セルロースナノファイバーの基礎から製造・複合化・
自動車への応用・最新動向まで! 5部構成で解説!


概論:セルロースの構造・CNFの製造・各特性等
セルロースの溶解技術と解繊・表面修飾の同時処理による製造プロセス
セルロースでセルロースを強化する “オールセルロース材料”
CNFと樹脂・ゴムとの複合化技術とその応用
市場拡大をけん引する自動車分野への応用や動向 等々。


セミナー講師


第1部
東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授 博士(農学) 齋藤 継之 氏
【専門】 セルロース科学、コロイド化学
【経歴】
 埼玉県さいたま市出身。2003年東京大学卒業。大学院に進学して2008年博士号を取得。フランス国立植物高分子研究所やスウェーデン王立工科大学に留学。2013年より現職。2008年東京大学総長賞、2015年マルクス・ヴァーレンベリ賞、2019年日本学術振興会賞など。

第2部
(株) KRI 常務執行役員 材料分野統括 工学博士 堀 正典 氏
【専門】 材料解析、物理化学
【経歴等】
大学…光化学、金属クラスター化学、高分子化学
KRI…ナノ構造を制御した材料の作製とその応用研究のプロジェクトに従事
 セルロースについては、非プロトン性有機溶媒への溶解技術とその応用および、修飾セルロースナノファイバーの製造法の開発と応用技術開発について、多数のプロジェクトに参加。本分野でKRI単独で20件以上の特許を出願。

(株) KRI 上級研究員 農学博士 林 蓮貞 氏​

【専門】 セルロース化学、木材化学、高分子複合材料
【経歴等】
大学・大学院の専門…高分子材料
博士の専門…林産化学を専攻
① 高分子材料複合材料の研究10年間 1983-1993
 (中国科学院広州化学研究所とその他)
② 木材、リグニン又はセルロースの化学変性により
 熱可塑性又は熱硬化性を付与する研究10年間(京都大学農学研究科とその他)
③ セルロースの溶解技術、セルロースナノファイバーの研究開発15年間(KRI)

第3部
北越コーポレーション(株) 新機能材料開発室 研究ユニット
ユニットリーダー 博士(農学) 根本 純司 氏
【専門】 材料科学、パルプ製紙学

第4部
信州大学 先鋭材料研究所 特任教授 学術博士(PhD) 野口 徹 氏
【専門】 高分子物理、複合材料調整と物性解析

第5部
金沢工業大学 大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻 教授 影山 裕史 氏
【専門】 有機材料工学


受講料


54,000円 ( S&T会員受講料 51,300円 )
(まだS&T会員未登録の方は、申込みフォームの通信欄に「会員登録情報希望」と記入してください。詳しい情報を送付します。ご登録いただくと、今回から会員受講料が適用可能です。)


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2名で54,000円 (2名ともS&T会員登録必須/1名あたり定価半額27,000円)

【1名分無料適用条件】
※2名様ともS&T会員登録が必須です。
※同一法人内(グループ会社でも可)による2名同時申込みのみ適用いたします。
※3名様以上のお申込みの場合、1名あたり定価半額で追加受講できます。
※受講券、請求書は、代表者に郵送いたします。
※請求書および領収証は1名様ごとに発行可能です。
 (申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。)
※他の割引は併用できません。


セミナー講演内容


第1部【10:00~11:10】 
「ナノセルロース構造の精密制御により実現する効率と付加価値」

 セルロースナノファイバー(CNF)の量産体制も整い、水系の機能用途を中心に商品化にいたる事例も出てきた。しかし、CNFは現状高価であり、構造用途における実用化を志向する際は「安く簡単に作る」ことが通念的になっている。CNF特性の高度発現により実現する効率と付加価値が拓く新たなパラダイムについて考えてみたい。

<プログラム>
1.セルロースの固体構造

2.CNF生産の原理

3.精密制御により実現する効率と付加価値
 3.1 フィルム
 3.2 多孔質
 3.3 複合体

4.展望

 □ 質疑応答・名刺交換 □



第2部【11:20~12:30】 
「セルロースの溶解技術および
 解繊・表面修飾の同時処理によるCNFの製造技術と応用展開」

 セルロースの有効利用、高機能化利用を目的として、開発したセルロースの溶解技術、セルロースナノファイバーの製造と応用技術、木材又は木材成分の熱可塑化技術のご紹介。

<プログラム>
1.セルロースの溶解技術及びその応用

2.疎水化セルロースナノファイバーの製造技術

3.硫酸エステル化セルロースナノファイバーの製造技術

4.疎水化セルロースナノファイバーの特性と応用事例

5.硫酸エステル化セルロースナノファイバーの特性と応用事例

 □ 質疑応答・名刺交換 □



第3部【13:20~14:30】 
「セルロースナノファイバーを活用した
 オールセルロース材料の特性と応用展開および炭素繊維との複合化」

 近年セルロースナノファイバー(CNF)と樹脂とを複合化させた材料開発が盛んであるが、CNFと樹脂間での接着性(相性)が問題となることがある。この接着性という観点では、セルロースでセルロースを接着させたオールセルロースの材料が理想的であり、我々はそのような材料を以前から開発、製造してきた。最近の研究にて本材料は、CNFがマトリクス、残存したセルロース繊維が強化繊維の役割を担う、同一素材から成るユニークな複合材料であることが分かってきており、プラスチック代替材料として期待されている。
 本講演では、本材料の材料としての構造の特徴や、製造プロセス、製品の特長などについて紹介する。さらに、炭素繊維と本材料を複合化させることで、強度を維持したまま軽量化と周囲の環境変化による変形抑制を成し遂げた新規開発品も生まれており、その一部を紹介する。

