トラック稼働率 保有能力を目いっぱい使おう(その2)

投稿日

 
  SCM
 

1. トラックという高価な設備の活用とは

 トラックの保有する能力を目いっぱい使うことは何も積載量だけの話ではありません。トラックという設備を所有している期間にどれだけ使ったかという視点でも見てみる必要があります。これをトラックの稼働率という指標を使って見てみましょう。この指標の分母は1年365日、24時間になります。つまり 24時間×365日=8760時間が分母となります。
 
 例えば、1日9時間稼働し、年間270日の営業日だったとします。その場合の稼働率は、9時間×270日÷8760時間で27.7%となります。
 
 一方で、1日18時間稼働し、年間300日の営業日だったとすると、稼働率は、18時間×300日÷8760時間で61.6%になります。
 
 いかがでしょうか。トラックという高価な設備を意外と十分に活用できていないことが分かるのではないでしょうか。車検や法定点検はいたしかたないとは思いますが、不具合による修理や事故による利用不能などは絶対に避けなければなりません。
 
 仕事が無くて夕方以降は車庫で寝かせてしまうことも決して望ましくはありません。トラックが目いっぱい働ける環境を営業部隊がセットしなければならないのです。
 

2. 荷の積み降ろし

 トラックは荷を積んで走行して初めて付加価値を生むことができる設備です。したがって、これ以外の時間を極力縮めなければなりません。
 
 たとえば荷の積み降ろしはどうでしょうか。一般的に10トン車満載だとしても30分もあれば積み降ろしが可能です。もしこれ以上の時間を要しているのであれば、その要因を特定して改善する必要がありそうです。
 
 荷降ろし場が分かりづらい、ト...
 
  SCM
 

1. トラックという高価な設備の活用とは

 トラックの保有する能力を目いっぱい使うことは何も積載量だけの話ではありません。トラックという設備を所有している期間にどれだけ使ったかという視点でも見てみる必要があります。これをトラックの稼働率という指標を使って見てみましょう。この指標の分母は1年365日、24時間になります。つまり 24時間×365日=8760時間が分母となります。
 
 例えば、1日9時間稼働し、年間270日の営業日だったとします。その場合の稼働率は、9時間×270日÷8760時間で27.7%となります。
 
 一方で、1日18時間稼働し、年間300日の営業日だったとすると、稼働率は、18時間×300日÷8760時間で61.6%になります。
 
 いかがでしょうか。トラックという高価な設備を意外と十分に活用できていないことが分かるのではないでしょうか。車検や法定点検はいたしかたないとは思いますが、不具合による修理や事故による利用不能などは絶対に避けなければなりません。
 
 仕事が無くて夕方以降は車庫で寝かせてしまうことも決して望ましくはありません。トラックが目いっぱい働ける環境を営業部隊がセットしなければならないのです。
 

2. 荷の積み降ろし

 トラックは荷を積んで走行して初めて付加価値を生むことができる設備です。したがって、これ以外の時間を極力縮めなければなりません。
 
 たとえば荷の積み降ろしはどうでしょうか。一般的に10トン車満載だとしても30分もあれば積み降ろしが可能です。もしこれ以上の時間を要しているのであれば、その要因を特定して改善する必要がありそうです。
 
 荷降ろし場が分かりづらい、トラックポートからの距離が長い、そもそもトラックポートが不足し「待ち」が発生している、積荷が準備できずに「待ち」が発生している、荷降ろし用のフォークリフトが他に使われており「待ち」が発生している、こういったいろいろな要因が見えてくることでしょう。
 
 これらを物流会社と荷主が協力し合って解消していくことが必要であり、コスト削減にもつながるのです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


関連する他の活用事例

もっと見る
固定観念、そのものがリスク 物流安全管理(その2)

◆ KYTで危険予知センスを磨け  普段行っている仕事のどこに危険が潜んでいるのかを察知し、仕事のやり方を変えることによって危険を取り除こうという活...

◆ KYTで危険予知センスを磨け  普段行っている仕事のどこに危険が潜んでいるのかを察知し、仕事のやり方を変えることによって危険を取り除こうという活...


荷主から頼られる物流マンとは 物流マンが備えるべきスキル(その3)

◆ 質問力と会話力  物流マンとしてはサプライチェーン全体を見渡し、各工程でどのような問題点が潜んでいるのか推測できなければなりません。そして、それ...

◆ 質問力と会話力  物流マンとしてはサプライチェーン全体を見渡し、各工程でどのような問題点が潜んでいるのか推測できなければなりません。そして、それ...


情報発信で物流改善を進めよう 物流サイドからの情報発信(その3)

 前回のその2:物流に表れる 生産・調達・営業の結果に続いて解説します。 1. 物流部門からの情報発信  物流は往々にして何らかの行動の結果と...

 前回のその2:物流に表れる 生産・調達・営業の結果に続いて解説します。 1. 物流部門からの情報発信  物流は往々にして何らかの行動の結果と...