海洋プラスチック汚染問題、法規制、業界動向から
最新のバイオプラの構造、特性、採用事例まで                                 バイオマスプラスチックの “今” を1日じっくり解説!


講師


望月 政嗣 氏 (元 京都工芸繊維大学特任教授 工学博士、高分子学会フェロー) 

【ご専門】
 高分子材料科学、特にバイオプラスチックや生分解性高分子、高分子の高性能・高機能化材料設計と成形加工技術、繊維・不織布の構造と物性

【講師紹介】
1968年 京都大学工学部高分子化学科卒。京都大学工学部助手を経て
1969年 ユニチカ(株)入社、中央研究所から大阪本社技術開発企画室を経て
2003年 理事、テラマック事業開発部長。この間山形大学と京都工芸繊維大学客員教授、
 京都工芸繊維大学バイオベースマテリアル研究センター特任教授兼務
2007年 ユニチカ(株)定年退職後、京都工芸繊維大学繊維科学センター特任教授(常勤)
 として5年間勤務。この間、日経BP技術賞その他受賞、日本バイオプラスチック協会
 (JBPA)識別表示委員会委員長、(社)繊繊学会理事関西支部長等を歴任。
 著書に「バイオプラスチックの素材・技術最前線」「生分解性ポリマーのはなし」
 その他多数


受講料


1名につき 50,000円(消費税抜、昼食・資料付)
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき45,000円〕


プログラム


【習得できる知識】
・バイオベース・モノマーや化学品の最新動向と技術的課題
・新規バイオプラスチックの基本特性と技術・製品・市場開発動向
・イノベーションの系譜とその概念の正しい理解
・地球環境保全と資源循環型社会に向けての法規制・業界動向  

【講座趣旨】
 今日の日本社会において、イノベーションという概念は益々その重要性を増しているにも関わらず多くの日本人は単なる技術革新と誤解し、その本質を正しく理解していないように思われる。旧来の既成概念や価値観を根底から覆す真の破壊的イノベーションは顧客の目先のニーズから生まれるのではなく、供給者自らがイニシアティブを握り顧客にはないニーズを創発することである。
 海洋プラスチック汚染問題に代表される地球環境・資源・廃棄物問題が顕在化した今日、新たなバイオベースのプラットフォームケミカルの開発が進展する中で、様々な新規バイオプラスチック素材群が開発されてきたが、本講では先ずイノベーションの概念の歴史的経緯とその正しい理解を踏まえた上で、新規バイオプラスチック素材群(生分解性であるか否かは問わず)の最新技術・市場開発最前線を踏査する中で、次世代を担う真のイノベーションに値する潜在的可能性を秘めた注目の新規バイオプラ素材群を中心に論及する 。 
 
第1部 イノベーション(Innovation)とは?
 ― イノベーションが渇望される今こそ、多くの日本人の誤解を覚醒する 
 1.J.A.シュンペーターによる「新結合」の概念提唱:「経済発展の理論」(1912)
 2.破壊的イノベーションと持続的イノベーション
 3.シュンペーターが意図した真のイノベーション「破壊的イノベーション」とは、
       顧客のニーズに基づくのではなく顧客にないニーズを創発することである
 4.経営の神様P.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」とは
 5.イノベーションを阻む見えない「ガラスの壁」をいかにブレイク・スルーするか
 6.C.M.クリステンセンの「イノベーションのジレンマ ー 技術革新が巨大企業を滅ぼす時」
 7.個々の技術力に勝る日本企業が、何故事業で敗れるのか

