退の時など、設備に合わせて適切な周期で確認するようにしましょう。また、設定値と実測値を定量的に確認するだけではなく、合わせて、次の項目など、設備の異常や変化を、人の五感もはたらかせて定性的に確認することも大切です。点検の際に合わせて確認できるように、点検表の中に項目として明記してしまっても良いでしょう。
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