加速試験・寿命予測入門 ～概念・基礎知識の理解とすすめ方・適用の実際～

★初級者にも理解できるよう、わかりやすく解説します。

講師

富士ゼロックスアドバンストテクノロジー(株) 品質保証＆安全環境評価部　シニアアドバイザー 　原田 文明 先生

セミナーポイント

　新製品開発において信頼性検証や寿命予測には長期間の試験が必要となる。開発期間の短縮に信頼性加速試験は欠かせない手法といえる。一方で、「加速試験の活用」は魅力的なフレーズだが、加速試験の基本を踏まえない運用では効率的な開発は望めない。
　信頼性加速試験は単に試験時間を短くするものではない。また寿命予測も正確に言い当てることが目的ではなく、ともに故障解析など自社のノウハウや信頼性モデルを活用して、短期間に信頼性にかかわる技術課題を発見し、改善につなげるものである。
　この講座では初心者から推進者を対象に、品質保証や未然防止に役立つ信頼性の基本と加速試験の考え方と寿命予測等への活用方法を分かり易く解説する。あわせて実務的な改善に役立つ加速試験に用いる基本的なモデルとデータ解析方法について実習を交えて紹介する。
　また信頼性加速試験の国際規格（IEC62506）についても制定にかかわった立場からその背景、狙い、概要を解説して、加速試験とその活用の体系的な理解を促すものである。

○受講対象：
　企業内で、開発、設計、品質保証、信頼性管理、信頼性試験・解析に関わる技術者や管理者

○受講後、習得できること：
　・信頼性、故障、寿命の概念が理解できる
　・設計段階での活動の重要性とポイントが理解できる
　・ワイブル解析の手法とパラメータの読み方が習得できる
　・信頼性試験の役割とサンプル数や試験規模の決め方が理解できる
　・加速試験の概要とその準備、実施上のポイント、注意点が理解できる
　・寿命予測の考え方・すすめ方が理解できる
　・加速試験で用いる故障物理モデルとその意味が分かる
　・国際標準の概要とその背景が分かる

セミナー内容

１．品質保証と未然防止
　　・品質への期待と品質保証の重要性
　　・「時間依存の品質」と「時点の品質」
　　・信頼性の基礎と特徴
　　・ディペンダビリティ（総合信頼性）の概念と要求される理由
　　・再発防止・未然防止と信頼性予測の役割
　　・安全性と信頼性の違いと加速試験の活用

２．信頼性加速試験の基本と信頼性データ解析・寿命予測の基礎知識
　　・故障の概念
　　・故障のメカニズムと故障モード
　　・故障のモデル（数理モデルと物理モデル）
　　・故障データの特徴と解析
　　・信頼性データの解析（ワイブル解析　実習付き）
　　・代表的な故障物理モデル
　　・物理モデルからの寿命予測（実習付き）
　　・試験規模とサンプル数の決め方

３．加速試験・寿命予測の基本と体系的な理解
　　・加速試験の種類と方法
　　・製品開発における加速試験・寿命予測の役割
　　・開発フェーズにおける加速試験の種類と使い分け
　　・定型試験と非定形試験の特徴と使い分け
　　・２つの加速試験と使い分け
　　・加速試験・寿命予測で出来ること、その限界と注意

４．製品開発における信頼性加速試験・寿命予測の役割と適用の実際
　　・製品開発の何処で加速試験・寿命予測を行うのか
　　・機器の加速試験と部品・材料の加速試験の共通点と相違点
　　・加速試験・寿命予測の適用例
　　・加速試験・寿命予測の結果の活用（演習付き）

５．国際規格とその動向
　　・IEC6250６の概要
　　・制定の背景と動向

補講）安全と信頼性の設計
　　・安全と信頼性の共通点と相違点

　　＜質疑応答＞