第2部 バイオベース・プラットホームケミカルとバイオリファイナリー最前線
 − 新たな地平を切り拓くバイオリファイナリー・フロンティア 
 1.バイオエタノール
  1) デンプン(トウモロコシ)や廃糖蜜(サトウキビ)から
  2) リグノセルロース(麦や稲糖の茎、暖竹、草)から…第二世代バイオエタノール
   ・酵素生産、糖化、発酵の生化学的過程をすべて統合化したCBPとは?
   ・微生物の細胞表層に酵素などの機能性タンパク質を集積する細胞表層工学技術 
 2.バイオベース・モノマー又は中間体
  C2…エチレングリコール(EG)
  C3…グリセリン,乳酸,1.3-プロパンジオール(PDO),3-ヒドロキシプロピオン酸(3-HP),
   アクリル酸
  C4…コハク酸,1,4-ブタンジオール(BDO),γ-アミノ酪酸(GABA)
  C6…ソルビトール,イソソルバイド,フランジカルボン酸(FDCA),アジピン酸
  C8…p-キシレン(PX)、
  C10…セバシン酸
  C18…リシノール酸
   ・北海道大学が従来法の限界を突破する画期的な高効率FDCA新規化学合成法を開発

第3部 バイオプラスチックの最新動向 
 − 自然淘汰の"ダーウィンの海"を泳ぎ切る本命候補は? 
 1.バイオポリエチレン(bio-PE) 
 2.バイオポリエステル(bio-PES)
  2-1 生分解性バイオポリエステル
   …深刻化する海洋プラスチック汚染問題が欧州その他の使い捨てプラ使用禁止法令や
    市場拡大に拍車
   ① ポリ乳酸(PLA)
    ・生分解性(堆肥化可能なバイオリサイクル材)と長期使用耐久性(構造材料)の
     両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
    ・第二世代ポリ乳酸…高L組成ポリ乳酸(High %L PLA)、%D<0.5
   ② ポリブチレンアジペート・テレフタレート(PBAT)
   ③ ポリブチレンサクシネート(PBS, PBSA)
   ④ 微生物産生ポリエステル(PHBV, PHBH)
    ・過去40年間、世界中の多くの企業が参入と撤退を繰り返し、未だ本格的に
     工業化されない核心的理由とは?
   ⑤ その他(PGA, PEST, デンプン系)
  2-2 非生分解性バイオポリエステル
   ① バイオポリエチレンテレフタレート(bio-PET)
    ・従来のイソブタノール法(Gevo)に代わるVirentのセルロース由来が主流に?
   ② ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)
   ③ ポリエチレンフラノエート(PEF)
    ・化学構造…植物由来指環式ジールのフランジカルボン酸(FDCA)から成る
     バイオポリエステル
    ・基本特性…ガスバリア性(PET対比で酸素6倍、二酸化炭素3倍、水蒸気2倍)、
    ・耐熱性(括弧内PET)…Tg/Tm(℃): 86/235(74/265)、熱変形温度HDT:76(64)
 3.バイオポリアミド(bio-PA)
  ・ヒマシ油(リシノール酸トリグリセリド)の熱分解による化学変換
  ・ヒマシ油系バイオポリアミド…PA11, PA610,PAXD10, PA10T,その他 
  3-1 ポリアミド11…最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド 
  3-2 ポリアミド10T
   ・化学構造…ひまし油由来1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
   ・基本特性…超高耐熱性…
    Tg/Tm(℃): 160/314, DTUL(1.8MPa)>300℃、
    低吸水率 耐薬品性、耐摩耗性、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ 
  3-3 ポリアミド4…ポリアミドの中で唯一の生分解性プラスチック 
  3-4 ポリ尿素
   ・二酸化炭素の直接的固定化とバイオマス由来ジアミンによる究極の環境配慮型素材、
    ポリアミドに匹敵する優れた耐熱性と電気特性 
 4.バイオポリカーボネート(bio-PC)
  ・化学構造…植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート
  ・基本特性…光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた
   新規エンジニアリング・プラスチック 
 5.バイオポリウレタン(bio-PU)
  5-1 ヒマシ油系ポリエステルポリオールを用いたbio-PU
  5-2 1,3-プロパンジオール系ポリエーテルポリオールを用いたbio-PU
 
 【質疑応答】


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キーワード

高分子・樹脂材料   環境負荷抑制技術

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