確率的グラフィカルモデルの基礎とその応用

 本講義では、確率的グラフィカルモデルと呼ばれる統計的機械学習モデルをテーマとして扱います。確率的グラフィカルモデルの利点は、なんと言っても、これ一つで多くのデータサイエンス(データマイニングや人工知能)ができるようになるという点です。これは、昨今の人工知能ブームにより盛り上がっているニューラルネットワークモデルとはその意味で一線を画すものです。データマイニングと人工知能を同時にこなすことのできる確率的グラフィカルモデルは、現在の人工知能の弱点(例えば、作成した人工知能の意味解釈が人間では困難である、など)を補填する可能性を大いに秘めた技術であり、将来の人工知能の核にもなり得る技術と期待しています。 ただ残念なことに、学術業界以外では、確率的グラフィカルモデルに対する認知はまだほとんど広がっていません。

 本講義では、初学者にも分かりやすいよう、統計的機械学習理論を学ぶ上で重要となるトピックは網羅的に解説し、理論の基礎から全体像、そして、応用に対する考え方に至るまでを習得できるようにします。また、初学者だけに限らず、統計的機械学習理論を多少聞きかじったけれども、しっかりと基礎部分を把握しておきたいという方にもピッタリな内容となっています。内容の性質上、数式が多数出現しますが、必要に応じて補足をしていくので特殊な専門知識は必要ありません。

講師


安田宗樹(やすだむねき)氏:山形大学大学院理工学研究科 情報科学科准教授(博士(情報科学))

【プログラム】


 1 はじめに
  1.1 データマイニングと人工知能
  1.2 機械学習とは何か?
   1.2.1 教師あり学習
   1.2.2 教師なし学習
  1.3 深層学習概説
  1.4 データマイニングと人工知能の対比
  1.5 統計的機械学習の目的とメリット
  1.6 確率の基礎と例題
   1.6.1 規格化条件
   1.6.2 平均・分散
   1.6.3 確率の和法則と積法則
   1.6.4 確率の基礎を例題で理解する

 2 統計的機械学習の基礎とマルコフ確率場
  2.1 ベイズ推定
  2.2 統計的機械学習の枠組み
  2.3 マルコフ確率場
   2.3.1 確率的グラフィカルモデルとは?
   2.3.2 ギブスサンプリング
   2.3.3 ボルツマンマシン
  2.4 マルコフ確率場の統計的機械学習の方法
   2.4.1 最尤法
   2.4.2 最尤法と情報理論
   2.4.3 EMアルゴリズム
  2.5 マルコフ確率場の問題点
  2.6 問題解決のための近似的計算技術
   2.6.1 モンテカルロ積分法
   2.6.2 最新のモンテカルロ積分法
   2.6.3 確率伝搬法
  2.7 ガウス型マルコフ確率場

 3 マルコフ確率場の応用例(データ生成モデル、データマイニングへの応用)
  3.1 統計的重回帰分析
   3.1.1 通常の重回帰分析
   3.1.2 マルコフ確率場に基づく重回帰分析
  3.2 画像ノイズ除去
  3.3 道路交通量の(ナウ・キャスト)推定
  3.4 グラフマイニング
   3.4.1 スパースモデリングのアプローチ
   3.4.2 項目間の関連マップの抽出

 4 人工知能への応用
  4.1 制限ボルツマンマシン
  4.2 パターン認識問題
  4.3 制限ボルツマンマシンを利用したパターン認識
   4.3.1 制限ボルツマンマシン型分類器
   4.3.2 画像認識への応用
  4.4 人工知能モデルからの知識発掘〜これからの人工知能〜

 5 おわりに
  5.1 本講座のまとめ
  5.2 統計的機械学習の利点とこれから 


【受講料】


・お1人受講の場合 47,000円[税別]/1名
・1口でお申込の場合 57,000円[税別]/1口(3名まで受講可能)


 受講申込ページで2~3名を同時に申し込んだ場合、自動的に1口申し込みと致します。