“技術文書を書くこと”について考える(その4)

投稿日

技術文書

 

【この連載の前回:“技術文書を書くこと”について考える(その3)へのリンク】 

1.「技術文書を書くこと」についての整理

これまで、「技術文書を書くこと」を以下の視点で解説しました。

  • ①技術文書=コミュニケーションの手段 (技術文書を書くこと:その1)
  • ②技術文書を書く目的 (技術文書を書くこと:その2)
  • ③「内容が伝わる」と「内容が“明確に”伝わる」の違い (技術文書を書くこと:その2)
  • ④内容が明確に伝わる技術文書 (技術文書を書くこと:その2)
  • ⑤内容が明確に伝わる技術文書を書く理由 (技術文書を書くこと:その3)

技術文書を書く目的は、「技術文書の書き手からその読み手に内容を伝達すること」です。「技術文書=コミュニケーションの手段」と考えると「内容が明確に伝わる技術文書」を書くことの重要性がわかります。

 

内容が明確に伝わる技術文書を書くうえでのポイントの一つは、書き手と読み手の違いを認識して読み手の立場に立って書くことです。これは重要な内容なので別途解説します。

 

2.内容を伝達する意識を持つ

「内容を伝達するために技術文書を書く」という意識で技術文書を書いてください。例えば、業務報告書を書くことを考えます。業務を行ったときには業務の最後にその報告書を書きます。このとき、「業務の成果をまとめる」あるいは「業務の成果を記録として残す」という意識で業務報告書を書くと思います。しかし、このような意識ではなく、「業務の成果(内容)を伝達するために業務報告書を書く」という意識で業務報告書を書いてください。

 

内容を伝達する意識を持つと技術文書を書く意識が変わります。例えば、「業務の成果(内容)を伝達するために業務報告書を書く」という意識を持つと業務報告書の書き方が変わります。「まとめる」あるいは「記録として残す」ではなく「業務の成果(内容)を伝達する」という意識に変わるからです。「業務の成果(内容)を伝達するためには業務報告書をどのように書いたらよいか」と考えます。

 

これは、他の技術文書、例えば、会議・打ち合わせの資料やメールを書くときも同じです。「技術文書=コミュニケーションの手段」と考えて「内容を...

技術文書

 

【この連載の前回:“技術文書を書くこと”について考える(その3)へのリンク】 

1.「技術文書を書くこと」についての整理

これまで、「技術文書を書くこと」を以下の視点で解説しました。

  • ①技術文書=コミュニケーションの手段 (技術文書を書くこと:その1)
  • ②技術文書を書く目的 (技術文書を書くこと:その2)
  • ③「内容が伝わる」と「内容が“明確に”伝わる」の違い (技術文書を書くこと:その2)
  • ④内容が明確に伝わる技術文書 (技術文書を書くこと:その2)
  • ⑤内容が明確に伝わる技術文書を書く理由 (技術文書を書くこと:その3)

技術文書を書く目的は、「技術文書の書き手からその読み手に内容を伝達すること」です。「技術文書=コミュニケーションの手段」と考えると「内容が明確に伝わる技術文書」を書くことの重要性がわかります。

 

内容が明確に伝わる技術文書を書くうえでのポイントの一つは、書き手と読み手の違いを認識して読み手の立場に立って書くことです。これは重要な内容なので別途解説します。

 

2.内容を伝達する意識を持つ

「内容を伝達するために技術文書を書く」という意識で技術文書を書いてください。例えば、業務報告書を書くことを考えます。業務を行ったときには業務の最後にその報告書を書きます。このとき、「業務の成果をまとめる」あるいは「業務の成果を記録として残す」という意識で業務報告書を書くと思います。しかし、このような意識ではなく、「業務の成果(内容)を伝達するために業務報告書を書く」という意識で業務報告書を書いてください。

 

内容を伝達する意識を持つと技術文書を書く意識が変わります。例えば、「業務の成果(内容)を伝達するために業務報告書を書く」という意識を持つと業務報告書の書き方が変わります。「まとめる」あるいは「記録として残す」ではなく「業務の成果(内容)を伝達する」という意識に変わるからです。「業務の成果(内容)を伝達するためには業務報告書をどのように書いたらよいか」と考えます。

 

これは、他の技術文書、例えば、会議・打ち合わせの資料やメールを書くときも同じです。「技術文書=コミュニケーションの手段」と考えて「内容を伝達する」という意識で技術文書を書いてください。

 

次回から、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方」について解説します。

 

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

関連解説記事「書くべきことを自分の頭の中ではっきりさせる」 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
動機付けの大切さ ~ 改善は「テクニック」だけではない。

    1.改善の滞り・マンネリ化を 動機付け で解消! 改善活動の展開において現場がヤル気になったのに、マネジメント側でブ...

    1.改善の滞り・マンネリ化を 動機付け で解消! 改善活動の展開において現場がヤル気になったのに、マネジメント側でブ...


アクティブラーニング、文科省が推進する理由をわかりやすく解説

  第4次産業革命が進行中の現代、AI・IoT・DX技術などの発達で、何を創るかのフロントランナーの時代へとパラダイムシフトしています。企...

  第4次産業革命が進行中の現代、AI・IoT・DX技術などの発達で、何を創るかのフロントランナーの時代へとパラダイムシフトしています。企...


自分の仕事に余裕を作るには

1. 「捨てる」スキル   ◆商品開発に「捨てる」はもう常識    今回は、日々の仕事と商品仕様における「捨てる」スキルについ...

1. 「捨てる」スキル   ◆商品開発に「捨てる」はもう常識    今回は、日々の仕事と商品仕様における「捨てる」スキルについ...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
やろうと思っているけどできないことばかり、の克服(その6)

 「やろうと思っているけどできないことばかり、の克服」も今回で6回目ですが、今回が最終回です。 【やろうと思っているけど できないことばかりの克服 連載...

 「やろうと思っているけどできないことばかり、の克服」も今回で6回目ですが、今回が最終回です。 【やろうと思っているけど できないことばかりの克服 連載...


技術系以外の分野は、どう学べば良いか

      今回は、すそ野が広い技術系以外の分野をどう系統づけて学べば良いのかを解説します。     私は、技術士(情報工学部門)ということで...

      今回は、すそ野が広い技術系以外の分野をどう系統づけて学べば良いのかを解説します。     私は、技術士(情報工学部門)ということで...


加工現場のエースになるための7つの心構え

【目次】 1、加工現場のエースになるための心得とは  (1) 今ここにいる全員がいなくなっても、ものづくりができる準備をしている  (2) 次は...

【目次】 1、加工現場のエースになるための心得とは  (1) 今ここにいる全員がいなくなっても、ものづくりができる準備をしている  (2) 次は...