事業再構築とは

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事業再構築

 

企業のビジネスモデル再構築には、設備投資だけでなく、事業を担うノウハウの獲得・経験が必要です。人材投資だけでなく、現在のメンバーへの新たな投資、社内の事業再構築に向けた組織目標の設定など、組織再構築も同時に必須となります。組織メンバー同士が新事業に成長意欲を持って取り組めるチーム体制が大切になるのです。今回は、このような背景を踏まえて、事業再構築を解説します。

 

1. 事業再構築補助金事業

経済産業省、事業再構築補助金事業が、活況を呈しているようです。同事業は、中小企業等の事業再構築を支援するものです。

 

事業再構築とは、新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換または事業再編を指し、事業再構築補助金に申請するためには、これらの類型に該当する事業計画を認定支援機関と策定することが必要です。

 

現在の環境変化の激しさ、速さを考えると、現状の延長線上での事業再構築戦略だけでは難しいのです。

 

あるべき姿から逆算してビジネスモデルや事業戦略を構築していく考え方が必要です。VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に対応して、外部環境の急変が起こる中、将来の想定外の事象の発生予測が困難であることを認識しなければなりません。

 

2. 事業再構築で重要なこと

事業再構築を考える際、場当たり的な対応では、経営理念・組織との弊害が生じることがあり、再構築導入に困難が生じる可能性があります。

 

再構築には、長期の視点で経営ビジョンなど、自社が目指したいことを見極めたうえで取り組む必要があります。再構築に成功した企業は、コアコンピタンスを活かした再構築を行うことで、自社を飛躍させています。

 

3. 事業再構築の目的

事業再構築で重要なことは、記述のように長期的視点で事業再構築し続けていくことです。DX等は、手段であって目的ではありません。

 

次に事業再構築に役立つ確認項目を解説します。コアコンピタンスは、たくさん見つけられるほど役に立ちますので、多くの強みを挙げて、どれを活かし、どう組み合わせるかを考えましょう。

 

【強み再発見の確認項目】

  • 企業の伝統は、どのようなものがあるか
  • 独自技術・サービス・商品はどのようなものがあるか
  • 不可欠な人材を具体的にすること
  • 顧客・取引先は、なぜ当社を選んでいるのか

 

4. 自社の強みの見つけ方

上記の強み再発見の確認項目により、どこに強みを持っているかは見える化出来たでしょうか、再構築においてどこが強みなのかを知るには、目に見えない資産に目を向けることが重要です。

 

事業再構築補助金採択ありきではなく基本を押さえて新事業を考える必要があります。長期的な視点で市場を捉えて新しい取組に挑戦することが求められます。

 

補助金を取得に意識が向くと、再構築する過程が手薄になり、目先の引き合いにばかり目が向いて、コアコンピタンスとの関連が薄い市場を目指してしまったり、既存事業延長になってしまったりすると再構築は難しいでしょう。事業再構築と呼べる新事業を考える強みの見つけ方は次のようなことです。

  • 自社の把握、自社のビジョンを明確にする。現状把握をする。コアコンピタンスの源泉を見つけること。
  • 市場の把握、市場環境変化に対応する新事業を明確にする。競合先となり得る相手を調べること。

 

事業再構築は、多くの企業が必要性は感じているものの、なかなか取り組めていないのが実態ではないでしょうか。まずは、ものづくりCOMの無料セルフアセスメントを実施して、自社の長所・短所を把握することから始めてみましょう。きっと、あなたの会社の経営革新に役立つと確信しています。

【【ものづくりCOMの無料セルフアセスメントへのリンク】】

 

5. 変革を続ける組織とは

【変革し続ける、しなやかな組織づくり】

強みを知ることは、組織体...

