データ分析上必須な2つのロジカルシンキング データ分析講座(その198)

更新日

投稿日

 

 

ビジネス必須のスキルとしてロジカルシンキングというものがあります。系統図法という名称で呼ばれていたもので、昔から日本の製造業で使われていたQC7つ道具の1つです。ロジカルシンキングでは、系統図と呼ばれるロジックツリーを作ることが多いです。ロジックツリーの使い方や種類も色々です。特に、データ分析のテーマを考えるときは必須です。

今回は、「データ分析上必要な2つのロジカルシンキング」というお話しをします。

【目次】

1.系統図法とは?
2.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ
【1】お困りごと(問題)の設定
【2】問題の要因(原因)の洗い出し
【3】原因(要因)の課題化
【4】課題の解決策の案出
【5】解決策のデータ活用の可能性検討

 

1.系統図法とは?

系統図法は、ロジックツリーとも呼ばれる定性分析手法の1つです。データ分析のテーマを考えるときは必須です。色々な系統図法があります。

 

データ分析のテーマを考えるときに、よく使われるのは次の2つです。

  • 問題の要因(原因)を掘り下げる系統図法(なぜなぜ分析)
  • 解決策を具体化する系統図法(どうする分析)

 

2.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ

以下が、系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れです。

【1】お困りごと(問題)の設定
【2】問題の要因(原因)の洗い出し
【3】原因(要因)の課題化
【4】課題の解決策の案出
【5】解決策のデータ活用の可能性検討

 

【1】お困りごと(問題)の設定

テーマ設定の入口は、現場の「お困りごと」(問題)です。ここでは、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」を「問題」と定義します。これをさらに「数値」でも表現しましょう。

 

データ分析

 

このような「ギャップ分析」を実施します。

 

【2】問題の要因(原因)の洗い出し

問題の要因(原因)の洗い出しで、「問題の要因(原因)を掘り下げる系統図法」(なぜなぜ分析)を使います。

 

データ分析

 

【3】原因(要因)の課題化

「問題の要因を掘り下げる系統図法」(なぜなぜ分析)で洗い出された原因(要因)に対し、「ギャップ分析」を実施し「課題」を考えていきます。「現状(As-Is)」が洗い出された原因(要因)で、「理想(To-Be)」が目指す姿です。

これが「課題」で、原因を課題と見なすことを「課題化」と言います。

 

データ分析

 

少なくとも、「現状(As-Is)」が課題なのではなく、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが埋めること」が「課題」なんです。

 

【4】課題の解決策の案出

課題の解決策を案出するために、「解決策を具体化する系統図...

 

 

ビジネス必須のスキルとしてロジカルシンキングというものがあります。系統図法という名称で呼ばれていたもので、昔から日本の製造業で使われていたQC7つ道具の1つです。ロジカルシンキングでは、系統図と呼ばれるロジックツリーを作ることが多いです。ロジックツリーの使い方や種類も色々です。特に、データ分析のテーマを考えるときは必須です。

今回は、「データ分析上必要な2つのロジカルシンキング」というお話しをします。

【目次】

1.系統図法とは?
2.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ
【1】お困りごと(問題)の設定
【2】問題の要因(原因)の洗い出し
【3】原因(要因)の課題化
【4】課題の解決策の案出
【5】解決策のデータ活用の可能性検討

 

1.系統図法とは?

系統図法は、ロジックツリーとも呼ばれる定性分析手法の1つです。データ分析のテーマを考えるときは必須です。色々な系統図法があります。

 

データ分析のテーマを考えるときに、よく使われるのは次の2つです。

  • 問題の要因(原因)を掘り下げる系統図法(なぜなぜ分析)
  • 解決策を具体化する系統図法(どうする分析)

 

2.系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れ

以下が、系統図法で問題を課題化し解決策を考える流れです。

【1】お困りごと(問題)の設定
【2】問題の要因(原因)の洗い出し
【3】原因(要因)の課題化
【4】課題の解決策の案出
【5】解決策のデータ活用の可能性検討

 

