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撹拌における小型翼から大型翼に至る様々な撹拌翼の特徴や適用性、
撹拌所要動力や混合、伝熱特性、スケールアップの基礎を解説します
初学者のための撹拌翼・スケールアップの考え方
セミナー趣旨
撹拌技術はプロセス産業をはじめとする多くの分野で用いられている基盤技術のひとつです。本技術の設備分野でのニーズは大きく、撹拌装置の選定をはじめ、ラボテストからパイロット機を経て商用実機に至るスケールアップなどは技術者の腕の見せ所でもあります。
撹拌は複雑かつ解明されていない事柄も多いためハンドリングに少し慣れが必要ではありますが、本講習会では理解を助けるために実験動画や写真等を用いて現象を捉えるとともに、小型翼から大型翼に至る様々な撹拌翼の特徴や適用性について解説します。
また均相系および異相系(固液撹拌)に関して、撹拌所要動力や混合、伝熱特性、スケールアップに関する基礎的事項について解説します。さらに近年、製造現場でも活用されている数値流体力学の手法を用いた評価の現状や適用性についても紹介します。
※本講習会では機械設計に関する事項の解説は除外いたします。
受講対象・レベル
プロセス設計、製造業務に携わる若手技術者、これから撹拌技術に取り組もうとされる方
必要な予備知識
特に専門的な知識は必要ありませんが、化学工学または機械工学の初歩的な知識があればなお良いと思います。
習得できる知識
・撹拌装置の種類や特長、操作特性を理解できる
・撹拌装置の選定の考え方を理解できる
・複雑な撹拌流動の評価・予測方法を理解できる
セミナープログラム
1. 撹拌の目的と装置の概要
1-1. 撹拌の目的
1-2. 撹拌装置の構成
(1) 缶体、電動機、減速機、変速機、シール
(2) 撹拌翼
(3) 邪魔板
2. 流動状態(フローパターン)の分類
2-1. 層流から乱流まで
2-2. 撹拌レイノルズ数ReMの定義
2-3. 各種撹拌翼のフローパターンとその特徴
(1) ハイドロフォイル翼、プロペラ翼など(軸流)
(2) タービン翼、平パドル翼など(放射流)
(3) 傾斜パドル翼(放射流+軸流)
(4) 多段翼(各種翼の組み合わせ)
(5) 大型翼(パドル系、格子系)
(6) アンカー翼
(7) リボン翼
(8) その他(多軸、同軸、ノンシール翼等)
2-4. 吐出流量と吐出流量係数Nq
2-5. 可視化実験装置の事例紹介
3. 撹拌所要動力
3-1. 撹拌トルクと動力数Np
3-2. 動力数Npと撹拌レイノルズ数ReMの関係
3-3. 乱流の完全邪魔板条件
3-4. 単位体積当たりの所要動力Pv[W/m3]
3-5. 商用実機の動力測定
4. 混合性能
4-1. 混合時間θMと無次元混合時間n・θM
4-2. 混合時間の相関
4-3. 混合時間の測定
(1) 着脱色法
(2) 電気伝導度法など
5. 伝熱性能
5-1. 熱伝達係数hとヌセルト数Nu
5-2. 壁面における粘性係数変化の影響評価
5-3. 局所熱伝達係数と総括熱伝達係数
5-4. 境膜熱伝達係数
6. 固液撹拌
6-1. 完全浮遊条件
6-2. 浮遊限界回転数の評価
7. 小型翼と大型翼の分類
7-1. 幾何パラメータとしての翼回転投影面積
7-2. 多機能撹拌翼としての大型翼
7-3. 適用性の評価
8. スケールアップの基本的な考え方
8-1. 撹拌レイノルズ数ReM基準では間違いを起こす
8-2. 幾何学的相似の条件
8-3. 単位体積当たりの投入動力Pv[W/m3]基準
8-4. 撹拌動力数Np基準
8-5. 層流域のスケールアップ
9. 数値流体力学(CFD)の応用
9-1. 支配方程式
9-2. 解析プログラム(使用する機能)とコンピュータ
9-3. フローパターンの予測と検証
9-4. 撹拌所要動力の予測と検証
9-5. 混合と熱伝達の予測
9-6. 商用実機の撹拌所要動力予測
9-7. 撹拌へのCFD適用の今後展望
10. まとめ
セミナー講師
呉工業高等専門学校 機械工学科 教授 工学博士 高田 一貴 氏
【ご専門】
移動現象、撹拌工学
【ご略歴】
1989年3月 九州大学大学院工学研究科 博士後期課程修了
1989年4月~2015年3月 株式会社神鋼環境ソリューション 勤務
2015年4月 呉工業高等専門学校 機械工学科 教授 現在に至る
上席化学工学技士
化学工学会 ミキシング技術分科会 幹事
セミナー受講料
55,000円(税込、昼食・資料付)
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