〇一般的なワイヤレス給電からEVに特化した高性能・低コスト化技術までを、基礎と最新の研究開発動向を交えて、体系的に紹介致します。
セミナー趣旨
現在、ワイヤレス給電(電力伝送)は、乗り物、工場、医療、スマートフォン、IoTデバイス等、日常の様々なアプリケーションに応用され始めています。しかし、比較的新しい技術であるが故、産業界への技術普及が十分であるとは言えない状況です。
本セミナーでは、一般的なワイヤレス給電からEVに特化した高性能・低コスト化技術までを、基礎と最新の研究開発動向を交えて、体系的に紹介致します。特に、ワイヤレス給電に特化した電力変換回路(パワーエレクトロニクス)技術、コイル・共振回路等のシステム設計までを取り扱うことが特徴です。また、知識を整理するという観点で、初学者の方だけでなく、すでに研究開発に携わっている方にも価値のある内容を提供致します。質疑応答等ディスカッションの機会も設けておりますので、奮ってご参加ください。
受講対象・レベル
・ワイヤレス電力伝送の概要について一日でインプットしたい方
・ワイヤレス電力伝送に興味がある技術者の方
・ワイヤレス電力伝送を活用しようとする技術者の方
・ワイヤレス電力伝送に関係する設計・開発に携わる技術者の方
・モビリティ、情報機器、家電、医療機器ほか関連企業の技術者の方
必要な予備知識
・(必須)電気回路に関する基礎知識
・(あると良い)パワーエレクトロニクスの基礎知識
習得できる知識
ワイヤレス電力伝送の基礎知識、ワイヤレス電力伝送用パワエレの基礎知識、放射電磁ノイズの抑制、
ワイヤレス電力伝送の研究開発動向、ワイヤレス電力伝送システムの設計・作り方
セミナープログラム
1. はじめに
1)ワイヤレス電力伝送システムの背景
2)ワイヤレス電力伝送の伝送方式と応用例
a)磁界結合方式
b)電界結合方式
c)マイクロ波方式
d)その他の方式(レーザ、超音波)
3)規格・標準化動向
4)ワイヤレス電力伝送の技術課題と本講演について
2. 【理論】磁界結合型ワイヤレス電力伝送のコイルと共振回路
1)電磁誘導と磁界共鳴
2)共振回路方式の特徴とそれに適するアプリケーション
a)基本4方式 S/S、S/P、P/S、P/P
b)大電力、走行中給電に向く方式LCL/LCL、LCCL/LCCL(Double-sided LCC)、LCC-S
3)S/S方式の特性詳細及び設計時のポイント
4)Double-sided LCC方式の特性詳細及び設計時のポイント
5)伝送コイルトポロジーとその特徴
a)Circularコイル
b)Double-Dコイル
c)ソレノイドコイル
d)マルチコイル(DDQコイル、Bipolarコイルなど)
3. 【理論】ワイヤレス電力伝送のパワーエレクトロニクス基礎技術
1)ワイヤレス電力伝送システムの基本構成
2)インバータ(DC/ACコンバータ)方式と基本動作
a)フルブリッジインバータ
b)ハーフブリッジインバータ
c)E級インバータ
3)AC/DCコンバータ方式と基本的な動作
a)実は難しいダイオード整流器
b)アクティブ整流器
4)DC/DCコンバータ方式と基本的な動作
a)昇圧チョッパ
b)降圧チョッパ
c)昇降圧チョッパ
5)古典制御による電力制御
4. 【実践】ワイヤレス電力伝送システムの作り方
1)伝送コイルの作り方
a)リッツ線を使う
b)フェライトコアを使う
c)電磁界解析ソフトを使う
2)共振回路の作り方
a)共振キャパシタの作り方
b)共振インダクタの作り方
3)コンバータの作り方
a)回路基板設計CAD
b)回路設計のポイント
c)ハンダ付け
4)パワエレ回路制御用コントローラ
a)マイコン・FPGAの基礎
b)方形波の作り方
5)一次側と二次側の位相同期
5. 【応用】ワイヤレス電力伝送の課題と研究開発
1)急速充電や走行中給電の課題
2)システムの小型・軽量化に寄与する高効率化技術
a)共振回路の効率最大制御
b)二次側DC/DCコンバータの高効率化制御
c)一次側と二次側の協調によるワイヤレス電力伝送システム全体の効率化制御
3)放射電磁ノイズを抑えるソフトスイッチング技術
a)ソフトスイッチングの基礎
b)ワイヤレス電力伝送システムのソフトスイッチング化と課題
c)新しいソフトスイッチングコンバータ方式
4)システムの低コスト化技術
a)ワイヤレス電力伝送システムと車載パワーエレクトロニクスシステムの統合(モータドライブシステム)
b)ワイヤレス電力伝送システムと車載パワーエレクトロニクスシステムの統合(補機システム)
c)走行中給電レーンの伝送電力密度の向上
■講演中のキーワード
磁界共鳴、走行中給電、高効率化、低コスト化、放射電磁ノイズ、ソフトスイッチング化、
共振回路設計、システム設計、技術動向
セミナー講師
東京都立大学 システムデザイン学部 電子情報システム工学科 助教 太田 涼介 氏
■ご略歴
2014年3月 東京理科大学 理工学部電気電子情報工学科 卒業
2016年3月 東京理科大学大学院 理工学研究科電気工学専攻 修士課程 修了
2016年4月~2018年3月 株式会社KADOKAWA(エンタテイメントノベル局)
2018年4月~2019年3月 日本学術振興会特別研究員(DC2)
2019年3月 東京理科大学大学院 理工学研究科電気工学専攻 博士後期課程修了
2019年4月~2020年3月 日本学術振興会特別研究員(PD)
2019年5月~2020年2月 The University of Auckland 客員研究員
2020年4月~2023年3月 東京理科大学 理工学部電気電子情報工学科 助教
2023年4月~現在 東京都立大学 システムデザイン部電子情報システム工学科 助教
■ご専門および得意な分野・ご研究
パワーエレクトロニクス、ワイヤレス電力伝送、DC/DCコンバータ、ソフトスイッチング
■本テーマ関連学協会でのご活動
電気学会、自動車用パワーエレクトロニクスの発展 調査専門委員会 幹事
自動車技術会、ワイヤレス給電システム技術部門委員会 委員
電気学会、論文委員会(D1グループ)委員
電気学会、論文委員会(D6グループ)委員
セミナー受講料
【会場受講/オンライン受講共通(見逃し視聴なし)】:1名41,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,800円
【会場受講/オンライン受講共通(見逃し視聴あり)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
【会場受講ご選択の方】
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
【オンライン受講ご選択の方】
- 配布資料はPDF等のデータで送付予定です。受取方法はメールでご案内致します。
(開催1週前~前日までには送付致します)
※準備の都合上、開催1営業日前の12:00までにお申し込みをお願い致します。
(土、日、祝日は営業日としてカウント致しません。) - 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
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