文書の書き方(文書の内容)をチェックするうえでのポイント

投稿日

1. 文書の書き方(文書の内容)をチェックするうえでのポイント

 
“読み手の立場に立って、文書の書き方(文書の内容)をチェックしてください”
 
 今回の記事では、文書の書き方(文書の内容)をチェックするうえでのポイントを解説します。そのポイントとは、
 
 “文書を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方(この内容)で読み手に内容が明確に伝わるか(わかりやすいか or 理解できるか)?」という視点でチェックすることです。チェックの結果、「この書き方(この内容)では、読み手に内容が明確に伝わらない(わかりにくい or理解しにくい)」と思ったらそこが修正すべきことです”
 
 ということです。
 
 例えば、報告書をチェックすることを考えます。読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方で読み手に結論が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 「この書き方では、読み手に結論が明確に伝わらない」と思ったらそこが修正すべきことです。
 

2. 伝わらない(わかりにくい・理解できない)例

 ここで、読み手に内容が明確に伝わらない(わかりにくい・理解できない)例を2例紹介します。
 

(1)文の羅列で書かれた文章

 以下のような文章を書いたとします。
 
【車の主な種類】
 ハイブリッドとは、ガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターを搭載している車のことです。モーターがエンジンをサポートして走るため燃費がよく、ガソリン仕様車と比べて排出するCO2が軽減されるため、環境への影響が小さいのがこの車の特長です。コンパクトとは、ボディサイズが小さめで、排気量が小さなエンジンを積んだ車のことです。セダンやミニバンと比べてボディサイズが小さめなので取り回しがよく、狭い路地や駐車場でも気を使うことなく運転できることがこの車の特長です。セダンとは、エンジンルーム、乗車空間、荷物空間が別々になっている形をしていて、車の基本とも呼ばれるタイプの車のことです。乗車空間が荷物空間から独立していることから、乗る人の快適性を重視した居住空間が確保され、移動するのに適しているのがこの車の特長です。
 
 この文章を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方で読み手に文章の内容が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 どうでしょうか?・・・「この文章の書き方ではわかりにくい」のような感想を持ったと思います。すなわち、「文の羅列でダラダラとした書き方になっているのでわかりにくい」のような感想を持ったと思います。
 
 したがって、「このような書き方を見直すこと」が修正すべきことです。そこで、例えば、以下のように表を使って「車の主な種類」を書けばよいでしょう。
 
表1. 車の種類・定義・特長
人材教育
注:「車の主な種類」の説明は、「HONDA」のウェブサイトの内容を引用させていただきした。
 
人材教育 

(2)具体的に書かれていない文

 以下のような文を書いたとします。
 
    ◯◯駅では、今回実施した対策で鉄道利用者の安全性が向上した。
 
 この文を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この内容で読み手に文の内容が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 どうでしょうか?・・・「この文の内容では理解しにくい」のような感想を持ったと思います。すなわち、「“今回実施した対策”とは何だろう?」や「“鉄道利用者の安全性”とは何だろう?」のような感想を持ったと思います。
 
 したがって、「“今回実施した対策”や“鉄道利用者の安全性”の内容を具体的に書くこと」が修正すべきことです。
 
 そこで、例えば、以下のような文に修正すればよいです。
 
 ◯◯駅では、ホーム...

1. 文書の書き方(文書の内容)をチェックするうえでのポイント

 
“読み手の立場に立って、文書の書き方(文書の内容)をチェックしてください”
 
 今回の記事では、文書の書き方(文書の内容)をチェックするうえでのポイントを解説します。そのポイントとは、
 
 “文書を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方(この内容)で読み手に内容が明確に伝わるか(わかりやすいか or 理解できるか)?」という視点でチェックすることです。チェックの結果、「この書き方(この内容)では、読み手に内容が明確に伝わらない(わかりにくい or理解しにくい)」と思ったらそこが修正すべきことです”
 
 ということです。
 
 例えば、報告書をチェックすることを考えます。読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方で読み手に結論が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 「この書き方では、読み手に結論が明確に伝わらない」と思ったらそこが修正すべきことです。
 

2. 伝わらない(わかりにくい・理解できない)例

 ここで、読み手に内容が明確に伝わらない(わかりにくい・理解できない)例を2例紹介します。
 

(1)文の羅列で書かれた文章

 以下のような文章を書いたとします。
 
【車の主な種類】
 ハイブリッドとは、ガソリンで動くエンジンと、電気で動くモーターを搭載している車のことです。モーターがエンジンをサポートして走るため燃費がよく、ガソリン仕様車と比べて排出するCO2が軽減されるため、環境への影響が小さいのがこの車の特長です。コンパクトとは、ボディサイズが小さめで、排気量が小さなエンジンを積んだ車のことです。セダンやミニバンと比べてボディサイズが小さめなので取り回しがよく、狭い路地や駐車場でも気を使うことなく運転できることがこの車の特長です。セダンとは、エンジンルーム、乗車空間、荷物空間が別々になっている形をしていて、車の基本とも呼ばれるタイプの車のことです。乗車空間が荷物空間から独立していることから、乗る人の快適性を重視した居住空間が確保され、移動するのに適しているのがこの車の特長です。
 
