ヒューマンエラーの要因分析

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 ヒューマンエラー(ポカミス)とは、人間が行うべき作業を適切に行わない事により生じるエラーです。ヒューマンエラーの要因を分類する方法は様々解説されており、当研究所においても、製造業に当てはまる分類方法について、試行錯誤を繰り返して来ました。
 
4M変更管理
 
 上の図は、人間の処理プロセスと人の特性毎の行動分類です。処理プロセスは、認知→判断→行動の順に行われますが、人間の特性によって様々なミスを引き起こします。
 
4M変更管理
 
 人間も、機械もインプット・処理・アウトプットの処理システムとみなすことができます。人間は、臨機応変に判断力を駆使して、対応が可能ですが、反面ミスを犯しやすいという欠点があります。機械に置き換えられない手作業は、ミスが起き難くするように、プロセスを正しくコントロールすることと、変動要因をなくすことがミスを少なくすることにつながります。従ってミスをした作業者を特定し処罰するのではなく、ミスをした内容を調査しミスの背景に潜む原因を特定することが大切です。
 
 ヒューマンエラーの要因として以下の4種類に分類できます。それぞれの項目における内容は以下の通りです。
 
 ① 情報要因
 ② 教育訓練要因
 ③ 変動要因
 ④ 組織風土要因
 

① 情報要因

 
 ・口頭で伝達された内容を聞き違える(伝達手段・内容の問題)
 ・内容を先入観で聞き違える(正確に理解し判断する意識が薄い)
 ・無視(情報を無視し、自分の判断で処理する)
 ・情報無し、遅い(情報の発信元の問題)
 

② 教育訓練要因

 
 ・教育・訓練の絶対的時間の不足
 ・背景の教育不足(なぜそうするのか)
 ・教育ツール、方法の問題
 

③ 変動要因

 
 ・外部PSFの問題(作業環境の悪化、作業の変動が大きい)
 ・内部PSFの問題(疲れ、心配事、病気)
 

④ 組織風土要因

 
 ・指示命令系統が曖昧 
 ・ルール違反が日常化している
 ・管理、監督層の問題(役割と責任)
 
 大量生産時代には、ひたすら作業者を訓練し...
 ヒューマンエラー(ポカミス)とは、人間が行うべき作業を適切に行わない事により生じるエラーです。ヒューマンエラーの要因を分類する方法は様々解説されており、当研究所においても、製造業に当てはまる分類方法について、試行錯誤を繰り返して来ました。
 
4M変更管理
 
 上の図は、人間の処理プロセスと人の特性毎の行動分類です。処理プロセスは、認知→判断→行動の順に行われますが、人間の特性によって様々なミスを引き起こします。
 
4M変更管理
 
 人間も、機械もインプット・処理・アウトプットの処理システムとみなすことができます。人間は、臨機応変に判断力を駆使して、対応が可能ですが、反面ミスを犯しやすいという欠点があります。機械に置き換えられない手作業は、ミスが起き難くするように、プロセスを正しくコントロールすることと、変動要因をなくすことがミスを少なくすることにつながります。従ってミスをした作業者を特定し処罰するのではなく、ミスをした内容を調査しミスの背景に潜む原因を特定することが大切です。
 
 ヒューマンエラーの要因として以下の4種類に分類できます。それぞれの項目における内容は以下の通りです。
 
 ① 情報要因
 ② 教育訓練要因
 ③ 変動要因
 ④ 組織風土要因
 

① 情報要因

 
 ・口頭で伝達された内容を聞き違える(伝達手段・内容の問題)
 ・内容を先入観で聞き違える(正確に理解し判断する意識が薄い)
 ・無視(情報を無視し、自分の判断で処理する)
 ・情報無し、遅い(情報の発信元の問題)
 

② 教育訓練要因

 
 ・教育・訓練の絶対的時間の不足
 ・背景の教育不足(なぜそうするのか)
 ・教育ツール、方法の問題
 

③ 変動要因

 
 ・外部PSFの問題(作業環境の悪化、作業の変動が大きい)
 ・内部PSFの問題(疲れ、心配事、病気)
 

④ 組織風土要因

 
 ・指示命令系統が曖昧 
 ・ルール違反が日常化している
 ・管理、監督層の問題(役割と責任)
 
 大量生産時代には、ひたすら作業者を訓練し、ミスを犯した場合は、注意するあるいは、交代させるなど人の対策を中心に行ってきましたが、現在では4M変動管理に代表されるように、ものづくりの環境変化によって、しくみ上の問題解決を行っていくことが求められています。
 
 

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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