生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

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生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

 

近い将来、対話型AIが現行の検索エンジンにとって代わる可能性が指摘されていますが、今回は、連載解説(その3)生成AIの能力比較。を解説します。前回の(その2)に続けて解説します。次の目次 見出し番号は、今回の連載解説、通し番号になります。

【目次】

    ◆[エキスパート会員インタビュー記事]品質づくりは上流から、そして人づくりから(濱田 金男氏

     

    4. 生成AIでコントロールプラン(QC工程)の作成は可能か?EXCEL表形式での出力を試みる

    <プロンプト入力>

    製造業の工程のコントロールプラン(QC工程)を作成するにあたって以下の項目を明確化します。まず作り込み条件として、機械・設備、人(スキル)、方法(手順書)、材料、記録・測定の5項目、そして特性の確認(検査)の方法として頻度(全数または抜取り検査)、測定器・治具、検査手順です。そこで、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表をExcelの表形式で作成してください。

     

    <Chat GPT3.5の回答引用>

    以下は、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表の例です。表形式で明確なコントロールプランを示しています。 

    生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

    このように表形式で出力しました。しかし少し物足りないので、穴あけ前の準備工程を追加するよう、追加のプロンプトを入力しました。

     

    <追加のプロンプト>

    このQC工程には、穴あけ前の準備工程がありません。準備工程を追加したQC工程表を作成してください。

     

    <Chat GPT3.5の回答引用>

    申し訳ありません、準備工程を追加して以下のQC工程表を作成します。

    生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

    上図では、指示した通り準備工程が追加されたQC工程表が出力されました。更に質問を続けます。

     

    <追加のプロンプト入力>

    準備手順書とありますが、その記載されている手順を教えてください。

     

    <Chat GPT3.5の回答引用>

    準備工程の手順書には、次のような手順が記載されている可能性があります。

    • ①材料の確認:アルミニウム合金の材料を選定し、外観や表面状態を確認する。材料の寸法や厚みを測定する。
    • ②ドリルプレスのセットアップ:ドリルビットを適切なサイズに選択し、ドリルプレスに取り付ける。必要に応じて適切なクランプや治具を使用して材料を固定する。
    • ③作業環境の準備:適切な安全装置を確認し、必要に応じて作業エリアを清掃する。必要な保護具(安全メガネ、手袋など)を着用する。
    • ④加工条件の設定:ドリルの回転数や進行速度などの加工条件を設定する。必要に応じて冷却液を準備する。
    • ⑤実施:ドリルプレスを起動し、指示に従って穴をあける。定期的に加工状況を確認し、必要に応じて調整を行う。
    • ⑥穴あけ後の確認:穴の形状や位置を確認し、不良がないかをチェックする。必要に応じて穴の周辺を整える(切削屑の除去、バリ取りなど)。

    これらの手順は、作業者が穴あけ作業を安全かつ効率的に実行するためのガイドラインとなります。以上がChat GPTの出力結果となります。

     

    ◆ 生成AIのGoogle Geminiに対して、同じプロンプトを入力

    <プロンプト入力>

    製造業の工程のコントロールプラン(QC工程)を作成するにあたって以下の項目を明確化します。まず作り込み条件として、機械・設備、人(スキル)、方法(手順書)、材料、記録・測定の5項目、そして特性の確認(検査)の方法として頻度(全数または抜取り検査)、測定器・治具、検査手順です。そこで、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表をExcelの表形式で作成してください。

     

    <Geminiの回答引用>

    • アルミ材穴あけQC工程表(Excel形式)
    • 材料: アルミ材 (種類、厚さ)
    • 穴あけ方法: (ドリル、フライスなど)

    生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

    【備考】

    上記はあくまで一例です。実際の工程や条件に合わせて内容を変更してください。

    • 検査頻度は、品質目標やリスクに応じて調整してください。
    • 測定器・治具は、精度や校正状況を管理してください。
    • 検査手順は、明確かつ具体的に記述してください。
    • 判定基準は、客観的で明確な基準を設定してください。
    • 記録は、正確かつ判読しやすいように記入してください。
    • 責任者は、工程の管理と改善に責任を持ちます。

    Geminiの場合は、上記の表のようにEXCEL形式での出力が可能です。次に、以上の結果に対して以下のプロンプト入力を追加します。

     

    <追加のプロンプト>

    このQC工程の、穴あけ工程を穴あけ準備と穴あけ作業に分割してわかりやすくして、もう一度表を作成してください。

     

    <Geminiの回答引用>

    • アルミ材穴あけQC工程表(Excel形式)
    • 材料: アルミ材 (種類、厚さ)
    • 穴あけ方法: (ドリル、フライスなど) 

    生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

    【備考】

    上記...