事業再構築

 

企業のビジネスモデル再構築には、設備投資だけでなく、事業を担うノウハウの獲得・経験が必要です。人材投資だけでなく、現在のメンバーへの新たな投資、社内の事業再構築に向けた組織目標の設定など、組織再構築も同時に必須となります。組織メンバー同士が新事業に成長意欲を持って取り組めるチーム体制が大切になるのです。今回は、このような背景を踏まえて、事業再構築を解説します。

 

1. 事業再構築補助金事業

経済産業省、事業再構築補助金事業が、活況を呈しているようです。同事業は、中小企業等の事業再構築を支援するものです。

 

事業再構築とは、新分野展開・事業転換・業種転換・業態転換または事業再編を指し、事業再構築補助金に申請するためには、これらの類型に該当する事業計画を認定支援機関と策定することが必要です。

 

現在の環境変化の激しさ、速さを考えると、現状の延長線上での事業再構築戦略だけでは難しいのです。

 

あるべき姿から逆算してビジネスモデルや事業戦略を構築していく考え方が必要です。VUCA:Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)に対応して、外部環境の急変が起こる中、将来の想定外の事象の発生予測が困難であることを認識しなければなりません。

 

2. 事業再構築で重要なこと

事業再構築を考える際、場当たり的な対応では、経営理念・組織との弊害が生じることがあり、再構築導入に困難が生じる可能性があります。

 

再構築には、長期の視点で経営ビジョンなど、自社が目指したいことを見極めたうえで取り組む必要があります。再構築に成功した企業は、コアコンピタンスを活かした再構築を行うことで、自社を飛躍させています。

 

3. 事業再構築の目的

事業再構築で重要なことは、記述のように長期的視点で事業再構築し続けていくことです。DX等は、手段であって目的ではありません。

 

次に事業再構築に役立つ確認項目を解説します。コアコンピタンスは、たくさん見つけられるほど役に立ちますので、多くの強みを挙げて、どれを活かし、どう組み合わせるかを考えましょう。

 

【強み再発見の確認項目】

  • 企業の伝統は、どのようなものがあるか
  • 独自技術・サービス・商品はどのようなものがあるか
  • 不可欠な人材を具体的にすること
  • 顧客・取引先は、なぜ当社を選んでいるのか

 

4. 自社の強みの見つけ方

上記の強み再発見の確認項目により、どこに強みを持っているかは見える化出来たでしょうか、再構築においてどこが強みなのかを知るには、目に見えない資産に目を向けることが重要です。

 

事業再構築補助金採択ありきではなく基本を押さえて新事業を考える必要があります。長期的な視点で市場を捉えて新しい取組に挑戦することが求められます。

 

補助金を取得に意識が向くと、再構築する過程が手薄になり、目先の引き合いにばかり目が向いて、コアコンピタンスとの関連が薄い市場を目指してしまったり、既存事業延長になってしまったりすると再構築は難しいでしょう。事業再構築と呼べる新事業を考える強みの見つけ方は次のようなことです。

  • 自社の把握、自社のビジョンを明確にする。現状把握をする。コアコンピタンスの源泉を見つけること。
  • 市場の把握、市場環境変化に対応する新事業を明確にする。競合先となり得る相手を調べること。

 

事業再構築は、多くの企業が必要性は感じているものの、なかなか取り組めていないのが実態ではないでしょうか。まずは、ものづくりCOMの無料セルフアセスメントを実施して、自社の長所・短所を把握することから始めてみましょう。きっと、あなたの会社の経営革新に役立つと確信しています。

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5. 変革を続ける組織とは

【変革し続ける、しなやかな組織づくり】

強みを知ることは、組織体制づくりにもプラスに作用します。強みを再認識して、さらに自社に適した組織づくりができ、採用やESに必要な要素も見えてきます。変化のないことは、それは維持ではなく後退しているのと同義であると認識し、事業再構築を考えることで組織のリフレッシュにも繋がります。

 

再構築と同様に、組織体制でも明文化、共有が重要です。強みとその背景を、従業員行動指針に落とし込むことで、従業員、個人も仕事の目的がわかり、働きがいにもなります。

 

理解が進むことで、従業員のモチベーションが高まることが期待でき、事業戦略強化に最適な人材の確保にもつながります。

 

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この記事の著者

鈴木 崇司

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~


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