書評検索結果

9件中 5~8件目


「TOC入門」村上悟著

投稿日 2011/12/01

TOC思考プロセスであれば「ザ・ゴール2」を紹介するところですが、
元祖「ザ・ゴール」に比べてしまうと進行過程が分かりづらく、小説とし
ての膨らみもいま一つです。
この中途半端な理解を助けるために、TOCコンサルタントである著者に
よるこの書を紹介します。254ページという標準的なボリュームにもかかわ
らず、DBR、スループット会計、思考プロセスに関する解説とノウハウ
がぎっしり詰まっており、「実践者のための導入ノウハウ・手順」とある
副題そのままです。あとは実践して経験を積むだけです

「TOC革命」稲垣公夫著

投稿日 2011/11/02

米国で大反響を受けた「ザ・ゴール」は、17年も
の間邦訳が出ませんでした。その間、日本でのTOC認知度を上げていた
のが'97年に発行されたこの書で、「米国製造業復活の秘密兵器」という副
題がその背景を物語ります。
前半は「ゴール」と同じ小説形式で、製造に困った主人公がTOCに出会
い管理方法を改善していきます。登場人物の心理描写などはゴールドラッ
ト博士の方が一枚上ですが、舞台が日本であるだけに臨場感は高いものが
あります。
後半は「思考プロセス」を含む理論解説や活用ノウハウも掲載されており、
小説で煙に巻かれたともいえる「ゴール」より、むしろ強い納得感があり
お薦めです。

「ザ・ゴール」E.ゴールドラット著

投稿日 2011/10/17

米国で1984年に発表された本書は、参考にした生産者が大きく生産性を改善
する例が相次いだことから、大きく販売部数を伸ばしましたが、作者は当時
強い競争力を誇っていた日本にだけは翻訳権を出さず、邦訳は2001年まで待
つ事になりました。世界中でこれまで1000万部以上が購入され、日本でも今
年「もしドラ」に抜かれるまでは、ビジネス書でのセールス記録を持ってい
たほどです。
ビジネス書に分類されるものの、完全に小説形態でかかれており、主人公ア
レックスと気持ちが一体化したまま一気に読み切れます。
TOCの論理以上に小説としての完成度の高さが「もしドラ」と共通する
ポイントで、製造業関係者であれば必読の一冊と断言します。

「おはなし新商品開発」

投稿日 2011/09/17

日本規格協会の「おはなし」シリーズは、専門外分野の人が容易にその知
識を習得できるようにというコンセプトで、35年にわたり100点以上が出版
されてきました。本書は2007年発行ですから、かなり新しい方です。
普通の「入門書」風が多いシリーズ中で、本書は文字通りの「おはなし」
=小説仕立てになっており、中小企業の悩める2代目がコンサルティング
やセミナーを通じて、TOC思考プロセス、SWOT、QFD、FMEA、FTA、DR、コン
カレントエンジニアリングといった開発ツールとプロセスを学んでいくス
トーリーの中で、主人公と一緒に理解を進めます。
筆頭著者である東工大の圓川教授はTOCの大家でもあることから、ゴールド
ラットの「ザ・ゴール」シリーズスタイルを踏襲したのかもしれません。