JIS G3101 一般構造用圧延鋼材:金属材料基礎講座(その101)

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1. JIS G3101 一般構造用圧延鋼材

SS〇〇〇のように表記されます。SSはSteel Structure、数字は引張強さ(MPa)を表しています。JISにはSS330、SS400、SS490、SS540の4種類が規格されています。

 

これら材料の化学成分および機械的性質を表1、表2に示します。なお、表2の「N/mm2」は単位変換で「MPa」と同じ値になります。例えば400N/mm2と400MPaは同じ引張強さになります。SS540以外は炭素量を規定していません。

 

しかし、現状は炭素量0.15~0.20%程度の鋼です。炭素量が低いので熱処理によってマルテンサイトなど高強度が出来ない材料です。逆に熱処理による材料の変化を考慮する必要がないため、扱いやすいとも言えます。溶接性は普段は問題になりませんが、シビアな状況での溶接は溶接構造用圧延鋼板(SM材)の方が溶接性は優れています。

 

SSの後の数字が最低限の引張強さを表しますが、板厚によって降伏点が変わります。建設、橋梁、鉄道車両などに一般的に使用される鋼板などです。SS400はコストも安く、市場に広く出回っているため、鉄鋼の代表的な材料と言えます。

 

 

次回に続きます。

関連解説記事:圧延とは

関連解説記事:金属材料基礎講座 【連載記事紹介】

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1. JIS G3101 一般構造用圧延鋼材

SS〇〇〇のように表記されます。SSはSteel Structure、数字は引張強さ(MPa)を表しています。JISにはSS330、SS400、SS490、SS540の4種類が規格されています。

 

これら材料の化学成分および機械的性質を表1、表2に示します。なお、表2の「N/mm2」は単位変換で「MPa」と同じ値になります。例えば400N/mm2と400MPaは同じ引張強さになります。SS540以外は炭素量を規定していません。

 

しかし、現状は炭素量0.15~0.20%程度の鋼です。炭素量が低いので熱処理によってマルテンサイトなど高強度が出来ない材料です。逆に熱処理による材料の変化を考慮する必要がないため、扱いやすいとも言えます。溶接性は普段は問題になりませんが、シビアな状況での溶接は溶接構造用圧延鋼板(SM材)の方が溶接性は優れています。

 

SSの後の数字が最低限の引張強さを表しますが、板厚によって降伏点が変わります。建設、橋梁、鉄道車両などに一般的に使用される鋼板などです。SS400はコストも安く、市場に広く出回っているため、鉄鋼の代表的な材料と言えます。

 

 

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この記事の著者

福﨑 昌宏

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