他社混載とは:物流コスト改善に取り組む(その4)

投稿日

SCM

 

◆ 他社混載を始める

会社の中で出荷情報を共有化していれば、極力同じトラックで運ぼうという意識が働きます。その意識の下、配車を行えばどれだけ物流コスト改善が進むことでしょうか。無駄な配車を行っていることに気づく必要があります。ではその動機付けにはどのようなことが必要になるのでしょうか。

 

大きな動機付けに「コストダウン目標の明確化」があると思います。年間物流コストを15%削減する、といった具体的な目標が改善活動に拍車をかけることは明確です。時々無理な目標設定が社員にプレッシャーをかけ、不正につながるといった話があります。確かに乾ききったタオルをさらに絞るような状態にあるとしたら、そこに「困難さ」は出てくることでしょう。

 

しかし多くの会社は物流改善にすら着手していませんから、まだまだ水が滴る濡れタオル状態でしょう。自社の物流改善がどのレベルにあるのかを判断の上、目標値は設定すればよいだけの話です。先ほど掲げた15%という数値は必ずしも高すぎる目標とは言えないと思います。まず15%~20%程度の数値目標を設定し、1年~3年程度でこれを達成する計画を作ってみてはいかがでしょうか。

 

さて社内で複数部署混載を計画しました。この時のポイントは、できるだけ一か所に出荷情報を集め、そこで配車を行うようにすればよいと思います。この社内混載をまずは徹底的に行うことです。荷姿モジュールも統合しながら、トラック積載率を向上させていきましょう。

 

それでもまだ積載率に余裕があるときはどうしたらよいでしょうか。次のステップは社外混載の実施です。近隣にある別の会社と共同輸送を行うことです。重量物を扱っている会社では、トラックの荷台に空きスペースが出る可能性が大きいのです。なぜなら、重量物は小さくても重いからです。ここに「がさもの」、つまり大きいわりに重量は軽いモノを扱っている荷を混載することは非常に効果的です。

 

これを行うこと...

SCM

 

◆ 他社混載を始める

会社の中で出荷情報を共有化していれば、極力同じトラックで運ぼうという意識が働きます。その意識の下、配車を行えばどれだけ物流コスト改善が進むことでしょうか。無駄な配車を行っていることに気づく必要があります。ではその動機付けにはどのようなことが必要になるのでしょうか。

 

大きな動機付けに「コストダウン目標の明確化」があると思います。年間物流コストを15%削減する、といった具体的な目標が改善活動に拍車をかけることは明確です。時々無理な目標設定が社員にプレッシャーをかけ、不正につながるといった話があります。確かに乾ききったタオルをさらに絞るような状態にあるとしたら、そこに「困難さ」は出てくることでしょう。

 

しかし多くの会社は物流改善にすら着手していませんから、まだまだ水が滴る濡れタオル状態でしょう。自社の物流改善がどのレベルにあるのかを判断の上、目標値は設定すればよいだけの話です。先ほど掲げた15%という数値は必ずしも高すぎる目標とは言えないと思います。まず15%~20%程度の数値目標を設定し、1年~3年程度でこれを達成する計画を作ってみてはいかがでしょうか。

 

さて社内で複数部署混載を計画しました。この時のポイントは、できるだけ一か所に出荷情報を集め、そこで配車を行うようにすればよいと思います。この社内混載をまずは徹底的に行うことです。荷姿モジュールも統合しながら、トラック積載率を向上させていきましょう。

 

それでもまだ積載率に余裕があるときはどうしたらよいでしょうか。次のステップは社外混載の実施です。近隣にある別の会社と共同輸送を行うことです。重量物を扱っている会社では、トラックの荷台に空きスペースが出る可能性が大きいのです。なぜなら、重量物は小さくても重いからです。ここに「がさもの」、つまり大きいわりに重量は軽いモノを扱っている荷を混載することは非常に効果的です。

 

これを行うことで、トラックの積載率が重量的にも、容積的にも向上するからです。もし自社が容積モノを扱う会社だとしたら、自社だけの混載では容積的には高積載率になったとしても、重量的にはかなりの余裕があるはずです。この重量と容積のバランスをとりながら混載をしていくことが、究極の配車マネジメントということになるのです。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
使える文書と日頃の訓練 物流BCPについて考える(その6)

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...

         【物流BCPについて考える 連載目次】 1. 事業継続を脅かすリスク ...


ムダを隠す在庫 在庫コントロールと物流(その3)

◆ 在庫削減のコツ  在庫が悪者扱いされる二つ目の理由は「ムダを隠してしまう」ということにあります。その事例をみていきましょう。安全在庫を持つ理由と...

◆ 在庫削減のコツ  在庫が悪者扱いされる二つ目の理由は「ムダを隠してしまう」ということにあります。その事例をみていきましょう。安全在庫を持つ理由と...


輸配送改善のポイント(その1)

1. 物流発生コストを把握する  物流コストの約6割を占めるといわれる輸配送ですが、ここについて何とかしたいがどのような取組が必要か。このような...

1. 物流発生コストを把握する  物流コストの約6割を占めるといわれる輸配送ですが、ここについて何とかしたいがどのような取組が必要か。このような...