【1】お困りごと(問題)の設定

テーマ設定の入口は、現場の「お困りごと」(問題)です。ここでは、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが生まれている状態」を「問題」と定義します。これをさらに「数値」でも表現しましょう。

 

データ分析

 

このような「ギャップ分析」を実施します。

 

【2】問題の要因(原因)の洗い出し

問題の要因(原因)の洗い出しで、「問題の要因(原因)を掘り下げる系統図法」(なぜなぜ分析)を使います。

 

データ分析

 

【3】原因(要因)の課題化

「問題の要因を掘り下げる系統図法」(なぜなぜ分析)で洗い出された原因(要因)に対し、「ギャップ分析」を実施し「課題」を考えていきます。「現状(As-Is)」が洗い出された原因(要因)で、「理想(To-Be)」が目指す姿です。

これが「課題」で、原因を課題と見なすことを「課題化」と言います。

 

データ分析

 

少なくとも、「現状(As-Is)」が課題なのではなく、「理想(To-Be)と現状(As-Is)のギャップが埋めること」が「課題」なんです。

 

【4】課題の解決策の案出

課題の解決策を案出するために、「解決策を具体化する系統図法」(どうする分析)を使います。

 

データ分析

 

具体的なアクションが見えるまで、掘り下げます。

 

【5】解決策のデータ活用の可能性検討

データは「解決策」の中で活用します。

 

データ

 

つまり、お困りごと(問題)やその原因(要因)、課題が明確になっても、データを活用したほうがいいかどうかは分かりません。データで出来ることは、より良い解決策の実現だけです。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

高橋 威知郎

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)

データネクロマンサー/データ分析・活用コンサルタント (埋もれたデータに花を咲かせる、データ分析界の花咲じじい。それほど年齢は重ねてないけど)


「情報マネジメント一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
IoT「モノのインターネット化」とは(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   3.HMD:ヘッドマウントディスプレイの応用例  HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は製造ラインの業務...

 前回のその2に続いて解説します。   3.HMD:ヘッドマウントディスプレイの応用例  HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は製造ラインの業務...


データから根本原因を考えるフレームワーク データ分析講座(その246)

  多くの人は、普段から何かしらの数値を眺めているかと思います。成績表やTOEICの点数、体重、売上、受注件数、リード件数、PV(ページビ...

  多くの人は、普段から何かしらの数値を眺めているかと思います。成績表やTOEICの点数、体重、売上、受注件数、リード件数、PV(ページビ...


データサイエンティストを支える人財とは データ分析講座(その118)

◆ データサイエンティストの最高の相棒はデータエンジニア  ビジネスの世界に生きるデータサイエンティストの仕事とは、データとその活用領域であるドメイ...

◆ データサイエンティストの最高の相棒はデータエンジニア  ビジネスの世界に生きるデータサイエンティストの仕事とは、データとその活用領域であるドメイ...


「情報マネジメント一般」の活用事例

もっと見る
個票データの共用化でコストダウン

 データ解析の効率は、生データとその整理の仕方で大きく異なると言えます。 例えば、アンケート結果は単なる生データであり、そのままでは解析出来ません。解析の...

 データ解析の効率は、生データとその整理の仕方で大きく異なると言えます。 例えば、アンケート結果は単なる生データであり、そのままでは解析出来ません。解析の...


P値で行う統計リテラシー判定

 「ピーチ」って聞いたら何を連想しますか、統計を学んでいる人に取っては「 P値 」が思い浮かぶはずです。統計学の素養がある程度備わっているか一言で知ろうと...

 「ピーチ」って聞いたら何を連想しますか、統計を学んでいる人に取っては「 P値 」が思い浮かぶはずです。統計学の素養がある程度備わっているか一言で知ろうと...


‐情報収集で配慮すべき事項(第1回)‐  製品・技術開発力強化策の事例(その9)

 前回の事例その8に続いて解説します。ある目的で情報収集を開始する時には、始めに開発方針を明らかにして、目的意識を持って行動する必要があります。目的を明確...

 前回の事例その8に続いて解説します。ある目的で情報収集を開始する時には、始めに開発方針を明らかにして、目的意識を持って行動する必要があります。目的を明確...