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医薬品のサンプリングと受入試験
海外製造所のGMP監査と品質契約の注意点
原薬や資材の品質確保のためにはサンプリングと受入試験の内容が重要なカギとなる!
また、海外原薬の安定供給と品質リスクを抑えるためのポイントとは?
30年品質保証をしてきた講師の観点から最新事例をふまえて詳しく解説いたします。
>>海外製造所の管理ポイント・海外から原薬の購入に考慮すべき点
>>製造所の品質リスクの確認・評価手段となるサンプリングの記録方法と注意点
>>PIC/S GMPガイドラインで要求される全梱同一性確認をどのように負荷をかけずに対応するか
>>原薬回収事例に基づいた製品回収を防ぐためのポイント
>>リスクに基づいた監査の重要性
セミナー趣旨
問題のない製品を市場に提供することである。それを確認するために受入試験があり、
サンプリングと受入れ試験の内容に左右される。受入れ試験合格したが、原料・資材に問題があり、
製造工程トラブル、製品回収を来していると本来の役割をはたしていないことになる。
サンプリングは評価の一番重要な点である。サンプリングは良いものを購入する。
良い状態で製造されていることを確認する手段であるが、サンプリングだけに頼っていたのでは
良いものは得られない。相手先の品質保証が問題ないことであり、それを確認することである。
もし問題があればレベルアップを行うことに尽きる。
PIC/S加盟により、6つのギャップが通知でだされその一つが原料資材の供給者管理である。
原薬や資材の品質確保があって初めて医薬品の品質を確保できる。また製造委託が増えており、
それもグローバルで増加している。品質は製造の現場で造り込まれている。
製造所の品質リスクの確認は品質問題を未然に防ぐための重要であり、サンプリングはそれを
評価するための重要な手段になる。30年品質保証してきた観点から注意点を説明する。
特に問題となる海外製造所の対応について事例で紹介する。
もう一つ、PIC/S加盟により6つのギャップ以外にPIC/S GMPガイドラインで
求められているのに、全梱包からの同一性確認である。これを実施するとサンプリングと
確認試験で多大な負荷がかかる。その負荷に見合うだけの品質へのメリットはない。
この要求事項をどのように負荷をかけずに対応するかについて紹介する。
サンプリングの基本とそれに関係する知識を把握し実践することで、
良い品質の検証並びに確保が可能となる。
セミナープログラム
1.原材料の問題による医薬品の品質問題
1) ヘパリン&グリセリンによる健康被害
2) 原薬の出発物質変更による経年での注射剤の不溶性異物析出
3) 添加剤による溶出試験への影響
4) 資材メーカーのコンタミによる製品回収
5) 原薬の発がん性物質リスクで回収
6) アンチドーピング薬剤の混入(洗浄バリデーション)による回収
2.PMDAの最近の動向
1) 韓国原薬メーカーのGMP不備に伴う、製品回収と改善命令
2) 日本の製造所のGMP不備に伴う製品回収と指摘内容
3) 他社の新製品のGMP適合性調査不備の自社への影響
4) 和歌山県の山本化学工業の事例と無通告査察
5) アンプルの生地管からのヒ素溶出による当局の姿勢
6) 生薬の抽出方法が製造販売承認書との齟齬による製品回収
3.サプライヤー管理の要求事項と重要性
1) PIC/S-GMPガイドラインのサプライヤー管理
2) GQPの原薬製造所管理
3) GQPの製造委託先管理
4) 原料/資材メーカーの品質トラブルによる製品回収/承認取得遅延例
・原料に毛髪混入
・原薬のMFに齟齬
・資材メーカーでの異種フリップキャップ混入による製品回収 など
4.海外製造所の問題点
1) 異物/外観の問題
・異物による製品回収
・注射剤の異物の海外とのギャップ
2) レギュレーション(製造販売承認書)との齟齬
3) 変更管理の難しさ
5.海外との品質契約の締結の注意点
1) 売買契約と品質契約のすみ分け
2) 品質契約で注意事項
3) 製造所の監査が行える(&品質トラブル時に製造所に監査が行える)
4) 受入れ時に適合しなかった場合の返品の可能性
5) 日本で外観選別した時の不良品の費用の負担
