【中止】水と共生する多糖のinvitro材料設計〜生体適合性と環境適応性を持つ材料設計技術〜

天然分子の多糖が自らパターンを
再構築する現象を用いた材料設計技術

セミナー趣旨

 自然界を見渡すと、目に見えるレベルで綺麗なパターンがたくさんあります。たとえば生体組織は小さな分子から「自己組織化」によって創り上げられています。これは、物質そのものにだけ由来している訳ではなく、外的な環境が強く作用した結果です。変化する環境に適応できるように生命が進化した結果、多様な空間パターンやリズムが
生まれています。
 一方、人工的に合成された分子から物理環境を制御してパターンを創り出す研究は歴史的に長くなされています。しかし、合成分子のままでは医療や工業的に材料化する上で困難を極め、生体組織の理解や自然との共生には幾つものハードルがあります。これに対して我々は直近の研究で、天然分子の多糖が自らパターンを再構築する現象を発見しました。ここで、「なぜ」「どのように」を解明できれば、生体適合性と環境適応性を合わせ持つ材料設計技術を手に入れることができます。
 当日は、実験で得た数々の写真を使ってリアリティのある研究を紹介致します。マイクロプラスチック問題など合成による高分子の使用を制限する昨今、多糖のポテンシャルの高さを勉強できる機会になればと思います。

受講対象・レベル

・ 「多糖」の材料研究開発を始めたばかりの方から研究経験を経た方。
・ 業務に活かすため天然高分子、特に多糖について知見を得たい方。
・ 天然高分子に取り組んでいるが、「水」の課題があり困っている方。
・ 本テーマに興味のある方なら、どなたでも受講可能です。

必要な予備知識

・ 高分子科学、物理化学、材料科学、光化学、ソフトマターの基礎知識や経験を持っていると望ましいですが何より、チャレンジングスピリットを強く持っている方、好奇心の強い方。この分野に興味のある方なら、特に予備知識は必要ないです。

事前に目を通しておくと理解が深まる文献、サイトなど:
・高分子論文集, 75, 396-405, 2018
「DRY & WET:界面不安定性による微小管と多糖のin vitro散逸構造」
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/koron/advpub/0/advpub_2018-0006/_article/-char/ja

・高分子論文集 75, 1-8, 2018
「乾燥下における超高分子多糖のマクロ空間分割と一軸配向膜の形成」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/koron/75/1/75_2017-0057/_article/-char/ja

・academist Journal 2019.6
「高分子の伸び縮みで人工光合成を加速する!」
https://academist-cf.com/journal/?p=11128

習得できる知識

・本講義の内容は、広い学問分野(高分子科学、材料科学、光化学、
 コロイド科学、界面化学、幾何学、非線形科学など)からアプローチすることができます。
・特に、目に見えるスケールからナノスケールに至る現象を理解する上で、
 物質の構造を階層的に俯瞰する内容です。例えば、ミリメートルを小さいと考えるか、
 大きいと考えるか。幾つかフォーカスする視点から、現象の因果関係を紐解きます。
・ご討論・ご意見を交わしながら、セミナーを進めさせて頂けたらと考えております。

セミナープログラム

1.はじめに

2.光合成が生み出した高分子「多糖」
 2-a. 究極の天然高分子「多糖」は多様
 2-b. 水と共生する多糖組織
 2-c. 多糖の自己相似構造・階層構造
 2-d. 天然から抽出した多糖の自己集合構造の例

3.乾燥環境と多糖
 3-a. 乾燥環境で活動する生体組織
 3-b. 多糖水溶液
 3-c. 乾燥界面における多糖
 3-d. フィンガリングパターンと界面分割現象
 3-e. 界面の幾何学制御による空間分割現象
 3-f. 多糖が示すマクロ構造

4.多糖の一軸配向膜
 4-a. 多糖配向膜のミクロ構造
 4-b. 実際の多糖組織との構造類似性
 4-c. 多糖配向膜ゲルの一軸膨潤特性
 4-d. 多糖配向膜の材料としての期待

5.おわりに

セミナー講師

北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科、
マテリアルサイエンス系 環境・エネルギー領域 講師  桶葭 興資 先生

ご略歴
[学 歴]
2005年3月 東京大学 工学部マテリアル工学科 卒業
2007年3月 東京大学大学院 工学系研究科マテリアル工学専攻 修士課程 修了
2010年3月 東京大学大学院 工学系研究科マテリアル工学専攻 博士課程 修了
      博士(工学)取得
[職 歴]
2007―2010 東京大学大学院 工学系研究科、日本学術振興会 特別研究員DC1
2011―2013 理化学研究所/ハーバード大学、日本学術振興会 特別研究員PD
2013―2014   ハーバード大学、日本学術振興会 海外特別研究員
2014―2016 北陸先端科学技術大学院大学、助教
2017― 現在  同学、講師

ご専門および得意な分野・研究
高分子科学、光化学、ソフトマター

■本テーマ関連学協会でのご活動
高分子学会、高分子ゲル研究会、ACS, MRS

セミナー受講料

1名33,000円 + 税、(資料付)
 *1社2名以上同時申込の場合、1名につき23,000円 + 税
 ※消費税につきましては講習会開催日の税率にて課税致します。
 *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。


※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

開催日時


14:00

受講料

36,300円(税込)/人

※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

※銀行振込

開催場所

東京都

MAP

【新宿区】新宿文化センター

【地下鉄】東新宿駅

主催者

キーワード

高分子・樹脂材料

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受講料

36,300円(税込)/人

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主催者

キーワード

高分子・樹脂材料

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