「業務内容の詳細」の書き方のポイント(技術士第二次試験対策を例に)

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 今回の記事は、「わかりやすい文書の書き方」の考え方を参考にしながら「業務内容の詳細」の書き方のポイントを解説します。
 
技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら⇒【特集】技術士第二次試験対策
口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。
 

1. 内容がねじれた業務内容の詳細を書かない

 

1.1 内容がねじれた業務内容の詳細とは

 
 例えば、業務内容の詳細として、業務上の課題、技術的な提案、技術的成果について書いたとします。「内容がねじれた業務内容の詳細」とは、「課題、提案、成果の内容がねじれた業務内容の詳細のこと」です。内容がねじれた業務内容の詳細を書く方は意外と多いです。
 
 課題、提案、成果はすべて関連しています。「課題に対する技術的な提案、提案に対する技術的成果」です。しかし、内容がねじれた業務内容の詳細には、例えば、課題と成果の関連がありません。
 
 これは、「現場における二酸化炭素の削減対策を考えること」を課題としているにもかかわらず、成果として「提案した削減対策で現場でのコスト削減が達成できた」と書くようなことです。二酸化炭素の削減対策を考えることが課題ならば、成果は、提案した対策の効果(二酸化炭素の削減量)を書く必要があります。
 
 提案した削減対策で現場のコスト削減が達成できたとしてもこれはこの課題に対する成果ではありません。現場のコスト削減が達成できことを成果とするならば、課題は「現場でのコスト削減」です。
 
 

1.2 内容がねじれた業務内容の詳細を書く原因 

 
 内容がねじれた業務内容の詳細を書く原因の1つが、「課題は課題、提案は提案、成果は成果」と考えていることです。つまり、これは、課題、提案、成果を個別なものとして考えることです。
 
*課題は何だった?
*提案は何だった?
*成果は何だった?
 
 「何だった?」の答えを各々書くために内容がねじれた業務内容の詳細になります。例えば、「課題は二酸化炭素の削減対策」、「成果はコスト削減の達成」のように考えることです。
 

1.3 内容がねじれていない業務内容の詳細の書き方

 

(1)業務の棚卸をする

 
 業務内容の詳細を書く前に業務の棚卸を行ってください。業務の棚卸とは、業務の開始から終了まででのポイントを書き出すことです。業務の棚卸は、業務で行なったことの再確認を目的としています。
 
 例えば、「目的は?」、「業務の手順は?」、「設計条件は?」、「課題は?」、「技術的な提案は?」、「結論は?」、「結論に至った経緯は?」、「技術的成果は?」など業務に関する様々なことを自問しながら、この答えをノートなどに書き出すことです。
 

(2)棚卸の結果を基に書く

 
 業務の棚卸が終わったらこの結果に基づき業務内容の詳細を書いてください。このとき、まず課題を明確にしてください。課題の抽出が、業務内容の詳細を書くうえでのスタートです。課題を抽出したら、業務の再確認の結果に基づき「課題に対する技術的な提案、提案に対する技術的成果」を明確にしてください。
 
 このような方法で書けば、内容がねじれていない業務内容の詳細を書くことができます。
 
 

2. わかりやすい業務内容の詳細を書く

 
 「わかりやすい業務内容の詳細」とは、「試験官に業務の内容が明確に伝わる業務内容の詳細」のことです。わかりやすい業務内容の詳細の書き方は、基本的に、わかりやすい答案の書き方と同じです注)注)「わかりやすい答案を書く(技術士第二次試験対策を例に)」参照
 

2.1 解答の要点(解答すべきことの要点)を考える

 
 わかりやすい業務内容の詳細を書く場合の「解答の要点を考える」とは、課題、提案、成果の要点(課題、提案、成果を簡潔に言ったこと)を考えることです。
 
 例えば、「課題は、家庭で排出する二酸化炭素の量を削減することである」のように考えることです。「課題は○○である」のように考えると課題の要点が考えやすくなります。技術的な提案や技術的成果に対しても同じようにこれらの要点を考えてください。
 

2.2 解答の要点に関する説明を考える

 
 わかりやすい業務内容の詳細を書く場合の「解答の要点に関する説明を考える」とは、課題、提案、成果の要点に関する説明を考えることです。
 
 例えば、「課題は、家庭で排出する二酸化炭素の量を削減することである」という課題に対してこれに関する説明は、「このまま二酸化炭素の増加が続けば、地球温暖化が進み異常...
 今回の記事は、「わかりやすい文書の書き方」の考え方を参考にしながら「業務内容の詳細」の書き方のポイントを解説します。
 
技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら⇒【特集】技術士第二次試験対策
口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。
 

1. 内容がねじれた業務内容の詳細を書かない

 

