発散思考と収束思考の使い分け

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

◆関連解説『アイデア発想法とは』

1.発散思考と収束思考の活用法

 アメリカの著名な心理学者、J・P・ギルフォードは人間の頭脳を「内容」「操作」「所産」に分け、内容を用い、操作して、所産を産むのが頭脳であると規定しました。

    ● 内容 ――― 視覚的、聴覚的、記号的、意味的、行動的
    ● 操作 ――― 認知、記憶、発散的思考、収束的思考、評価
    ● 所産 ――― 単位、類、関係、体系、変換、含意

 この中で操作は「頭脳の働き」を意味し、言い換えれば「思考の基本」ともいえます。人は見たり、聞いたりして「認知」したものを「記憶」によりストックします。それらの記憶を主に利用して、情報処理をおこないます。つまり人間が情報処理するとは、まず課題に関係することを「発散的思考」でいろいろ考え、次に、考えたことが、課題に適するかどうか「収束的思考」を用い、最後に採用か否かを「評価」するということです。

 我々が物を考える際、通常は何か思いつく(発散思考)と、すぐ良いか悪いかの判断(収束思考)をし、発散と収束を短いサイクルでくりかえすのです。

 

2.発散思考と収束思考は分ける

 発散思考というのは、思いつきを外へ外へと広げる思考です。一方、収束思考とは何とかしてテーマに結びつけようという、内へ内へとまとめてゆく思考です。

 問題解決のあらゆるステップで、この2つの思考方式を用いるわけですが、大切なのはいかに広い角度から多くのデータを集めるかということです。発散思考と収束思考を短いサイクルで繰り返したのでは、ちょうど、火縄銃でうって、命中したか確認し、またあらためて発射するような...

技術マネジメント

 

◆関連解説『アイデア発想法とは』

1.発散思考と収束思考の活用法

 アメリカの著名な心理学者、J・P・ギルフォードは人間の頭脳を「内容」「操作」「所産」に分け、内容を用い、操作して、所産を産むのが頭脳であると規定しました。

    ● 内容 ――― 視覚的、聴覚的、記号的、意味的、行動的
    ● 操作 ――― 認知、記憶、発散的思考、収束的思考、評価
    ● 所産 ――― 単位、類、関係、体系、変換、含意

 この中で操作は「頭脳の働き」を意味し、言い換えれば「思考の基本」ともいえます。人は見たり、聞いたりして「認知」したものを「記憶」によりストックします。それらの記憶を主に利用して、情報処理をおこないます。つまり人間が情報処理するとは、まず課題に関係することを「発散的思考」でいろいろ考え、次に、考えたことが、課題に適するかどうか「収束的思考」を用い、最後に採用か否かを「評価」するということです。

 我々が物を考える際、通常は何か思いつく(発散思考)と、すぐ良いか悪いかの判断(収束思考)をし、発散と収束を短いサイクルでくりかえすのです。

 

2.発散思考と収束思考は分ける

 発散思考というのは、思いつきを外へ外へと広げる思考です。一方、収束思考とは何とかしてテーマに結びつけようという、内へ内へとまとめてゆく思考です。

 問題解決のあらゆるステップで、この2つの思考方式を用いるわけですが、大切なのはいかに広い角度から多くのデータを集めるかということです。発散思考と収束思考を短いサイクルで繰り返したのでは、ちょうど、火縄銃でうって、命中したか確認し、またあらためて発射するようなものです。これでは思考が広がりません。それよりマシンガン思考でバリバリ発射し、命中したかどうかは後でじっくり調べればよいのです。

 発散思考の際には徹底して思考の範囲を拡大することです。発散思考では出したデータをすぐまとめる必要はないのです。この際は一切評価をすることはないのです。発散思考をする時のルールとして、下の5つをあげておきます。

井戸型思考と水道型思考発散思考の5ルール

   続きを読むには・・・


この記事の著者

髙橋 誠

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!

企業のイノベーション戦略の構築と実践をお手伝いし、社員の創造性開発を促進し、新商品の開発を支援します!


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
何を作ったら良いか分らない状態での新商品開発法とは(その1)

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品 ・ 新システムを考え出すための 新商品開発法    (S2D)を 連載で解説...

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品 ・ 新システムを考え出すための 新商品開発法    (S2D)を 連載で解説...


技術者・研究者のための「前に進む発想法」

1.技術者・研究者は頭が固い  技術者・研究者は、コチコチ頭の人が少なくありません。思い込みや固定観念にとらわれ、よく壁にぶつかっています。「専...

1.技術者・研究者は頭が固い  技術者・研究者は、コチコチ頭の人が少なくありません。思い込みや固定観念にとらわれ、よく壁にぶつかっています。「専...


何を作ったら良いか分らない状態での新商品開発法とは(その2)

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品・新システムを考え出すための新商品開発法 (S2D)を 連載で解説しています。今回は、その2です。...

 何を作ったら良いか分らない状態の下で、新商品・新システムを考え出すための新商品開発法 (S2D)を 連載で解説しています。今回は、その2です。...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
変わらぬ傘のイノベーション

   今回は梅雨の時期に必須な傘を例に、イノベーションが起こる可能性について、イノベーションが起きない商品にそれをどう起こすかを解説します。  傘の基...

   今回は梅雨の時期に必須な傘を例に、イノベーションが起こる可能性について、イノベーションが起きない商品にそれをどう起こすかを解説します。  傘の基...


化学分野でのアイデア発想事例(元素と発酵)

1.知人の科学者が話した「ある気体」の正体を見抜いて、化学元素を発見 フランスの化学者 アントワーヌ・ローラン・ド・ラヴォアジエ  1774年秋のこと...

1.知人の科学者が話した「ある気体」の正体を見抜いて、化学元素を発見 フランスの化学者 アントワーヌ・ローラン・ド・ラヴォアジエ  1774年秋のこと...


発明事例-実験で出たガスの臭いから未知の生成物を直観、合成ゴム発明の物語

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...

 アセチレンの研究に没頭していたアメリカの化学者ジュリアス・オーサー・ニューランドは、ある時アセチレンを銅とアルカリ金属の塩化物の溶液に通すと奇妙なにおい...