【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

更新日

投稿日

 
  【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

 

前回の【快年童子の豆鉄砲】(その117)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(4)からの続きです。

1. 小集団活動活性化連関図

いよいよ本題である「QCサークル活動スパイラルアップ戦略」の説明に入るわけですが、最初は、この戦略立案の起点になった連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」のご説明です。

 

普通なら、連関図法は、テーマをネガティブに「何故小集団活動が上手く行かないのか?」にするのですが、多くの経験から、QCサークル活動の場合、うまく行く理由は共通していますが、ダメな理由は、それぞれの特殊事情によるところが多く、そのサークル特有のもので、一般的に共通する戦略立案には適さないので、共通性の高いポジティブなテーマ「何故小集団活動が上手く行ったのか?」にしましたのでご了解願います。

 

先ずやったことは、現役時代のQCサークル活動の成功体験に思いを馳せ「何故上手く行ったのか?」と自問したところ、14の主要因を示す言語データを手に入れることが出来ましたのでこれらを連関図法で解析してみたところ、意外だったのは、連関図の場合普通は最終的にテーマへ矢線が入る決定的言語データが存在するのですが、このケースの場合、14の言語データをぐるぐる回る幾重ものループの存在が結論になったことです。

 

しかも、経験からしますと、上記14のどの言語データが欠けても小集団活動の活性化は望めず、一見堂々巡りに見える幾重ものループにもレベルの差が感じられたのです。

 

そこで、各ループのレベルの差に着眼して整理したところ、各ループは ① の成果を得るためのプロセスを示しており、 ① にたどり着いたら、より質の高い成果(①)を求めて次なるよりレベルの高いループを回すという「スパイラルアップルート」が見えてきましたので、整理したところ、3つのループが見られましたので、それに、職制として実施してきたことを、どのステップの何処に対して効果的だったか、また、逆効果だったのかを反省しつつ、今ベストと考えられる4つの支援策と実施のタイミングを整理して追加して出来上がったのが図100‐1です。

 

【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

図100-1 連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」と職制の支援策とタイミング

 

ループの順番は、矢印の太さで示してあります。この図を見ながら、過去のQCサークル活動のことを振り返ってみて、強く感じるのは、最終的に、期待するようなQCサークル活動を目指す導入の場合、職制にかかる始動時のイナーシャが極めて大きいということです。大きいというのは、時間や大変さもさることながら、活動の質、即ち、それぞれの活動が、将来の活動を念頭に置...

 
  【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

 

前回の【快年童子の豆鉄砲】(その117)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(4)からの続きです。

1. 小集団活動活性化連関図

いよいよ本題である「QCサークル活動スパイラルアップ戦略」の説明に入るわけですが、最初は、この戦略立案の起点になった連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」のご説明です。

 

普通なら、連関図法は、テーマをネガティブに「何故小集団活動が上手く行かないのか?」にするのですが、多くの経験から、QCサークル活動の場合、うまく行く理由は共通していますが、ダメな理由は、それぞれの特殊事情によるところが多く、そのサークル特有のもので、一般的に共通する戦略立案には適さないので、共通性の高いポジティブなテーマ「何故小集団活動が上手く行ったのか?」にしましたのでご了解願います。

 

先ずやったことは、現役時代のQCサークル活動の成功体験に思いを馳せ「何故上手く行ったのか?」と自問したところ、14の主要因を示す言語データを手に入れることが出来ましたのでこれらを連関図法で解析してみたところ、意外だったのは、連関図の場合普通は最終的にテーマへ矢線が入る決定的言語データが存在するのですが、このケースの場合、14の言語データをぐるぐる回る幾重ものループの存在が結論になったことです。

 

しかも、経験からしますと、上記14のどの言語データが欠けても小集団活動の活性化は望めず、一見堂々巡りに見える幾重ものループにもレベルの差が感じられたのです。

 

そこで、各ループのレベルの差に着眼して整理したところ、各ループは ① の成果を得るためのプロセスを示しており、 ① にたどり着いたら、より質の高い成果(①)を求めて次なるよりレベルの高いループを回すという「スパイラルアップルート」が見えてきましたので、整理したところ、3つのループが見られましたので、それに、職制として実施してきたことを、どのステップの何処に対して効果的だったか、また、逆効果だったのかを反省しつつ、今ベストと考えられる4つの支援策と実施のタイミングを整理して追加して出来上がったのが図100‐1です。

 

【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

図100-1 連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」と職制の支援策とタイミング

 

ループの順番は、矢印の太さで示してあります。この図を見ながら、過去のQCサークル活動のことを振り返ってみて、強く感じるのは、最終的に、期待するようなQCサークル活動を目指す導入の場合、職制にかかる始動時のイナーシャが極めて大きいということです。大きいというのは、時間や大変さもさることながら、活動の質、即ち、それぞれの活動が、将来の活動を念頭に置いたものでなければならないという点です。そう言った意味で、上図は極めて貴重なんですが、それぞれのループが分かり難くい上、それぞれのループの趣旨がくみ取りにくいので、QCサークル活動の成長サイクルに絡めてまとめた表100-2を準備しましたので、ご理解の参考にして頂ければと思います。

 

表100-2 QCサークル活動スパイラルアップ戦略

【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


「品質マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
偶然のばらつきでも因子を絞れば解析できる 慢性不良への対応 (その2)

 慢性不良の要因の一つが偶然のばらつきであることを、アルミダイカストの例で前回説明しました。その例では11の因子を自動測定しており、すべてが規則性を持たず...

 慢性不良の要因の一つが偶然のばらつきであることを、アルミダイカストの例で前回説明しました。その例では11の因子を自動測定しており、すべてが規則性を持たず...


4M変化点(4M変動)管理 4つの重要ポイント

 そもそも、4M変化点(4M変動)管理を行う目的は何でしょうか?重要なキーワードは「日常管理のしくみ」「先手管理」「重点管理」「予測できる変化点」「予測で...

 そもそも、4M変化点(4M変動)管理を行う目的は何でしょうか?重要なキーワードは「日常管理のしくみ」「先手管理」「重点管理」「予測できる変化点」「予測で...


品質を保証するということ 品質保証概論(その2)

  【品質保証概論 連載の目次】 1. 品質とは何か 2. 品質を保証するということ 3. 品質管理のためのPDCAサイクル ...

  【品質保証概論 連載の目次】 1. 品質とは何か 2. 品質を保証するということ 3. 品質管理のためのPDCAサイクル ...


「品質マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
現場を意識した品質管理の成果掲示

 品質管理活動のモチベーションと継続性を高める方法の一つは現場への掲示です。改めて現場を意識した品質管理の成果掲示を整理してみましょう。掲示するものは次の...

 品質管理活動のモチベーションと継続性を高める方法の一つは現場への掲示です。改めて現場を意識した品質管理の成果掲示を整理してみましょう。掲示するものは次の...


不良の原因究明に進歩あり 中国企業の壁(その48)

        日本向けに鉄加工製品を販売している中国企業A社の工場では、日本品質を目指して開発・生産に取り組んでいます。顧客クレームが発生すれば、...

        日本向けに鉄加工製品を販売している中国企業A社の工場では、日本品質を目指して開発・生産に取り組んでいます。顧客クレームが発生すれば、...


品質管理教育の重要ポイント

 教えを請うなら実績のある人が好ましいと多くの人は思うでしょう。しかし実績のある人(成果を出している人)が必ずしも教え上手では無いと言うことがあります。今...

 教えを請うなら実績のある人が好ましいと多くの人は思うでしょう。しかし実績のある人(成果を出している人)が必ずしも教え上手では無いと言うことがあります。今...