事業継承の概要

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 事業継承

 
 今回は、製造業の工場経営者向けに、事業承継手続きの進め方、事業承継者の選任、事業資産譲渡の進め方、取引先対策などについて解説します。
 

1. 事業承継について

 
 事業承継とは、現経営者から後継者へ事業を承継することですが、企業がこれまで培ってきた資産(事業用資産や資金、知的資産)をスムーズに引き継ぎ、安定した経営を維持することが重要となります。また事業承継は、引き継ぐ人材が明確になっている個人譲渡(親族内承継・親族外承継)とM&Aに大きく大別されます。
 
 なお一般的に事業承継というと、相続対策として主に税務的な活動が中心になっており、ノウハウや特許・人脈・匠の技などの知的資産の継承はあまりクローズアップされていないのが現状ですが、安定的な経営維持には必ず必要となりますので、その点にも留意が必要となります。 
 
 

2. 事業継承計画の作成

 
 事業承継を進めるに当たっては、まず具体的な事業承継計画を作成することが必要となります。事業承継計画は地域の支援機関に相談されて作成するのも一つの方法ですが、以下のような内容を策定することになります。まずは事前に整理したうえで、相談に望まれると効率的でポイントを絞った相談が可能となります。
 

(1) 現状の把握

 
 ① 会社の経営資産の状況整理(従業員・資産・キャッシュフロー・知的資産)
 ② 会社の経営リスクの把握(負債や競争力・技術力、取引先等)
 ③ 経営者自身の資産状況整理(株式、土地、建物)
 ④ 後継者候補の確定(親族内、親族外、M&A)
 ⑤ 相続で発生する可能性される問題点の整理(人間関係・相続税)
 

(2) 将来の見通し

 
 ⑥ 中長期的な経営計画策定(具体的な行動予定と作業項目)
 ⑦  知的資産承継の検討
 ⑧ 事業承継の具体的な時期の検討
 ⑨ 会社課題に応じた支援機関の活用(例、中小企業承継円滑化法)
 

(3) 事業承継に関する支援施策について

 
 事業承継に関しては中小企業承継円滑化法に従い、様々な支援施策がありますが...
 

 事業継承

 
 今回は、製造業の工場経営者向けに、事業承継手続きの進め方、事業承継者の選任、事業資産譲渡の進め方、取引先対策などについて解説します。
 

1. 事業承継について

 
 事業承継とは、現経営者から後継者へ事業を承継することですが、企業がこれまで培ってきた資産(事業用資産や資金、知的資産)をスムーズに引き継ぎ、安定した経営を維持することが重要となります。また事業承継は、引き継ぐ人材が明確になっている個人譲渡(親族内承継・親族外承継)とM&Aに大きく大別されます。
 
 なお一般的に事業承継というと、相続対策として主に税務的な活動が中心になっており、ノウハウや特許・人脈・匠の技などの知的資産の継承はあまりクローズアップされていないのが現状ですが、安定的な経営維持には必ず必要となりますので、その点にも留意が必要となります。 
 
 

2. 事業継承計画の作成

 
 事業承継を進めるに当たっては、まず具体的な事業承継計画を作成することが必要となります。事業承継計画は地域の支援機関に相談されて作成するのも一つの方法ですが、以下のような内容を策定することになります。まずは事前に整理したうえで、相談に望まれると効率的でポイントを絞った相談が可能となります。
 

(1) 現状の把握

 
 ① 会社の経営資産の状況整理(従業員・資産・キャッシュフロー・知的資産)
 ② 会社の経営リスクの把握(負債や競争力・技術力、取引先等)
 ③ 経営者自身の資産状況整理(株式、土地、建物)
 ④ 後継者候補の確定(親族内、親族外、M&A)
 ⑤ 相続で発生する可能性される問題点の整理(人間関係・相続税)
 

(2) 将来の見通し

 
 ⑥ 中長期的な経営計画策定(具体的な行動予定と作業項目)
 ⑦  知的資産承継の検討
 ⑧ 事業承継の具体的な時期の検討
 ⑨ 会社課題に応じた支援機関の活用(例、中小企業承継円滑化法)
 

(3) 事業承継に関する支援施策について

 
 事業承継に関しては中小企業承継円滑化法に従い、様々な支援施策がありますが、そのよう支援施策を活用するため、まずは支援機関にご相談されるのもよろしいかと思います。例えば、インータネットで「事業引継ぎセンター」を検索していただくと、「事業承継ポータルサイト」で都道府県の事業引継ぎセンターの案内があります。
 

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この記事の著者

野中 帝二

労働人口が減少する中、生産性を維持・向上しつつ、収益性を向上するための支援を行います。特に自律的な改善活動の醸成や少子高齢化での経営など労働環境変化に対応した解決策をサポート致します。

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