QCによる「新型コロナ危機への対応・・第2波入口戦略」(その1)

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 新型コロナ感染者数が着実に減少して、関西圏では2020年5月21日に緊急事態宣言が解消され、昨今のワイドショーでの議論もかなり本筋に入ってきた感があります。今回は、これをQCで考えてみたいと思います。

 まず下表をご覧ください。QC7つ道具のパレート分析による世界全体の簡単な見える化です。比較的信頼できる欧州とアジアの、感染者数は検査数によるので、より比較に適した死者数(対人口百万・黄色)で見ると、日本にはキレイ好き文化があって抑え込んでいる、という話ですが2020年5月16日現在、アジア8ヶ国中で最下位です。

品質マネジメント

 【出所】新型コロナウイルス情報

 欧州とアジアでは10倍100倍の違いがあります。アジアの人々にはSARSの免疫が残っているのかもしれません。また新型コロナウィルスが欧州で変異して、欧米で猛威を振るっているのかもしれません。ちなみにスペイン風邪ではウィルスが変異したとみられ、米国では第2波の死者数が第1波の5倍になったといわれています(日経メディカル 2020.4.27)。

 いま日本の国をリードすべき人達は「緊急解除してもこれで終りではない、秋以降予想される第2波に備えて引き続き気を引き締めて」と…。しかし国民は「もうもたない」と…。

 感染拡大・医療崩壊と経済回復、不安解消、オリンピック(バッハ会長の中止もあり得るという談話)…どう対応したらいいか“全く先が見えない状況”…これをQCで考えてみます。

 QCの目的は、出来るだけ低いコストで出来るだけ高いサービスをお客さんに提供(コストと価値をバランス)することで、その第1歩は「検査で不良品を除去し、お客さんに迷惑を掛けない」ことです。新型コロナに当てはめると「検査で感染者を見付け隔離し、感染拡大を防止すると同時に経済活動の停滞を防ぎ、皆さんに迷惑を掛けない」になります。

 この QCで考えてみた“全く先が見えない状況”への対応策として(最悪のシナリオ)変異した強力なウィルスによる第2波を避ける「戦略」は以下のようになります。

 あるべき姿(目標)は「国中どこも新型コロナウィルスの感染者は外に出ていない『安心』してオリンピックが開ける社会」であると宣言して[1]、以下の手順で進める。

  • (1) 入国者を全員検査し、感染者を2週間ホテルなどに完全隔離
  • (2) 国内の全員に対し、次の①②で感染者を最大限に見付けて、ホテルなどに完全隔離

まず大阪と東京で、感染者多数地区を選び[2]、地区ごとに順に全員検査を実施、感染者をホテルなどに完全隔離(発症までの期間が長くこの間の感染力が一番強いので、とにかく感染者を見付け家庭ではなくホテル等に完全隔離が絶対条件)。

同様に各道府県で、順に全員検査を実施して感染者をホテルなどに完全隔離。

 (1)(2)により、外に出ている人は感染してない人だけとなり人々の不安は消え経済活動が活性化する。ちなみに感染率は最も高いシンガポールが対人口百万で4,885人、0.5%。仮にその10倍としても感染者は5%で、95%は通常業務に従事し通常の生活が出来る。[3]

 検査は副作用を起さない。医療関係者に負担の掛らないドライブスルーやウオークスルーでの検査を多数行う。抗原検査は精度が低いが30分で判定可能なので2回行うことで精度を上げればいい。抗原検査とPCR検査を組み合わせれば、全員検査は可能です。[4]

  • (3) 医療体制の強化

 これまで感染者は入院治療が必要で、検査で多くの感染者が出ると医療崩壊になるとの先入観に捉われてきたが、人は自然治癒する力を持っている。[5]検査と医療を分けて考え、検査は感染者を分離し、医療は発症者に対する体制を強化すれば、医療崩壊は起こらないの...