1.1 内容がねじれた業務内容の詳細とは

 
 例えば、業務内容の詳細として、業務上の課題、技術的な提案、技術的成果について書いたとします。「内容がねじれた業務内容の詳細」とは、「課題、提案、成果の内容がねじれた業務内容の詳細のこと」です。内容がねじれた業務内容の詳細を書く方は意外と多いです。
 
 課題、提案、成果はすべて関連しています。「課題に対する技術的な提案、提案に対する技術的成果」です。しかし、内容がねじれた業務内容の詳細には、例えば、課題と成果の関連がありません。
 
 これは、「現場における二酸化炭素の削減対策を考えること」を課題としているにもかかわらず、成果として「提案した削減対策で現場でのコスト削減が達成できた」と書くようなことです。二酸化炭素の削減対策を考えることが課題ならば、成果は、提案した対策の効果(二酸化炭素の削減量)を書く必要があります。
 
 提案した削減対策で現場のコスト削減が達成できたとしてもこれはこの課題に対する成果ではありません。現場のコスト削減が達成できことを成果とするならば、課題は「現場でのコスト削減」です。
 
 

1.2 内容がねじれた業務内容の詳細を書く原因 

 
 内容がねじれた業務内容の詳細を書く原因の1つが、「課題は課題、提案は提案、成果は成果」と考えていることです。つまり、これは、課題、提案、成果を個別なものとして考えることです。
 
*課題は何だった?
*提案は何だった?
*成果は何だった?
 
 「何だった?」の答えを各々書くために内容がねじれた業務内容の詳細になります。例えば、「課題は二酸化炭素の削減対策」、「成果はコスト削減の達成」のように考えることです。
 

1.3 内容がねじれていない業務内容の詳細の書き方

 

(1)業務の棚卸をする

 
 業務内容の詳細を書く前に業務の棚卸を行ってください。業務の棚卸とは、業務の開始から終了まででのポイントを書き出すことです。業務の棚卸は、業務で行なったことの再確認を目的としています。
 
 例えば、「目的は?」、「業務の手順は?」、「設計条件は?」、「課題は?」、「技術的な提案は?」、「結論は?」、「結論に至った経緯は?」、「技術的成果は?」など業務に関する様々なことを自問しながら、この答えをノートなどに書き出すことです。
 

(2)棚卸の結果を基に書く

 
 業務の棚卸が終わったらこの結果に基づき業務内容の詳細を書いてください。このとき、まず課題を明確にしてください。課題の抽出が、業務内容の詳細を書くうえでのスタートです。課題を抽出したら、業務の再確認の結果に基づき「課題に対する技術的な提案、提案に対する技術的成果」を明確にしてください。
 
 このような方法で書けば、内容がねじれていない業務内容の詳細を書くことができます。
 
 

2. わかりやすい業務内容の詳細を書く

 
 「わかりやすい業務内容の詳細」とは、「試験官に業務の内容が明確に伝わる業務内容の詳細」のことです。わかりやすい業務内容の詳細の書き方は、基本的に、わかりやすい答案の書き方と同じです注)注)「わかりやすい答案を書く(技術士第二次試験対策を例に)」参照
 

2.1 解答の要点(解答すべきことの要点)を考える

 
 わかりやすい業務内容の詳細を書く場合の「解答の要点を考える」とは、課題、提案、成果の要点(課題、提案、成果を簡潔に言ったこと)を考えることです。
 
 例えば、「課題は、家庭で排出する二酸化炭素の量を削減することである」のように考えることです。「課題は○○である」のように考えると課題の要点が考えやすくなります。技術的な提案や技術的成果に対しても同じようにこれらの要点を考えてください。
 

2.2 解答の要点に関する説明を考える

 
 わかりやすい業務内容の詳細を書く場合の「解答の要点に関する説明を考える」とは、課題、提案、成果の要点に関する説明を考えることです。
 
 例えば、「課題は、家庭で排出する二酸化炭素の量を削減することである」という課題に対してこれに関する説明は、「このまま二酸化炭素の増加が続けば、地球温暖化が進み異常気象が頻繁に発生する可能性がある。したがって、二酸化炭素の増加量を削減するため家庭でできる二酸化炭素の削減対策を考える必要がある」のように考えることです。
 
 技術的な提案や技術的成果に対しても同じようにこれらの課題の要点に関する説明を考えてください。
 

2.3 考えたことを書く

 
 ここまでの方法で考えた課題、提案、成果の要点とこれらに関する説明を業務内容の詳細として書いてください。このように書くことでわかりやすい業務内容の詳細を書くことができます。
 
【参考文献】
森谷仁著、「技術士第二次試験 建設部門 答案作成のテクニック 5つの手順で書いてみよう」、オーム社、平成29年3月20日
 
  

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この記事の著者

森谷 仁

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