6) 変更時の連絡と承認
7) 製造所での製造販売承認書記載事項からの逸脱確認
8) 研究開発段階での外国製造所認定/GMP適合性調査資料提出の契約
・研究開発段階で注意すべき点
・海外の製造状況を把握し製造方法に反映させる(ソフトカプセル)
6.GMP監査項目
1) 製造販売承認書との整合性
2) 取り決め事項との整合性
3) 変更管理状況の確認
4) 逸脱/ OOSの確認
5) サンプリング方法の確認
6) 類似の原料/資材の確認と受入れ試験で検出可能かの確認
7) 洗浄バリデーションのサンプリングがワーストケースかの確認
8)リスクに基づいた監査の重要性
一般的なGMP監査をいくら行っても製品回収などの品質リスクは減らない
7.サンプリングに関する考え方
1) GMP省令
2) GMP事例集
3) サンプリングの考え方
4) 現場にサンプリングを任せる場合のリスク
5) サンプリング品のラインへの戻し
8.受入れ試験の役割
1) 倉庫での外装確認
2) サンプリングの内装確認
3) 類似原料/資材がチェックできるか
4) 品質問題を防ぐための追加の受入れ試験項目(原薬の物性)
5) 原薬変更時の受入れ試験の確認事項(不純物プロファイル)
6) 受入れ試験で確認できない項目の確認(アレルギー物質のコンタミ)
9.PIC/S-GMPガイドラインの位置づけ
1) PIC/S-GMPガイドライン Annex8「サンプリング」
2) 全梱包の原料確認試験の要求と統計的根拠に基づく受け入れ試験検査
3) 製造所の実施状況とPIC/S GMPガイドライン対応方針
10.全梱包の同一性の確認
1) 相手先製造所の品質保証体制の確認
2) 流通段階の保証(GDPの視点も含め)
3) 輸送中の一時保管場所での管理
4) 受け入れ時の保証
11.均質性の確認
1) 原料/製剤の均質性評価
2) 受け入時のロット毎の均質性の確認
3) 縮分による均質性の確認
12.確認試験の簡便法
1) ラマン分光
2) 近赤外
3) アルミピロー/金属容器など、非破壊検査ができない包装形態品の対応
13.まとめ(製造所の実際の方法案)
1) 計画案の作成
2) ラマン分光/近赤外での検討
3) 均質性データの確認
4) 査察による製造所のコンタミ防止策確認
5) 輸送業者、方法の確認と取り決め
6) サンプリングの削減について
14.サンプリングの取り方と注意事項
1) サンプリングのSOP
2) サンプリング者の研修
3) サンプリングの記録
4) 試料の縮分
5)サンプリング計画のための必要な知識
・製造方法の確認
・不均一工程/作業の有無確認
・バラツキの確認(粒度別含量)
・現場でのサンプリングはフィルターがかかっている
15.サンプリングと計数抜取検査
1) ゴルゴ13の銃弾の受け入れ試験
2) サンプリングに必要なバラツキについての基礎知識
3) 第一種の過誤と第二種の過誤(良品巻き込み&残存不良)
4) OC曲線の概念を身に付ける
5) AQLとJISZ9015抜取り試験
6) 外観不良/異物は全工程(QCの抜き取り試験含め)で保証
16.サンプリングのアラカルト
1) MRA/MOU国からの輸入品の受け入れ試験省略
2) √n+1の妥当性
3) サンプリングを製造現場に任せたことによる会社へのダメージ
4) OOS発生時のリサンプリングの問題
5) サンプリングのタイミングと試験(巡回検査と定位置検査)
6) サンプリング不備によるクロスコンタミ
7) 出荷試験時のサンプリングを中間製品で代用する場合
8) 溶出試験結果とサンプリング(製品回収の視点)
17.中国から原薬の購入に考慮すべき点
1)変更(製造場所変更)は突然&在庫の確保
2)技術移転時の注意事項
3)知らない内に製造販売承認書に記載ない製造所で製造
4)モニタリングが自らできる仕組みに
18.人が創る品質/Quality Cultureの醸成
□質疑応答・名刺交換□
セミナー講師
エーザイ株式会社入社後、品質企画部 統括部長、品質薬事部 統括部長、
品質保証責任者など30数年に渡り従事し、2013年9月に退職、現在に至る。
主な業務/専門
医薬品の品質管理/品質保証
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