<得られる知識>
・樹脂との複合化だけではないCNFの構造用材料
・セルロースだけでも硬くて強い材料ができること

<主な受講対象者>
・プラスチック代替材料、生分解材料を探している方
・ナチュラルでオーガニック感のある材料に興味のある方

<プログラム>
1.オールセルロース材料の概要
 バルカナイズドファイバーとの関係
 
2.オールセルロース材料の詳細
 2.1 製法
 2.2 表面形状
 2.3 断面形状
 2.4 表面積と平衡水分
 2.5 結晶構造
 2.6 材料の物理的特性
 2.7 製造工程の特徴
 2.8 応用例

3.炭素繊維との複合化

 □ 質疑応答・名刺交換 □



第4部【14:40~15:50】 
「セルロースナノファイバーと樹脂・ゴムの複合化および複合体の特性・応用展開」

 セルロースナノファイバー(CNF)は、直径約3nmの超極細繊維状の物質であり、木材などの陸上植のおよそ50%を占めているセルロースから得ることができる。非常に強くしなやかなCNFはゴムや樹脂などのフィラー、つまり強化材、機能付与剤として期待されている。ゴムや樹脂などの高分子材料は、フィラーによる高性能化によって用いられることが多いためである。しかし、CNFの表面は水酸基やカルボキシ基で覆われた強い親水性であり、多量の水で懸濁されて安定化し、水の減少によって、直ちに凝集する。
 一方、ほとんどの高分子は親油性であるため、CNFと相溶しない。このため、CNFと高分子材料の複合化は至難の業である。CNFと高分子のナノ複合材料を作製するためには、CNF原料である多量の水と高分子を置換する必要があり、つまり、乾燥工程が不可欠であり、この際にCNFは強い水素結合で凝集する。凝集したCNFは、もはや、ナノファイバーとは言えず、ナノフィラーの独特の性能付加、すなわち、ナノサイズ効果は得られない。
 そこで、我々、信州大学グループは、この課題を解決するために、二段階弾性混練法、およびCWSolid法を見出し、CNF高分子ナノ複合材料の製造に成功した。ほぼ同様の直径を有するカーボンナノチューブと比較しながら、複合体の特性と、それを応用した実用化について概説する。 

<得られる知識>
 ナノサイズ効果を発現する、ナノ複合体の調整法と、応用への道の概略を知る。

<主な受講対象者>
・ゴム技術者、樹脂技術者、自動車及び自動車部品関連の技術者、
 エネルギー関連の技術者などなど.
・それぞれの若手の技術者、研究者

<プログラム>
1.ナノ繊維コンポジットの現状
 1.1 カーボンナノチューブ(CNT)系ナノコンポジット
 1.2 セルロースナノファイバー(CNF)系ナノコンポジット
 
2.ナノコンポジット調整法とセルレーション技術
 2.1 弾性混練法と擬弾性混練法
 2.2 セルレーションと基本特性
 
3.ナノ繊維とマトリックスの界面
 3.1 界面の可視化
 3.2 界面相の分子運動性と評価法
 
4.CNTゴム複合体への応用
 4.1 油田・ガス田への極限材料の応用
 4.2 その他の分野への応用
 
5.CNT樹脂複合体への応用
 5.1 ポリオレフィンマトリックスのナノコンポジットの調整
 5.2 セルレーションと特性
 5.3 樹脂ナノコンポジットの応用
 
6.CNF系ナノコンポジット
 6.1 用いられるCNFの種類
 6.2 二段階弾性混練法によるCNFナノコンポジットの調整と特性
 6.3 CWSolid法によるCNFナノコンポジットの調整と特性

 □ 質疑応答・名刺交換 □



第5部【16:00~17:10】 
「セルロースナノファイバーの自動車分野への展開の狙いと現状開発動向、課題」

 将来の自動車用材料には、軽量材料化による走行時のCO2の大幅削減が求められる。そのため、軽量の樹脂材料には大きな追い風になっており、CFRPなどの樹脂系高強度複合材料などの量産化も進みつつある。ただ、その後の環境課題は、素材製造時のCO2削減へとつながる。カーボンニュートラルのバイオプラスチックの採用も進められているが、強度などの面から量産になかなか結び付いていない。
 そうした中、今、高強度バイオプラスチックとしてセルロースナノファイバーが注目されている。ここでは、その狙いと動向、技術課題について紹介し、更には、今後、自動車構成材料として定着するための方向について議論してみたい。

<得られる知識>
・将来の自動車を取り巻く環境
・将来の自動車材料設計  

<プログラム>
1.自動車を取り巻く環境の変化
 1.1 CO2問題
 1.2 CO2規制
 
2.樹脂化の利点と課題
 2.1 軽量化の必要性と樹脂化の促進(内装材~CFRP)
 2.2 樹脂自身のLCA改良の必要性

3.バイオプラスチック利用動向(トヨタ自動車の例)
 3.1 バイオプラスチックと自動車
 3.2 バイオプラスチックの課題と対策例
 3.3 高強度バイオプラスチックの出現

4.セルロースナノファイバーの可能性
 4.1 セルロースナノファイバーの意味(資源、材料、設計、リサイクルの観点から)
 4.2 セルロースナノファイバーの自動車展開例
 4.3 セルロースナノファイバーの技術課題と対策

5.セルロースナノファイバーの今後
 5.1 サプライチェーンの構築
 5.2 ビジネスモデルへの挑戦
 5.3 他産業との融合

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