    生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

     

    近い将来、対話型AIが現行の検索エンジンにとって代わる可能性が指摘されていますが、今回は、連載解説(その3)生成AIの能力比較。を解説します。前回の(その2)に続けて解説します。次の目次 見出し番号は、今回の連載解説、通し番号になります。

    【目次】

      ◆[エキスパート会員インタビュー記事]品質づくりは上流から、そして人づくりから(濱田 金男氏

       

      4. 生成AIでコントロールプラン(QC工程)の作成は可能か?EXCEL表形式での出力を試みる

      <プロンプト入力>

      製造業の工程のコントロールプラン(QC工程)を作成するにあたって以下の項目を明確化します。まず作り込み条件として、機械・設備、人(スキル)、方法(手順書)、材料、記録・測定の5項目、そして特性の確認(検査)の方法として頻度(全数または抜取り検査)、測定器・治具、検査手順です。そこで、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表をExcelの表形式で作成してください。

       

      <Chat GPT3.5の回答引用>

      以下は、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表の例です。表形式で明確なコントロールプランを示しています。 

      生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

      このように表形式で出力しました。しかし少し物足りないので、穴あけ前の準備工程を追加するよう、追加のプロンプトを入力しました。

       

      <追加のプロンプト>

      このQC工程には、穴あけ前の準備工程がありません。準備工程を追加したQC工程表を作成してください。

       

      <Chat GPT3.5の回答引用>

      申し訳ありません、準備工程を追加して以下のQC工程表を作成します。

      生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

      上図では、指示した通り準備工程が追加されたQC工程表が出力されました。更に質問を続けます。

       

      <追加のプロンプト入力>

      準備手順書とありますが、その記載されている手順を教えてください。

       

      <Chat GPT3.5の回答引用>

      準備工程の手順書には、次のような手順が記載されている可能性があります。

      • ①材料の確認:アルミニウム合金の材料を選定し、外観や表面状態を確認する。材料の寸法や厚みを測定する。
      • ②ドリルプレスのセットアップ:ドリルビットを適切なサイズに選択し、ドリルプレスに取り付ける。必要に応じて適切なクランプや治具を使用して材料を固定する。
      • ③作業環境の準備:適切な安全装置を確認し、必要に応じて作業エリアを清掃する。必要な保護具(安全メガネ、手袋など)を着用する。
      • ④加工条件の設定:ドリルの回転数や進行速度などの加工条件を設定する。必要に応じて冷却液を準備する。
      • ⑤実施:ドリルプレスを起動し、指示に従って穴をあける。定期的に加工状況を確認し、必要に応じて調整を行う。
      • ⑥穴あけ後の確認:穴の形状や位置を確認し、不良がないかをチェックする。必要に応じて穴の周辺を整える(切削屑の除去、バリ取りなど)。

      これらの手順は、作業者が穴あけ作業を安全かつ効率的に実行するためのガイドラインとなります。以上がChat GPTの出力結果となります。

       

      ◆ 生成AIのGoogle Geminiに対して、同じプロンプトを入力

      <プロンプト入力>

      製造業の工程のコントロールプラン(QC工程)を作成するにあたって以下の項目を明確化します。まず作り込み条件として、機械・設備、人(スキル)、方法(手順書)、材料、記録・測定の5項目、そして特性の確認(検査)の方法として頻度(全数または抜取り検査)、測定器・治具、検査手順です。そこで、アルミ材に穴あけを行う場合のQC工程表をExcelの表形式で作成してください。

       

      <Geminiの回答引用>

      • アルミ材穴あけQC工程表(Excel形式)
      • 材料: アルミ材 (種類、厚さ)
      • 穴あけ方法: (ドリル、フライスなど)

      生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

      【備考】

      上記はあくまで一例です。実際の工程や条件に合わせて内容を変更してください。

      • 検査頻度は、品質目標やリスクに応じて調整してください。
      • 測定器・治具は、精度や校正状況を管理してください。
      • 検査手順は、明確かつ具体的に記述してください。
      • 判定基準は、客観的で明確な基準を設定してください。
      • 記録は、正確かつ判読しやすいように記入してください。
      • 責任者は、工程の管理と改善に責任を持ちます。

      Geminiの場合は、上記の表のようにEXCEL形式での出力が可能です。次に、以上の結果に対して以下のプロンプト入力を追加します。

       

      <追加のプロンプト>

      このQC工程の、穴あけ工程を穴あけ準備と穴あけ作業に分割してわかりやすくして、もう一度表を作成してください。

       

      <Geminiの回答引用>

      • アルミ材穴あけQC工程表(Excel形式)
      • 材料: アルミ材 (種類、厚さ)
      • 穴あけ方法: (ドリル、フライスなど) 

      生成AI、工場でどこまで使えるのか(その3)生成AIの能力比較

      【備考】

      上記はあくまで一例です。実際の工程や条件に合わせて内容を変更してください。

      • 検査頻度は、品質目標やリスクに応じて調整してください。
      • 測定器・治具は、精度や校正状況を管理してください。
      • 検査手順は、明確かつ具体的に記述してください。
      • 判定基準は、客観的で明確な基準を設定してください。
      • 記録は、正確かつ判読しやすいように記入してください。
      • 責任者は、工程の管理と改善に責任を持ちます。

       

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      以上のように、それぞれの生成AIの出力結果を見ると、得意不得意があるようなので、複数の生成AIの出力を比較することで、より良い結果の方を採用するといった作業も場合によっては必要になってきます。今回の連載記事を参考に、皆さんも生成AIの活用方法をいろいろと試して頂きたいと思います。

       

      ◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

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      この記事の著者

      濱田 金男

      製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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