営業部隊の成果指標とは データ分析講座(その263)

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データ分析

 

販売高の最大化を目指し、営業部隊の成果を指標化することは、よくあります。販売高の最大化のキーとなるのが、コスパのいい営業でしょう。販売高そのもの以外で、いくつかの指標があります。個々の営業パーソンや、営業所や部、課、グループなどの組織単位(営業部隊)の業績を、測定し比較し予測するために用います。今回は「ちょっとした営業部隊コスパ指標」というお話しをします。

 

【目次】
1. いくつかの指標
2. コンタクトあたり販売高
3. 潜在顧客あたり販売高
4. リードあたり販売高
5. 購買力あたり販売高
6. 販売高あたりコスト
7. 過去の傾向分析から近未来分析へ

【この連載の前回:データ分析講座(その262)時系列予測モデルの複数先予測へのリンク】

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1. いくつかの指標

今回紹介するのは、以下の5つです。

  • コンタクトあたり販売高
  • 潜在顧客あたり販売高
  • リードあたり販売高
  • 購買力あたり販売高
  • 販売高あたりコスト

 

販売高は、販売金額だけでなく、販売数量でも構いません。

 

2. コンタクトあたり販売高

 

「コンタクトあたり販売高」のコンタクトとは、営業訪問やメールのやり取りなどです。より少ないコンタクト回数で、より高い販売高を実現できるのであれば、それはとてもいいでしょう。営業パーソン同士で比較したり、営業部隊同士で比較したり、過去と比較したり、その要因を探ったりすることをします。その要因がわかれば、アクションに繋がります。

 

3. 潜在顧客あたり販売高

 

「潜在顧客あたり販売高」の潜在顧客とは、文字通り潜在顧客を意味し、まだ顔の見えていない(直接コンタクトする手段のない)顧客になる可能性のある見込み顧客です。一方リードは、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客です。既存顧客やリードは、潜在顧客と比べ少数派のため、ターゲットと定めた見込み顧客全体を潜在顧客と計算しても構いません。

 

例えば、20代男性をターゲットに定めたら、そのエリアの20代男性の人口が潜在顧客数で、そのエリアの販売高が10億であれば、その潜在顧客数で販売高を割ることで、「潜在顧客あたり販売高」を求めることができます。

 

例えば、大型書店のターゲットを月1回以上書店で書籍を購入する人と定義したとき、アンケートや2次データなどから性年代別に月1回以上書店での書籍購入率が分かったとします。あるエリアのターゲット数は、そのエリアの性年代別の人口と購入率から求めることができます。そのエリアに出店している書店の販売高を、その潜在顧客数で割ることで、「潜在顧客あたり販売高」を求めることができます。

 

4. リードあたり販売高

 

「リードあたり販売高」のリードとは、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客のことです。例えば、問い合わせや面談申し込み、資料請求、イベント来場、無料会員、ウエビナー参加などを通し、顔の見えていない(直接コンタクトする手段のない)が、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)状態に変化します。

 

この変化し顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客であるリードから、どのくらいの販売高を生み出せたのか、という指標です。リードそのものを細かく分析できるのであれば、リードの属性別などで、「リードあたり販売高」を計算し、コスパのいいリードを識別することができます。

 

コスパのいいリードを識別することができれば、そのようなリードを増やす努力をした方がいいですし、ターゲットそのものも、コスパのいいリードと再定義したほうがいいかもしれません。他にも、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)状態に変化したときの経路(例:資料請求、問い合わせ、セミナーなど)が分かれば、そこに注力したほうがいいでしょう。

 

5. 購買力あたり販売高

 

「購買力あたり販売高」の購買力とは、販売高のポテンシャルです。潜在顧客やリードが顧客になった場合の、販売高です。例えば、政府統計から、あるエリアの潜在顧客となる大企業が5社、中小企業が100社あったとします。過去の規模別販売高を計算できれば、そのエリアの購買力を計算できます。

 

6. 販売高あたりコスト

 

先程の4つの指標に加え、コストそのものを考慮した「販売高あたりコスト」を一緒に考えることも少なくありません。この指...