 この文章を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方で読み手に文章の内容が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 どうでしょうか?・・・「この文章の書き方ではわかりにくい」のような感想を持ったと思います。すなわち、「文の羅列でダラダラとした書き方になっているのでわかりにくい」のような感想を持ったと思います。
 
 したがって、「このような書き方を見直すこと」が修正すべきことです。そこで、例えば、以下のように表を使って「車の主な種類」を書けばよいでしょう。
 
表1. 車の種類・定義・特長
人材教育
注:「車の主な種類」の説明は、「HONDA」のウェブサイトの内容を引用させていただきした。
 
人材教育 

(2)具体的に書かれていない文

 以下のような文を書いたとします。
 
    ◯◯駅では、今回実施した対策で鉄道利用者の安全性が向上した。
 
 この文を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この内容で読み手に文の内容が明確に伝わるか?」という視点でチェックしてください。
 
 どうでしょうか?・・・「この文の内容では理解しにくい」のような感想を持ったと思います。すなわち、「“今回実施した対策”とは何だろう?」や「“鉄道利用者の安全性”とは何だろう?」のような感想を持ったと思います。
 
 したがって、「“今回実施した対策”や“鉄道利用者の安全性”の内容を具体的に書くこと」が修正すべきことです。
 
 そこで、例えば、以下のような文に修正すればよいです。
 
 ◯◯駅では、ホームドアを設置したことで、鉄道利用者のホームからの転落事故が起きなくなった。
 
人材教育 

3. 文書を書いたらその書き方(その内容)を必ずチェックする

 ここで紹介した2例を読み、“文書を書いたら、読み手(知らない人)の立場に立って、「この書き方(この内容)で読み手に内容が明確に伝わるか(わかりやすいかor理解できるか)?」という視点でチェックすること”の意味が少しわかっていただけたと思います。
 
 読み手(知らない人)の立場に立って自分が書いた文書をチェックすると、今回の2例のようなこと以外にも、読み手に内容が明確に伝わらない(わかりにくい・理解できない)ことが出てくると思います。そこが修正すべきことです。
 
 文書を書いたらその書き方(その内容)を必ずチェックしてください。
 
 「面倒だな」と思わずに「チェックと修正」を繰り返してください。この繰り返しで、文書をわかりやすく書くポイントが次第にわかってきます。
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ビジネス・コミュニケーション

1. できる人はココが違う!雑談力      どんな分野でも周りから一目置かれている人ってどんな人を想像しますか?なるべ...

1. できる人はココが違う!雑談力      どんな分野でも周りから一目置かれている人ってどんな人を想像しますか?なるべ...


物流技能向上プログラムの導入 物流人財育成(その6)

  【物流人財育成 連載目次】 1.物流マンへの期待値 2.物流IEを育成する 3.物流技術スタッフを育成する 4.物流現場管理を...

  【物流人財育成 連載目次】 1.物流マンへの期待値 2.物流IEを育成する 3.物流技術スタッフを育成する 4.物流現場管理を...


OJCCとは(7)リーダーシップ 【快年童子の豆鉄砲】(その107)

  1. リーダーシップの育成 これまで説明してきた仕事に必要な“能力”(「仕事に関する知識(B)」と「技能者・...

  1. リーダーシップの育成 これまで説明してきた仕事に必要な“能力”(「仕事に関する知識(B)」と「技能者・...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
‐能力開発のシステム創り 製品・技術開発力強化策の事例(その47)

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...

◆能力開発のシステム化に必要不可欠の条件。   前回の事例その46に続いて解説します。      (1) 情報伝達の仕組み創り   (2) 目標を明確...


社員教育:日頃の報連相

  1. VIP名簿の大切さ  ブランドメーカーのB社では、書類のファイリングや会議、面談、出張等のスケジューリング管理をすべて社長秘書が担当して...

  1. VIP名簿の大切さ  ブランドメーカーのB社では、書類のファイリングや会議、面談、出張等のスケジューリング管理をすべて社長秘書が担当して...


部下の育成とは:物流管理者の育て方(その3)

  ◆ 部下の育成 皆さんの会社の物流管理者は部下の育成をしっかりとできていますでしょうか。自部門で必要なスキルを棚卸し、それを確実にで...

  ◆ 部下の育成 皆さんの会社の物流管理者は部下の育成をしっかりとできていますでしょうか。自部門で必要なスキルを棚卸し、それを確実にで...