 新型コロナ感染者数が着実に減少して、関西圏では2020年5月21日に緊急事態宣言が解消され、昨今のワイドショーでの議論もかなり本筋に入ってきた感があります。今回は、これをQCで考えてみたいと思います。

 まず下表をご覧ください。QC7つ道具のパレート分析による世界全体の簡単な見える化です。比較的信頼できる欧州とアジアの、感染者数は検査数によるので、より比較に適した死者数(対人口百万・黄色)で見ると、日本にはキレイ好き文化があって抑え込んでいる、という話ですが2020年5月16日現在、アジア8ヶ国中で最下位です。

品質マネジメント

 【出所】新型コロナウイルス情報

 欧州とアジアでは10倍100倍の違いがあります。アジアの人々にはSARSの免疫が残っているのかもしれません。また新型コロナウィルスが欧州で変異して、欧米で猛威を振るっているのかもしれません。ちなみにスペイン風邪ではウィルスが変異したとみられ、米国では第2波の死者数が第1波の5倍になったといわれています(日経メディカル 2020.4.27)。

 いま日本の国をリードすべき人達は「緊急解除してもこれで終りではない、秋以降予想される第2波に備えて引き続き気を引き締めて」と…。しかし国民は「もうもたない」と…。

 感染拡大・医療崩壊と経済回復、不安解消、オリンピック(バッハ会長の中止もあり得るという談話)…どう対応したらいいか“全く先が見えない状況”…これをQCで考えてみます。

 QCの目的は、出来るだけ低いコストで出来るだけ高いサービスをお客さんに提供(コストと価値をバランス)することで、その第1歩は「検査で不良品を除去し、お客さんに迷惑を掛けない」ことです。新型コロナに当てはめると「検査で感染者を見付け隔離し、感染拡大を防止すると同時に経済活動の停滞を防ぎ、皆さんに迷惑を掛けない」になります。

 この QCで考えてみた“全く先が見えない状況”への対応策として(最悪のシナリオ)変異した強力なウィルスによる第2波を避ける「戦略」は以下のようになります。

 あるべき姿(目標)は「国中どこも新型コロナウィルスの感染者は外に出ていない『安心』してオリンピックが開ける社会」であると宣言して[1]、以下の手順で進める。

  • (1) 入国者を全員検査し、感染者を2週間ホテルなどに完全隔離
  • (2) 国内の全員に対し、次の①②で感染者を最大限に見付けて、ホテルなどに完全隔離

まず大阪と東京で、感染者多数地区を選び[2]、地区ごとに順に全員検査を実施、感染者をホテルなどに完全隔離(発症までの期間が長くこの間の感染力が一番強いので、とにかく感染者を見付け家庭ではなくホテル等に完全隔離が絶対条件)。

同様に各道府県で、順に全員検査を実施して感染者をホテルなどに完全隔離。

 (1)(2)により、外に出ている人は感染してない人だけとなり人々の不安は消え経済活動が活性化する。ちなみに感染率は最も高いシンガポールが対人口百万で4,885人、0.5%。仮にその10倍としても感染者は5%で、95%は通常業務に従事し通常の生活が出来る。[3]

 検査は副作用を起さない。医療関係者に負担の掛らないドライブスルーやウオークスルーでの検査を多数行う。抗原検査は精度が低いが30分で判定可能なので2回行うことで精度を上げればいい。抗原検査とPCR検査を組み合わせれば、全員検査は可能です。[4]

  • (3) 医療体制の強化

 これまで感染者は入院治療が必要で、検査で多くの感染者が出ると医療崩壊になるとの先入観に捉われてきたが、人は自然治癒する力を持っている。[5]検査と医療を分けて考え、検査は感染者を分離し、医療は発症者に対する体制を強化すれば、医療崩壊は起こらないのです。

  • [1]: 実践的QCは着眼大局で正しい目標設定を設定し、着手小局で取り組む
  • [2]: QCではまず抜取検査で感染者多数層を特定するのだが(QC7つ道具の層別)今は急いで行動する必要があり、既存の地区ごとのデータで感染者多数地区を特定する
  • [3]: 感染者は完全隔離、感染してない人は通常の経済社会活動…層別した施策の実践
  • [4]: 東京財団政策研究所の小林氏;2-3兆円の検査コストで25兆円の経済損失が防げる
  • [5]: 野口晴哉「風邪の効用」。西堀榮三郎「百の論より一つの証拠」にも通じる

 皆さんのご意見を伺いお知恵を拝借してこの考えを拡散し、新型コロナを撃退して無事にオリンピックを成功させ、日本の底力を世界に示すことが出来れば、と考えております。

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この記事の著者

鈴木 甫

「生き残る」のは “強いもの” でも “賢いもの”でもなく「変化に対応できるもの」!「ポストコロナ『DX』の激変する環境に対応する企業支援」に真剣に取り組んでいます!            E-mail: h.suzuki@dr-practice.com

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