データ分析

 

販売高の最大化を目指し、営業部隊の成果を指標化することは、よくあります。販売高の最大化のキーとなるのが、コスパのいい営業でしょう。販売高そのもの以外で、いくつかの指標があります。個々の営業パーソンや、営業所や部、課、グループなどの組織単位(営業部隊)の業績を、測定し比較し予測するために用います。今回は「ちょっとした営業部隊コスパ指標」というお話しをします。

 

【目次】
1. いくつかの指標
2. コンタクトあたり販売高
3. 潜在顧客あたり販売高
4. リードあたり販売高
5. 購買力あたり販売高
6. 販売高あたりコスト
7. 過去の傾向分析から近未来分析へ

【この連載の前回:データ分析講座(その262)時系列予測モデルの複数先予測へのリンク】

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

◆データ分析講座の注目記事紹介

 

1. いくつかの指標

今回紹介するのは、以下の5つです。

  • コンタクトあたり販売高
  • 潜在顧客あたり販売高
  • リードあたり販売高
  • 購買力あたり販売高
  • 販売高あたりコスト

 

販売高は、販売金額だけでなく、販売数量でも構いません。

 

2. コンタクトあたり販売高

 

「コンタクトあたり販売高」のコンタクトとは、営業訪問やメールのやり取りなどです。より少ないコンタクト回数で、より高い販売高を実現できるのであれば、それはとてもいいでしょう。営業パーソン同士で比較したり、営業部隊同士で比較したり、過去と比較したり、その要因を探ったりすることをします。その要因がわかれば、アクションに繋がります。

 

3. 潜在顧客あたり販売高

 

「潜在顧客あたり販売高」の潜在顧客とは、文字通り潜在顧客を意味し、まだ顔の見えていない(直接コンタクトする手段のない)顧客になる可能性のある見込み顧客です。一方リードは、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客です。既存顧客やリードは、潜在顧客と比べ少数派のため、ターゲットと定めた見込み顧客全体を潜在顧客と計算しても構いません。

 

例えば、20代男性をターゲットに定めたら、そのエリアの20代男性の人口が潜在顧客数で、そのエリアの販売高が10億であれば、その潜在顧客数で販売高を割ることで、「潜在顧客あたり販売高」を求めることができます。

 

例えば、大型書店のターゲットを月1回以上書店で書籍を購入する人と定義したとき、アンケートや2次データなどから性年代別に月1回以上書店での書籍購入率が分かったとします。あるエリアのターゲット数は、そのエリアの性年代別の人口と購入率から求めることができます。そのエリアに出店している書店の販売高を、その潜在顧客数で割ることで、「潜在顧客あたり販売高」を求めることができます。

 

4. リードあたり販売高

 

「リードあたり販売高」のリードとは、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客のことです。例えば、問い合わせや面談申し込み、資料請求、イベント来場、無料会員、ウエビナー参加などを通し、顔の見えていない(直接コンタクトする手段のない)が、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)状態に変化します。

 

この変化し顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)見込み顧客であるリードから、どのくらいの販売高を生み出せたのか、という指標です。リードそのものを細かく分析できるのであれば、リードの属性別などで、「リードあたり販売高」を計算し、コスパのいいリードを識別することができます。

 

コスパのいいリードを識別することができれば、そのようなリードを増やす努力をした方がいいですし、ターゲットそのものも、コスパのいいリードと再定義したほうがいいかもしれません。他にも、顔の見えている(直接コンタクトする手段のない)状態に変化したときの経路(例:資料請求、問い合わせ、セミナーなど)が分かれば、そこに注力したほうがいいでしょう。

 

5. 購買力あたり販売高

 

「購買力あたり販売高」の購買力とは、販売高のポテンシャルです。潜在顧客やリードが顧客になった場合の、販売高です。例えば、政府統計から、あるエリアの潜在顧客となる大企業が5社、中小企業が100社あったとします。過去の規模別販売高を計算できれば、そのエリアの購買力を計算できます。

 

6. 販売高あたりコスト

 

先程の4つの指標に加え、コストそのものを考慮した「販売高あたりコスト」を一緒に考えることも少なくありません。この指標が小さければ、コスパよく売上を上げていることになります。販売高が同じなのに、この指標が悪い営業パーソンや営業部隊は、不要な出張や過剰接待など無駄なコストを欠けて無駄なアクションを実施している可能性があります。

 

実施していることもコストも同じなのに、この指標が悪い営業パーソンや営業部隊は、クロージングスキルに問題があったり、売りにくい見込み顧客を相手にしていたりしている可能性があります。

 

7. 過去の傾向分析から近未来分析へ

ここまで、簡単な例を交えて説明してきました。過去の傾向を見るためという感じに思えた人もいるかもしれません。もちろん、過去の傾向を分析し、現状を把握し、改善するためのアクションにつなげることは、非常重要です。それだけでなく、予測モデルを構築することで、未来の指標の値を予測し分析する、近未来分析をすることができます。

 

 

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この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

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